《早稲田大学 水島朝穂のホームページ 「今週の直言」から》
◆ もう一つの「緊急事態宣言」――「復興五輪」は死語

◆ 10年間続く「原子力緊急事態宣言」
新型コロナウイルス感染症の「緊急事態宣言」が3月7日に解除されようとしている。首都圏以外では2月28日にも「宣言」が解除されて、「Go To男」が前面に出てくる気配である。コロナ特措法32条の「緊急事態宣言」は解除されつつあるが、10年も解除されていない「もう一つの緊急事態宣言」がある。
それが、冒頭左の写真にある、2011年3月11日16時36分に発出された「原子力緊急事態宣言」である。「3.11」で3653日になるも、一度も解除されたことはないし、今後も解除される見通しはない。同じ「緊急事態宣言」なのに、なぜこちらの解除が語られないのか。
逢坂誠二議員の「原子力緊急事態宣言に関する質問主意書」(2016年3月3日提出、質問164号)を見ると、原子力災害対策特措法15条2項による「緊急事態宣言」は現在も継続中であるが、「同法同条第4項の規定に基づくこの宣言の解除は、どの程度の時期になるのか、その見通しに関する、政府の考えを明示願いたい。」とズバリ問うている。
これに対する答弁書(内閣衆質190(第164号、2016年3月31日)はそっけないもので、「原子力緊急事態解除宣言については、…現時点において確たる見通しを述べることは困難である。」と。
「原子力緊急事態宣言」の解除はおくびにも出さないで、野田佳彦政権は2011年12月に早々と、原発事故の「収束宣言」を行った。これに対して、安倍晋三首相(当時)は政権奪還後最初の「3.11」直後に、「安倍政権として収束という言葉を使わない」と述べて、「収束宣言」を事実上撤回した(『産経新聞』2013年3月13日デジタル)。この言葉はしっかり覚えておこう。
『早稲田大学 水島朝穂のホームページ』(2021年3月1日)
http://www.asaho.com/jpn/bkno/2021/0301.html
◆ もう一つの「緊急事態宣言」――「復興五輪」は死語

◆ 10年間続く「原子力緊急事態宣言」
新型コロナウイルス感染症の「緊急事態宣言」が3月7日に解除されようとしている。首都圏以外では2月28日にも「宣言」が解除されて、「Go To男」が前面に出てくる気配である。コロナ特措法32条の「緊急事態宣言」は解除されつつあるが、10年も解除されていない「もう一つの緊急事態宣言」がある。
それが、冒頭左の写真にある、2011年3月11日16時36分に発出された「原子力緊急事態宣言」である。「3.11」で3653日になるも、一度も解除されたことはないし、今後も解除される見通しはない。同じ「緊急事態宣言」なのに、なぜこちらの解除が語られないのか。
逢坂誠二議員の「原子力緊急事態宣言に関する質問主意書」(2016年3月3日提出、質問164号)を見ると、原子力災害対策特措法15条2項による「緊急事態宣言」は現在も継続中であるが、「同法同条第4項の規定に基づくこの宣言の解除は、どの程度の時期になるのか、その見通しに関する、政府の考えを明示願いたい。」とズバリ問うている。
これに対する答弁書(内閣衆質190(第164号、2016年3月31日)はそっけないもので、「原子力緊急事態解除宣言については、…現時点において確たる見通しを述べることは困難である。」と。
「原子力緊急事態宣言」の解除はおくびにも出さないで、野田佳彦政権は2011年12月に早々と、原発事故の「収束宣言」を行った。これに対して、安倍晋三首相(当時)は政権奪還後最初の「3.11」直後に、「安倍政権として収束という言葉を使わない」と述べて、「収束宣言」を事実上撤回した(『産経新聞』2013年3月13日デジタル)。この言葉はしっかり覚えておこう。
『早稲田大学 水島朝穂のホームページ』(2021年3月1日)
http://www.asaho.com/jpn/bkno/2021/0301.html
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます