◆ 豊洲市場の建物内で“震度2強”謎の揺れ頻発…都の対策は? (日刊ゲンダイDIGITAL)
「徐行」を呼びかけているが…(提供写真)
新しいはずの建物で腐敗臭が漂い、猛毒を含む黒い粉塵が舞う――。日刊ゲンダイは開場から9カ月近くの間に豊洲市場の不気味な問題を報じてきたが、新たな「欠陥」が発覚した。巨大な市場は、文字通り“大揺れ”に見舞われているのだ。
「仲卸棟3階の事務所でデスクワークをしていると、たまに建物が『カタカタカタ』と揺れるんです。これが結構な頻度で1時間に2、3回程度は揺れる。縦揺れで、本物の地震の震度で言うと『震度2強』くらいの感覚でしょうか。『ロッカーがガタガタ揺れてうるさい』『揺れが気持ち悪いと言って従業員が辞めてしまった』という声が上がっています。昨年10月の開場直後から揺れてましたから、多くの業者が都に『何とかしてくれ』と要望しています」(仲卸関係者)
日刊ゲンダイ記者も仲卸棟3階の飲食店舗エリアをしばらく歩いたが、確かに時たま「カタカタカタ」と揺れる。慣れていないと、本物の地震と勘違いするほどだ。
都によると、“謎の揺れ”は建物と建物の継ぎ目で出っ張っている「エキスパンションジョイント」の上を、スピードを出した車両が走ることが原因だという。
エキスパンションジョイントとは、気温差による建物の収縮・膨張や、地震の揺れを分散、吸収させるための設備。4階にある駐車場をグルリと囲む片道一車線の外周道路を横切る形で2カ所に設置されている。業者の要望を受け、都はどんな対策を取っているのか。
◆ 対策は震源地付近の通行止め
「付近に『徐行』と書いた張り紙を張り、常駐させた警備員に口頭で徐行を呼びかけてもらっている」(豊洲市場設備課)
随分と原始的な対策だが、市場関係者からは「徐行を徹底しても揺れが収まらない」との声が上がる。そこで、都は新たな対策として1日から、エキスパンションジョイントの上を「通行止め」にした。
要するに、移動する車両に迂回させるということ。物流に支障が出るのは間違いない。
「現状でも豊洲市場は搬出入の経路が不足していると指摘されています。そこへ、さらに物流導線を制限しては、搬出入により時間がかかってしまう。そもそも、振動が建物に伝わらないように設計すべきでしょう。都は、事前の想定が甘かったのではないでしょうか」(建築エコノミスト・森山高至氏)
付け焼き刃の対策では何も解決しない。
『日刊ゲンダイDIGITAL』(2019/07/03)
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/257404
「徐行」を呼びかけているが…(提供写真)
新しいはずの建物で腐敗臭が漂い、猛毒を含む黒い粉塵が舞う――。日刊ゲンダイは開場から9カ月近くの間に豊洲市場の不気味な問題を報じてきたが、新たな「欠陥」が発覚した。巨大な市場は、文字通り“大揺れ”に見舞われているのだ。
「仲卸棟3階の事務所でデスクワークをしていると、たまに建物が『カタカタカタ』と揺れるんです。これが結構な頻度で1時間に2、3回程度は揺れる。縦揺れで、本物の地震の震度で言うと『震度2強』くらいの感覚でしょうか。『ロッカーがガタガタ揺れてうるさい』『揺れが気持ち悪いと言って従業員が辞めてしまった』という声が上がっています。昨年10月の開場直後から揺れてましたから、多くの業者が都に『何とかしてくれ』と要望しています」(仲卸関係者)
日刊ゲンダイ記者も仲卸棟3階の飲食店舗エリアをしばらく歩いたが、確かに時たま「カタカタカタ」と揺れる。慣れていないと、本物の地震と勘違いするほどだ。
都によると、“謎の揺れ”は建物と建物の継ぎ目で出っ張っている「エキスパンションジョイント」の上を、スピードを出した車両が走ることが原因だという。
エキスパンションジョイントとは、気温差による建物の収縮・膨張や、地震の揺れを分散、吸収させるための設備。4階にある駐車場をグルリと囲む片道一車線の外周道路を横切る形で2カ所に設置されている。業者の要望を受け、都はどんな対策を取っているのか。
◆ 対策は震源地付近の通行止め
「付近に『徐行』と書いた張り紙を張り、常駐させた警備員に口頭で徐行を呼びかけてもらっている」(豊洲市場設備課)
随分と原始的な対策だが、市場関係者からは「徐行を徹底しても揺れが収まらない」との声が上がる。そこで、都は新たな対策として1日から、エキスパンションジョイントの上を「通行止め」にした。
要するに、移動する車両に迂回させるということ。物流に支障が出るのは間違いない。
「現状でも豊洲市場は搬出入の経路が不足していると指摘されています。そこへ、さらに物流導線を制限しては、搬出入により時間がかかってしまう。そもそも、振動が建物に伝わらないように設計すべきでしょう。都は、事前の想定が甘かったのではないでしょうか」(建築エコノミスト・森山高至氏)
付け焼き刃の対策では何も解決しない。
『日刊ゲンダイDIGITAL』(2019/07/03)
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/257404
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