★ 国連女性差別撤廃委員会 シモノビッチ委員が来日講演
国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)のドゥブラヴカ・シモノビッチ委員が日本女性差別撤廃条約NGOネットワーク(JNNC)の招聘で八月二八日に来日し、各地で講演。
九月二日には内閣府で講演し、「女性差別撤廃条約が単なる宣言のように思われているのは問題。条約は日本の法律の一部であり、司法や法律担当者にもっと活用してほしい」「いま世界の女性差別は、法律上は差別されていないが事実上ある差別と闘う段階にきている。(日本に残る)法律上の差別は国の責任において変えるべきもの」などと指摘。
同日、参議院議員会館での記者会見でも「条約に法的拘束力があるという認識が不十分なのではないか。憲法九八条の規定通り、条約は国内法の一部だ」と強調した。
同氏は二〇〇三年と〇九年のCEDAW日本政府報告審議に参加し、〇九年八月に出された日本への勧告のフォローアップ(追跡調査)も担当。「民法の差別的規定の改正」と「意思決定への女性の参加を引き上げるための数値目標とスケジュールをもった暫定的特別措置の採用」のフォローアップ項目について、日本政府は二年以内、つまり来年までに措置内容を報告しなければならない。報告まであと一年のタイミングで来日した意味(政府へのプレッシャーか)を問われると「促している、という意味です」と短く答えて肯定ととれるように笑ってみせた。
玄葉光一郎男女共同参画担当大臣との会見については「大臣は民法改正は国会での実現には時間がかかるが近い将来には実現したいとのことだった。変化を起こすため勧告を道具として使ってほしいと伝えた」ことや、選択議定書の早期批准も進言したことを明らかにした。
終始冷静に答えていた同氏だが、「再婚禁止期間、婚姻適齢、夫婦同氏強制など、日本の民法にあるような差別的な内容は他の国ではもう見られない。なぜもっと早く対応がなされなかったのかと思う」と、信じられない、という表情で話す場面もあった。
宮本有紀・編集部
『週刊金曜日』(2010/9/10【金曜アンテナ】)
http://www.kinyobi.co.jp/backnum/antenna/antenna_kiji.php?no=1363
国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)のドゥブラヴカ・シモノビッチ委員が日本女性差別撤廃条約NGOネットワーク(JNNC)の招聘で八月二八日に来日し、各地で講演。
九月二日には内閣府で講演し、「女性差別撤廃条約が単なる宣言のように思われているのは問題。条約は日本の法律の一部であり、司法や法律担当者にもっと活用してほしい」「いま世界の女性差別は、法律上は差別されていないが事実上ある差別と闘う段階にきている。(日本に残る)法律上の差別は国の責任において変えるべきもの」などと指摘。
同日、参議院議員会館での記者会見でも「条約に法的拘束力があるという認識が不十分なのではないか。憲法九八条の規定通り、条約は国内法の一部だ」と強調した。
同氏は二〇〇三年と〇九年のCEDAW日本政府報告審議に参加し、〇九年八月に出された日本への勧告のフォローアップ(追跡調査)も担当。「民法の差別的規定の改正」と「意思決定への女性の参加を引き上げるための数値目標とスケジュールをもった暫定的特別措置の採用」のフォローアップ項目について、日本政府は二年以内、つまり来年までに措置内容を報告しなければならない。報告まであと一年のタイミングで来日した意味(政府へのプレッシャーか)を問われると「促している、という意味です」と短く答えて肯定ととれるように笑ってみせた。
玄葉光一郎男女共同参画担当大臣との会見については「大臣は民法改正は国会での実現には時間がかかるが近い将来には実現したいとのことだった。変化を起こすため勧告を道具として使ってほしいと伝えた」ことや、選択議定書の早期批准も進言したことを明らかにした。
終始冷静に答えていた同氏だが、「再婚禁止期間、婚姻適齢、夫婦同氏強制など、日本の民法にあるような差別的な内容は他の国ではもう見られない。なぜもっと早く対応がなされなかったのかと思う」と、信じられない、という表情で話す場面もあった。
宮本有紀・編集部
『週刊金曜日』(2010/9/10【金曜アンテナ】)
http://www.kinyobi.co.jp/backnum/antenna/antenna_kiji.php?no=1363
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