☆ 審 査 申 立 書
前橋検察審査会 御中
2023年4月11日
申 立 人
資 格 告訴人
住 居
電話番号
職 業 無職
氏 名 増田(ますだ)都子(みやこ)(印)
申立人は,公訴を提起しない下記の処分に不服があるため,検察審査会法第30条に基づき,貴会に対し,その処分の当否の審査を申し立てる。
第1 罪状
名誉毀損
第2 不起訴処分年月日・事件番号(別紙―2)
令和5年3月31日(令和5年検第94号)
第3 不起訴処分をした検察官
前橋地方検察庁 検察官 検事 橋爪香苗
第4 被疑者
氏名 黒岩信忠
年齢 76歳(1947年4月 生…生年日は不知)
職業 草津町町長
住居 〒 377-1792 群馬県吾妻郡草津町大字草津 28番地 草津町役場(自宅は不知)
第5 申立の趣旨
(1)被疑者黒岩信忠につき、名誉毀損罪(刑法第230条第1項)として「起訴相当」もしくは「不起訴不当」の議決を求める。
(2)被疑事実の要旨
「別紙―1 告訴状」に詳細があるが、被疑者黒岩信忠は、草津町議会2022年6月10日、第6回定例会(以下「本件議会」とする)において
「増田都子氏がそこに参戦をしてきた。(中略)以前も傍聴席でやじを飛ばして、私は警察に連絡をとりました。ルール上はあれになるんですよ、威力業務妨害になる可能性があるんですよ。(同議会第6回定例会会議録P150)」
と告訴人に言及した。まるで、告訴人が「議会の運営に対して威力業務妨害罪となる可能性のあるやじを飛ばしたために、町長が警察官を呼ばなければならなかったほどの悪質な人物である」かのように印象づけられるが、事実無根の誹謗中傷発言(以下、「本件発言」とする)である。
被疑者黒岩信忠がいう「以前」とは、2021年12月6日草津町議会本会議中のことである。議長が「休憩」を宣言し、お昼の休憩に入って後の11:50に被疑者黒岩信忠が「警察に連絡をとりました」のは事実である(別紙―3 群馬県警開示文書、参照)。
しかし、当日、告訴人が「傍聴席でやじを飛ばして」その結果、「威力業務妨害になる可能性がある」場合などが生じた事実は皆無であり、これは「虚構申告罪」に値するものであった(別紙―4 告発状、参照…以後「告発事件」とする)。
告訴人らが議長の偏頗な議会運営に対して少々「やじを飛ばした」事実はあるが、これは、日本全国の議会での、普通の「よくあるやじ」に過ぎず、議長によって退席させられた事実は無い。
したがって、告訴人が「威力業務妨害になる可能性がある」ような「やじを飛ばした」事実は全く存在しない。そもそも、2021年12月6日において、議会の主宰者である議長は告訴人らが「やじを発して、威力業務妨害をして議会を止めた」という虚偽事実はもちろんのこと、「やじを発したために、議会を止めるような威力業務妨害の可能性があった」ことなど、後にも先にも全く発言してはいない。当然、2021年12月6日議事録にも録画にも、そのような状態は全く記録されてはいない。
「被告人らが、やじを発して、威力業務妨害をして議会を止めた」というのはもちろん「やじを発したために、議会を止めるような威力業務妨害の可能性があった」という事実は無いにもかかわらず、被疑者黒岩信忠が虚偽通報・虚構申告を草津町交番に行ったために、11時50分に臨場した3名の警察官も「威力業務妨害」あるいは「威力業務妨害の可能性」すらも認めることができず、告訴人らに対し、説諭・注意さえできなかったのが事実である。この時、告訴人らに付きまとって嫌がらせをした警察官らに謝罪を求めたが、彼らは全く無視した。一般市民がその事実も無いのに「威力業務妨害をした」あるいは「威力業務妨害の可能性のある行為をした」などと虚構申告をした場合は逮捕されることも有り得るし、最低でも説諭・注意をされるであろう。しかし、長野原警察警察官らは「虚偽通報をした町長に説諭しなさい」と要求した告訴人らを無視し、法の適用を市民と町長とでは違え「法の下の平等」を犯した。
以上の事実にもかかわらず、被疑者黒岩信忠は「町議会で好き勝手な発言ができるという町長の地位・権限」を濫用して、悪質にも全く議会に発言権の無い一市民である告訴人を一方的に議会で誹謗中傷する本件発言を行って名誉棄損罪を堂々と犯したのである。
第6 不起訴処分を不当とする理由…検察庁(担当検事・橋爪香苗)による不起訴理由の誤り
(1)そもそも「別紙―4 告発状」にある通り、この告発事件は、告訴人らが「2021年12月6日議会において、やじで議会を止めた」威力業務妨害など実行していないにもかかわらず、被疑者黒岩信忠が虚構申告をし、警察官らを利用して告訴人らに嫌がらせを行った事件である。
これが虚構申告であることは、告訴人らに対し当日の警察官らが「説諭・注意」すらできなかった事実が存在することからも明らかである。そしてそれは、上記告発状に基づき、担当検事・橋爪香苗が当日、臨場した警官らに事情聴取をすれば直ぐに明らかになったはずである。
ところが不思議なことに、担当検事橋爪香苗(本件「名誉棄損」不起訴処分も同人による)は「嫌疑不十分」(別紙―5 2022年12月1日付処分通知書)としてこの告発事件を不起訴とした。
「嫌疑不十分」とは「捜査の結果、被疑者が犯罪をした疑いは残るものの裁判で有罪とするほどの証拠がない」という場合をいうようであるが、この告発事件においては「裁判で有罪とするほどの証拠」は以下に示すように十二分に存在していた。
