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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

☆ 明けない夜はない(176)<戦争と政治・経済、野党の動揺と私たち>

2022年12月16日 | 「日の丸・君が代」強制反対

<転送歓迎>(重複ご容赦)
・「新芽ML」・「ひのきみ全国ネット」・「戦争をさせない杉並1000人委員会」・「杉並コモンズ」の渡部です。

 先日、ある友人から「戦争とは政治の延長というがそうだろうか。むしろ政治が戦争の延長ではないか」という電話がかかってきた。
 そしていうには、「ナポレオン戦争後ウィーン体制が出来た。第一次大戦後ベルサイユ体制が出来た。第二次大戦後はポツダム体制またはサンフランシスコ体制が出来た。」要するに戦争が新しい体制を生み出すということである。

 確かに政治と戦争を原因と結果からみればそうとも言える。
 しかし歴史はそこで終わるのではない。
 原因は結果となるがまた結果は新たな原因ともなる。
 ただ、▲「戦争とは政治の延長」とクラウゼビッツが述べたことは「戦争」を単に「戦争」として見、<政治>と切り離して見てはならないという点では正しい。
 だから戦後体制は戦前からの政治に左右される。

 ところで、その後マルクスは<政治>の根底には(経済的土台)があることを明らかにし、資本主義経済の基本的な仕組みを『資本論』で明らかにした。

 その後、第一次大戦中にレーニンは『帝国主義』(1916年)を書き、帝国主義の経済的土台を解明し、それが戦争の大きな原因になったことを明らかにした。
 この本は次のような目次になっている。

 第一章 生産の集積と独占
 第二章 銀行とその新しい役割
 第三章 金融資本と金融寡頭制
 第四章 資本の輸出
 第五章 資本家団体のあいだでの世界の分割
 第六章 列強の間での世界の分割
 第七章 資本主義の特殊の段階としての帝国主義
 第八章 寄生性と資本主義の腐朽化
 第九章 帝国主義の批判
 第十章 帝国主義の歴史的地位

 これは現在読んでも多くの示唆を与えてくれる。

 そうして、1917年の3月革命と11月革命で帝政ロシアを打倒し、ソビエト権力を打ち立て悲惨な第一次大戦の終結の突破口を開いた。

 しかし、その後資本主義世界は恐慌となり、それが引き金となりドイツでファシズムが生まれ日本も急速にファシズム化し、第二次大戦が引き起こされる結果となった。
 要するに戦争の大きな原因は経済的土台にあるのである。

 第二次大戦後77年以上経つ。
 世界の経済情勢は大きく変化した。
 中でもアメリカの経済力は大きく弱まってきた。
 日本の経済力も高度成長期以降低下傾向である。
 それに引き換えアジア・アフリカ諸国の経済発展が著しい。
 とくに中国やインドなどは大きく発展してきた。
 そこでこれまで世界を実質的に支配してきたアメリカは、その政治的地位を脅かしつつある中国を叩き潰そうとしている。
 そのため、先進資本主義国をG7などでまとめ対抗しようとしている

 すでに第一次大戦は世界の再分割といわれ、その中でロシア革命が起き社会主義が誕生した。
 第二次大戦は世界の再々分割となり、その中で中国やベトナム、東欧などで社会主義が拡大した。
 しかし、その後社会主義は官僚主義などにより経済発展が遅れ、行き詰まりソ連が崩壊、東欧の社会主義諸国も崩壊した。
 ソ連が崩壊し、ロシアは資本主義経済になったが、「ニューマーケット」として西側資本に食い荒らされるようになった。

 また、中国・ベトナムなどは資本主義経済を導入せざるを得なかった。
 中国はそれを「特色ある社会主義」と呼んでいる。
 言ってみればそれは中国国内での資本主義と社会主義の競争でもある。

 一方これまでの資本主義陣営でも、社会主義陣営がなくなったことで、それに縛られないグローバルで露骨な資本主義経済=新自由主義経済になり、貧富の差が開き、このままでは永遠に低賃金奴隷になるということで、巨大なグローバル資本に対し、アメリカをはじめ多くの国で反発が広がり、改めて社会主義をめざす運動が起きつつある。
 特に非正規雇用の労働者などの間から。

