☆ <『東京』論説に異議あり!>
“「12月8日」関連社説はウチだけ”と言う前に「真珠湾神話」からの脱却を!
皆さま 高嶋伸欣です
1941年12月8日の対英米開戦にちなむ報道は、NHKの再放送番組オンパレード状況や、相変わらずの「真珠湾」神話の垂れ流しばかりが目立ちました。
そのことは、添付資料にある『朝日』『東京』両紙の8日朝刊第1面のコラムの「真珠湾神話」漬けの実態が証明しています。
その一方で、『東京』は同日の「社説」で開戦日にちなむ論説を掲げて、それなりの見識を示していました。それはそれで意味があること思われます。
けれども、同紙の10日のコラム「ぎろんの森」で同「社説」について「この日、在京紙の社説で開戦の日を取り上げたのは本紙だけでした」と強調ました(添付資料参照)。読みようによっては自賛しているかのようです。
さらに同「コラム」では、昨今のきな臭い岸田政権の「軍備増強」志向への危惧を強調することで、時宜にかなった論説であることに読者などから共鳴の声が寄せられたことをしきりに紹介しています。
これでは「ぎろんの森」ではなく「なれ合いの森」ではないでしょうか。
そこで、私から改めて「ぎろんの森」に見合う異議申し立てをしようと思います。
第1に、「戦争の足音が聞こえる」というのであれば、当時の日中戦争邁進の世論を軍部以上に煽ったのは「戦争は儲かる」と考えた新聞各紙であったことが、研究者によって指摘されています。
新聞が新たな「戦争の足音が聞こえる」というのであれば過去の新聞界の過ちを胸に深く刻み、同じ過ちを今の自分たちが繰り返してはならないという決意を何時も思い起こしていることを、節目節目に表明すべきだと思います。
『東京』の8日の長文社説(添付参照)では、この点を明確にしていたでしょうか。
第2に、『東京』は今年の12月8日前後の1週間ほどの紙面でも「真珠湾神話」の垂れ流し報道を繰り返しています。
9日の前出の8日第1面コラムを筆頭に、9日記事でも「太平洋戦争の発端となった日本軍による米・ハワイ真珠湾攻撃」とあります。「日米開戦から81年」という表現も、東南アジア侵略を意味する対英開戦の事実を隠蔽する言い回しで、「対英米開戦から81年」とすべきです。
第3に、私が繰り返し指摘してきたことですが、半藤一利氏による「真珠湾神話」の歴史改竄言説を「本音のコラム」によって拡散させたという責任があるにもかかわらず、その言説を、今日まで是正していないどころか、「『うそを書ける時代』がすぐそこに」と半藤氏が警告しているという特集記事を、同氏没後1年目に合わせて掲載しています(添付資料参照)。
半藤氏が上記の「本音のコラム」で「真珠湾神話」の「うそ」を書いたのが2005年12月8日ですから、「うそを書ける時代」を半藤氏自身が2005年に時点で創出し、それに『東京新聞』が加担し続けてきたことになります。
こうした”不都合な事実”を累積している『東京新聞』の実情を以前から残念に思っている身としては、本年12月8日の社説を空しい思い出読んでいました。
そこへ10日の「ぎろんの森」コラムで、自己批判無しの言説を突き付けられ、思わず”議論”が必要と意識し、話題提起をめざすことにした次第です。
以上 高嶋の私見です。 ご参考までに 拡散・転送は自由です
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます