パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

卒13グループ意見陳述書

2007年07月02日 | 日の丸・君が代関連ニュース
★ ビアノ伴奏事件最高裁判決の読み方 ★
  講師 土屋英雄さん(筑波大学)
 7月7日(土)午後5~8時
  ハイライフプラザ板橋Bホール(埼京線「板橋」下車徒歩2分)
  資料代500円
  主催 良心・表現の自由を!声をあげる市民の会
 去る2月27日、ピアノ伴奏事件に対する最高裁判決が出されました。不当な判決に私たちは一様に怒りを覚えました。
 しかし判決文のなかには、藤田少数意見、那須意見一部など見るべきものもあります。後続裁判を闘う者にとって、しっかりと分析し読み込むべき重要判決です。
 今後の闘いのために、是非みなさん、判決の学習を行ない、共に理論武装していきましょう。

 東京都人事委員会 御中
 07年6月7日
陳 述 書
渡辺厚子

 都立北養護学校の渡辺と申します。05年3月不起立により、減給6ヶ月の処分を受けました。04年には減給1ヶ月だった処分が累積加重され6倍にもなったことに、その量定の重さと基準のあいまいさに大きな怒りを覚えます。
 学習指導要領を唯一の根拠にした処分が、他県では10数回の不起立で戒告にとどまっているにもかかわらず、石原都政下ではわずか3回で減給6ヶ月になる。私は本人事委員会で処分量定の根拠と法の下の平等性が保たれているのか否かを明らかにされることを要求します。見せしめ的抑制効果を狙い、処分を重くし、思想良心表現の自由を制限することは憲法上許されません。

 そもそも、思想や人のあり様に国家、行政が介入するのは、近代法の根幹を揺るがす大問題です。これが揺らぎ、かって日本人はアジア2000万人を殺し、自らも300万人の死者を出したのです。国家が、国民に犠牲を求め、服従を強いる時、私たち民衆の生命は国家に預けられ自分のものではなくなります。
 今、激しく進行する「日の丸・君が代」の強制は、再び民衆を国家の思い通りに統合し、靖国に直結させるもので、断じて認めることはできません。

 私の家族は、アジア侵略戦争の渦中で生命を落としました。父は、凍土の松林の中に妻と乳飲み子を埋めてこざるを得ませんでした。父の上司や「満州」支配の頂点に立つ一人岸信介は、無傷で日本に帰り、岸は巨万の富と権力を手にしました。彼や彼の孫の見る歴史は戦争に敗けたことを悔やみこそすれ、戦争自体を悔い、加害責任を顧みるものではありません。
 叔父は兵役検査に行ったきり、戻ることがありませんでした。敗戦間近い頃、わが家の近所の人が遠く港町で出兵行進する軍団とすれ違いました。その時、脱兎のごとく飛び出してきた若い兵士、それが叔父でした。南方に行く、と一言告げ大急ぎ隊列に戻っていったそうです。死ぬほど殴られるであろうに、遠い故郷の父母にせめて一言伝え遣したかったのでしょう。
 わが家の嘆きは、決して天皇や岸一族は味わいません。私たちが二度と、殺し殺される愚を犯さないためには「侵略戦争を生み出し、かっこれを支えた思想を、今日、克服精算するのかどうか」(山田昭次立教大名誉教授)という問いに真剣にこたえることであると思います。

 「日の丸・君が代」問題はここに尽きると思います。私は今、障がい児たちに関わる教育労働者としても、この問題に向き合い、こたえようと向き合ってきました。
 「日の丸・君が代」が強制導入され、10.23通達が出された卒・入学式で、無理矢理壇上にあげられ、内心の自由は告知されず、車椅子自力操行も、トイレに行くことも、発作の時に担任に付き添ってもらうことも止められた障がい児の姿を見た時、戦時中餓死させられた(能力)差別と(存在の)利用の歴史が今も脈々と流れていることを改めて思います。
 別学体制をとり、格差社会の中で切り捨てられながら、例外をうまないために無茶を承知で普通校と全く同じことを要求される。二重の差別を感じます。
 弱肉強食を是とする社会、差別排外的な国家主義をかつぐ社会では、障がい児たちは、個の尊厳から最も遠くにやられてしまいます。そして直接手を下すのが私たち教育労働者なのです。
 「侵略戦争とこれを支えた思想」は、障がい児・者や朝鮮人・中国人をはじめとするアジア民衆への加害責任の認識と、共生への営みによって克服する契機を与えられると、私は思っています。このような思想と教育実践を処分で断罪するのは間違っています
 「日の丸・君が代」強制と処分は即刻取りやめなければなりません。

 最後に、私は処分によって精神的にも身体的にも経済的にも、大きな苦痛と損害を受けました。
 05年の本件処分の後、大泉養護学校・江崎校長より呼び出され、「おまえとは一緒に働きたくないと、みんなが言っている。全員が言っている。だから異動させるつもりだ」と言われました。私はようやくの思いで「全員に聞いて回ったのか」と問いました。すると「これから自己申告面接で全員に聞く」「その結果で決める」と言いました。矛盾した言葉であることもさることながら、あまりのひどさに伝え聞いた同僚たちは「一緒にやりたい」と言いに行ってくれましたが、もらろん強制的に異動させられました。保護者は泣きました。
 校長の言動はパワーハラスメントであり、精神的いじめです。
 「日の丸・君が代」処分は、思想良心を押し潰すものであると同時に、人間をおとしめ、いやしめる人権犯罪であることを訴えます。即刻、処分を取り消して下さい。


○7月12日(木)卒業式13グループ3回目〔大泉養護校長・多摩養護校長・都障教組役員〕
 場所 人事委員会審理室(都庁第1庁舎北棟39F)
 時間 14時(傍聴抽選は10分前、都庁第1庁舎北棟38F)


『ほっととーく 54』より
「良心・表現の自由を!」声をあげる市民の会
〒176-0012 練馬区豊玉北5-17-7-303 サポートねりまねりま全労協気付
郵便振替:00140-6-517545 加入者名:声をあげる市民の会


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