 このように、世界は第二次大戦後77年を経て、第三回目の世界再分割(第三次世界大戦)の前夜まで来ている。
 またそうしたなかで、それぞれの国内で社会主義と資本主義の争いが起きつつある。
 第一次大戦で社会主義国が生まれ、第二次大戦では社会主義陣営が生まれた。
 もし第三次大戦になれば再び社会主義が見直されるようになる可能性はある。
 最近、「ミュニシパリズム」などという言葉も聞かれるようになったが、これも公共サービスの充実などを掲げているので、「新しい社会主義」の範疇に入るのであろう。

 ところで、第一次大戦でも第二次大戦でも、多くの国の野党や知識人たちが自国の戦争に加担するようになった。
 日本では「転向」と呼ばれ、「大政翼賛会」への参加ともなった。
 最近も同じようなことが起きつつあると言えるかもしれない。
 それは、ウクライナ戦争後に特に顕著になってきた。
 「中国の脅威」などに同調し、軍拡や改憲に賛成し、「敵基地攻撃能力」にも賛成する野党や知識人たちが増えつつある。

 参考までに、『ソ連共産党(ボリシェビキ)歴史小教程』(1938年)には次のような記述があった。

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レーニンは、戦争が資本主義の不可避な同伴者であることを指摘した。
・・1914年の戦争は、世界の再分割、勢力範囲の再分割をめぐる戦争であった。
・・この戦争をひきおこした犯人は、世界諸国の帝国主義者である。
・・ブルジョア階級は、帝国主義戦争を自国の大衆には知らせず、極秘裏に準備した。
・・・帝国主義諸国の政府はいずれも、祖国を守るために戦争をしているのだと声明した。
第二インターナショナルの日和見主義者は、ブルジョア階級を助けて人民をあざむいた。

レーニンは、第二インターナショナルの日和見主義とその指導者の動揺性を、一再ならず警告していた。第二インターナショナルの指導者たちは、口先で戦争反対をとなえているだけだ、いったん戦争がおこれば、かれらはその立場を変えて帝国主義ブルジョア階級の側に走り、戦争の支持者になるかもしれない、とレーニンはくり返していた。
戦争がはじまっていく日もたたないうちに、レーニンの予言は実証された。

当時、すこしもためらわず、ただちに帝国主義戦争断固反対の旗をかかげたのは、ボリシェビキ党だけであった。
・・日和見主義者は、社会排外主義者となった。

ボリシェビキは、平和のために積極的な革命闘争をすすめることを主張し、好戦的な帝国主義的ブルジョアジー階級の権力をうち倒すまでたたかいぬくことを主張した。
・・ボリシェビキは、メンシェビキや社会革命党が革命を放棄し、戦争中は「国内平和」を維持しよう、という裏切り的スローガンをあげたことに反対して、「帝国主義戦争を国内戦争に転化せよ」とのスローガンをかかげた。
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 12月10日、「反共」をかかげる「旧統一教会」と深いつながりがある自民党の萩生田自民政調会長が、正式な国交のない台湾に行き、蔡英文総統と会談し、台湾への軍事的圧力を強める中国を念頭に、台湾海峡の平和と安定に向けて日台間の連携を強化する方針を確認した。
 また12月11日には、TSMC幹部とも対談、半導体分野での協力を確認した。

 これはまさに、アメリカやG7の「対中包囲」の世界戦略の一環であり、政治と経済が深く結びついていることを示している。また、対中戦争準備であるとも思われる。
 このまま進めば台湾は東のウクライナになり、第三次世界大戦となるだろう。

 日本の野党の多くも、旧統一教会や自民党と同じ立場に立ち、「中国脅威論」に加担しつつある。
 アジアの平和にとって極めて危険な情勢になりつつある。

 したがって私たちは、「草の根」から、人々の生活を犠牲にしてまで、戦争のための軍拡・改憲を進める自公政権打倒!野党は軍拡・改憲・大増税に断固反対せよ!の声を上げ続けねばならない。

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