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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

豊洲に移転しないで築地で営業を続けている仲卸業者がいる

2018年10月20日 | 平和憲法
 ★ 廃止されていない築地市場は解体出来ない! (週刊金曜日)
永尾俊彦(ながおとしひこ・ルポライター)

 ★ 一部仲卸が営業権を盾に開店“買い物ツアー”も
 「10月10日で築地市場(東京都中央区)は閉場し、11日から豊洲市場(江東区)が開場します」。東京都はこう発表し、11日からは築地市場の一部解体工事が始まったが、その中でも数店舗を開き、営業を続ける仲卸業者らがいる。
 営業を続ける根拠となっているのは、「築地市場の仲卸業者は、憲法で保障された財産権である営業権を持っている」(熊本一規(くまもとかずき)・明治学院大学名誉教授)という点だ。
 豊洲市場の土壌汚染の問題などから移転に反対してきた仲卸業者らは、今年6月に築地市場営業権組合(約150業者)を結成した。
 これに呼応し、約10年前から豊洲市場の汚染問題を追及してきた一級建築士の水谷和子(みずのやかずこ)さんが、「買い物ツアー」をツイッターで呼びかけると、10月11日午前8時には、築地市場の正門前に参加者約100人が集まった。
 一行は、サンドイッチやジュースなどを売る丸八船舶食糧商店や、仲卸店では唯一営業した宮原洋志(みやはらひろし)さん(67歳)の店で買い物をした。
 宮原さんは、築地市場の前身の日本橋魚河岸時代から続く塩干物(えんかんぷつ)の明藤(あかとう)商店の4代目だ。息子が5代目を継ぎ、豊洲でも営業する。
 用意したアジやサバの干物、ウニのビン詰めなどは30分ほどで完売。

 都の職員が、「旧築地市場で営業することは(豊洲市場での営業)許可の取り消しを含む処分の対象になります」と警告するも、宮原さんは、「私は営業権に基づき、営業しているだけです」と答えた。
 これに熊本名誉教授が、「営業権は都の許可と暖簾(のれん)に基づいて発生します。今、宮原さんは暖簾に基づいて築地で営業しているんです。もし暖簾に基づいた営業権が存在しないというなら、証明してください」と反論。
 都職員は無視して同じ警告を繰り返したが、買い物は止めなかった。止める法的根拠が示せないから止められないのだ。
 ★ 都は「地上げ屋」のよう
 宮原さんは、「営業するのが一番大事だとわかりました。毎日ここで粛々と営業します」と話した。
 ツアーに参加した女性(53歳)は、「都民を守るべき都が、営業権のある都民を守らないなんて地上げ屋のよう」と感想を述べた。
 卸売市場法第14条は、中央卸売市場を廃止するには農林水産大臣の認可が必要で、「一般消費者及び関係事業者の利益が害されるおそれがない」時でなければ認可してはならないと定めている。
 だから、熊本名誉教授は、「築地市場解体には廃止の認可が必要で、営業が続いていれば『利益』を害することになり、認可できません」という。
 筆者は農水省の卸売市場室に、廃止の認可がなくても市場を解体できるのか聞いた。
 「都からは同法11条の業務規程(築地の位置と面積を豊洲に変更する)などの申請があったので、それを認可しました。築地市場をどうするかは都の管理になる」と答えた。
 解体するか否かは都の判断ということだが、築地市場はまだ閉場も廃止もされていないということでもある。
 筆者は、都の市場政策課にも解体できる根拠を聞いたが、「都条例で業務規程を変更し、築地市場の位置と面積を豊洲市場に変更したので、築地は市場としては営業していません」と答えた。だが、まだ営業している業者はいる。
 築地市場での営業と「買い物ツアー」は、その後も連日続いている。次の正念場は、本格的な解体工事が始まる10月18日からだ。
 (買い物ツアー問い合わせ/ツイッターアカウント @mizunoyak)

『週刊金曜日 1205号』(2018年10月19日)

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