パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

小沢年樹弁護士に突撃インタビュー

2007年03月10日 | 板橋高校卒業式
 ◇◆◇ 勝つぞ!控訴審!3・18板橋高校藤田裁判支援集会 ◇◆◇
  日時: 3月18日(日) 13:30~
  場所: 板橋文化会館4F大会議室 (東武東上線大山駅5分)


■ <板橋高校藤田裁判> 控訴審の焦点
 勝利の鍵は『正当行為』にあり~予防訴訟勝訴判決が生んだ新しい地平


Q:今、藤田裁判以外にどのような裁判を抱えていらっしゃいますか?
 現在全面解決に近づいている「東京大気汚染裁判」。これは石原都知事と共に闘い自動車メーカー7社から医療費を勝ち取るところまで来ている。それから周防正行監督で映画化される痴漢冤罪事件(一審有罪が二審逆転無罪になった『お父さんはやってない』太田出版、には小沢弁護士も登場。お勧めの一冊)。あと破産管財人をやっているので、その関係の件数が多い。

Q:藤田裁判一審村瀬判決の問題点は?
 事実の争いと評価の問題がある。仮に事実にすべて勝ったからと言って自動的に勝ちになるわけではない。両方に問題があった。判決文をよく読み直すと、実は意外な点が問題が浮かび上がってきた。

Q:事実の争いでは?
 田中教頭の「偽証」が採用されたのは負け。ただし他の事実関係では、勝った争点も多い。開式の遅れは検察の主張した5分ではなく2分。卒業式出席の目的も、妨害ではなく見届けようとして出席したと認められている。これは「威力」行為を減殺する事実認定として意味は大きい。
Q:評価の争いでは?
 「威力業務妨害罪」とは、一つの要素ではなく「総合判断」との最高裁判例がある。どの要素が「威力」でどのような「業務妨害」が発生したかというと、声の大きさとも、参列者の不快感とも言っていない。発言内容が、「10・23通達」通り厳粛な式典を挙行したかった校長の立場からすれば、必要のない対応を迫られたことが意志の制圧とみなされた。発言内容が問題にされている。これでは、あらゆる抗議活動が威力となってしまう。事実誤認以上にはるかに深刻で普遍的な問題だ。

Q:控訴趣意書の主張のポイントは?
 原審の主張をベースに新たな主張も加えた。基本構造は、構成要件該当性(威力に当たらない、業務妨害は生じていない)と可罰的違法性(罰するほどではない)と公訴権濫用(政治目的の起訴である)に加えて、より積極的に「正当行為」「正当防衛」を主張している。
 正当防衛(刑法36条)とは「急迫不正の侵害へのやむを得ない行為」だ。退出命令への抗議は、これに当たる。
 正当行為(刑法35条)とは、目的の正当性・手段の相当性・利益衡量の「法益のバランス」である。藤田さんの「訴え」は、「10・23通達」の違憲・違法性から、生徒・教員・保護者の権利を守り、かつ自分の利益を守るための正当な行為であった。
 これを無罪の根拠として、原審の事実認定も生かし、強力に前面に打ち出していく。
 側面からの攻撃として、事実誤認を徹底解明し、都教委や政治家の意図を暴くため、一審では不同意だった調書類も援用して論証した、詳細な「控訴趣意書その2」も用意した。
 控訴審の行方は、「控訴趣意書」の出来に懸かっていると言って良い。

Q:新証拠、新証人は? ICレコーダを裁判官は聞くでしょうか?
 新証拠類は、控訴審では原則として採用しない。採用されるのは、原審で不可能だったもの。例えば、当時見つかっていなかった証人・証拠とか。会場にいた当時生徒などの証人と学者証人や、その後判決の出た予防訴訟の証拠類などはその例外に該当するので、近々申請する。これらが採用されるか否かは大きなポイント
 弁護側がICレコーダの信憑性をさらに追求することはしないが、重要な証拠だから裁判官は聞く可能性が高い。

Q:9・21予防訴訟勝訴の影響は?
 極めて大きい。上記「正当行為」の立証は、「10・23通達」が違憲違法であることで成立する。その論証を地裁が認定してくれたので、大変やりやすくなり、新しい地平が開かれた。
 北海道人事委裁決や葛飾ビラ配布無罪判決も、当然大変有利に働く。

Q:「表現の自由」は、裁判では認められにくいのではありませんか?
 「表現の自由」は余り前面に出さず、「正当行為」を強く主張している。「表現の自由」は優越的権利ではあるが、より「急迫不正の侵害」への反撃権の問題。また「沈黙の自由」と「表現の自由」の違いは、民事と刑事とでは違法性のレベルが違うので、余り問題にならない。

Q:初公判はいつ頃? 控訴審のポイントは?
 弁護側の「控訴趣意書」を12月15日に提出した。裁判所は検察側の「反論書」の提出も求めていて、その期限が2月28日。証拠申請はその前に済ます。「反論書」まで予め出させるのはあまり例のないこと。初公判は、裁判官が両書面に目を通してからだから、3~4月になるだろう。
 初公判に注目。そこで申請した新証拠・新証人が採用されるかどうか分かる。すべて却下されれば、一回の公判で結審という恐れもないわけではない。逆に、多数申請した証拠類がどれだけ採用されるかによって、原判決見直しの可能性も見えてくる。第一回で方向性が決まると言っていいだろう

Q:高裁の法廷の広さは?また「過剰警備」は続くのでしょうか?
 104号法廷のような大法廷は、地裁・高裁関係なく使う。裁判所の判断に社会的評価は影響を与えるので、法廷を満席にすることやマスコミの反応も大事。
 公安二課扱いだったので厳しい警戒となった模様。「日の丸・君が代」に関わる裁判なので右翼の介入も予想され、その対策と考えて、過剰な反応はしない方がよい。正しい我々が守ってもらえるとの自信とゆとりを持って傍聴に望んで欲しい。

Q:支援体制について?
 村瀬コートでは、田中偽証こそ認められてしまったものの、その他の点ではこちらの主張が認められている。実は外堀は埋めた、とも言える。それも、この裁判が注目を集めていたからこそ。
 今回は原審で獲得したものを土台に闘いを展開する。マスコミや各方面に呼びかけて注目を集めることと、やはり引き続き法廷を満席にすることが大事である。

 『藤田先生を応援する会通信 第18号』から

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