① 被告人らのやじによって威力業務妨害された事実も、その「可能性」も存在しないことが明白な草津町議会HPにある2021年12月6日議会本会議YouTube録画配信
令和3年第7回草津町議会定例会|開会、行政報告、議会報告、教育委員会の点検報告、議案第1号~第14号上程|群馬県草津町 (kusatsumachi-gikai.jp)
② 被告人らのやじによって威力業務妨害された事実も、その「可能性」も存在しないことが明白な2021年12月6日議会本会議会議録
③ 2021年12月6日議会本会議会について、草津町議会議長は「告訴人らのやじで議会が止まった」あるいは「告訴人らのやじで議会が止まる可能性があった」などとは後にも先にも全く発言していない事実。
④ 前記のように、被疑者黒岩信忠が呼びつけた警官らが告訴人らに対し、「説諭・注意」さえできなかった事実。
この①~④の証拠だけで、被疑者黒岩信忠が主張するように告訴人らが「威力業務妨害になる可能性がある」ような「やじを飛ばした」事実は存在せず、常識的判断力さえ有していれば法曹経験など全く無くても、被疑者黒岩信忠が虚構申告罪という「犯罪を犯したことについて、一般人が合理的な疑いを抱くことがない」といえるほどの十分な証拠があると判断できるはずである。
ところが、なぜか、担当検事橋爪香苗はこの告発事件について「捜査の結果、被疑者が犯罪をした疑いは残るものの裁判で有罪とするほどの証拠がない」などという判断を下した。担当検事なら、当日、被疑者黒岩信忠に呼びつけられて被告人らに対する嫌がらせに利用された長野原警察の警察官らに事情聴取する権限もあるはずであり、警察官らに直接、当日の様子を聞けば、告訴人らが「威力業務妨害になる可能性がある」ような「やじを飛ばした」事実は不存在であったことを認識しえたはずであるにもかかわらず、それを行わなかったのである。やる気が無かったのであろう。
したがって、この告発事件について担当検事橋爪香苗は真面目に捜査しなかった可能性が極めて高い。草津町交番(長野原警察)の警察官らと同様に、町長という地位に忖度して、市民とは法の適用を違え「法の下の平等」を犯した可能性が考えられる。
(2)上記のように、告発事件について「合理的な疑いが全く残らない程度にまで十分な証拠」が存在したにもかかわらず、担当検事橋爪香苗は「嫌疑不十分」=証拠不十分として不起訴処分とした。その担当検事橋爪香苗が本件処分も行ったのである。告発事件同様、本件処分についても真面目に捜査しなかった可能性が極めて高い。
担当検事橋爪香苗に電話で不起訴理由を問うと「本件処分については『罪とならず』であり『正当行為として違法性が阻却される』」と答えた。「正当行為として違法性が阻却される」とは正当防衛などの場合をいうようである。
しかし、上記(1)①~④に記載したとおり、告発事件において告訴人が「威力業務妨害になる可能性がある」「やじを飛ばした」事実は存在しないことは明白である。前記4点の証拠によっても担当検事橋爪香苗にはそうと判断できなかったようであるが、常識的判断力さえ有していれば、これは誰にでも判断は可能なことであった。
担当検事橋爪香苗は、さすがに本件処分については「嫌疑不十分」=証拠不十分とはできなかったため、被疑者黒岩信忠の本件発言について「罪とならず」を選び「正当行為であるから」としたのであろう。しかし、告訴人が「威力業務妨害になる可能性がある」ような「やじを飛ばした」事実は存在しないことは明らかであるのに、議会で本件発言をしたことは「正当行為」などと言えるはずがない。
被疑者黒岩信忠の本件議会における本件発言は全くの虚偽発言であることは明らかであり、悪質にも「町議会で好き勝手な発言ができるという町長の地位・権限」を濫用して、全く議会における発言権の無い一市民である告訴人を一方的に議会で誹謗中傷したのである。虚偽事実に基づいて、告訴人の名誉を棄損したことは「不当行為であるから、罪となる」としか言えないであろう。
(3)公職にあるものは「公僕=主権者市民に奉仕する者」である。にもかかわらず、その地位を利用して、議会において一市民に対して一方的に虚偽事実に基づく誹謗中傷をし名誉棄損罪を犯した草津町町長を「正当行為」として「罪とならず」と許すのが検察庁であっていいのか?
このような検察庁の対応によって、被疑者黒岩信忠は全く無反省であり、以後も町長の地位を濫用し、自分の気に入らないものに対して議会において一方的に誹謗中傷を続けている。検察庁が、それを「正当行為」としてくれるのであるから、安心して罪を重ねることができるのである。
検察庁が行政権力者の犯罪を助長していいのか? この告発事件や本件処分における検察庁の対応は、町長(行政権力者)と一般市民とでは法の適用を違えるものであり「法の下の平等」を犯している。これでは、日本は法治国家とは言えなくなる。前橋地方検察庁(担当検事・橋爪香苗)は主権者国民から検察に委ねられた責務を放棄していると言える。
本審査会においては、厳正に捜査した上で、ぜひ、厳重な処罰をしていただきたく、審査を申し立てる次第である。
以上
証拠資料
別紙―1、告訴状(2022年12月5日) 写し
2、本件処分通知書(2023年3月31日) 写し
3、群馬県警開示文書 写し
4、告発状(2022年11月17日) 写し
5、「告発事件」処分通知書 (2022年12月1日) 写し
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