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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

卒入対本部による入学式処分&3次訴訟再処分の撤回を求める要請書

2015年05月09日 | 日の丸・君が代関連ニュース
◎ 入学式処分と3次訴訟再処分の撤回を求める要請

 私たちの度重なる要請にも関わらず、これまでの要請書は教育委員に直接伝えられることも審議されることもないまま、4月28日東京都教育委員会によって、入学式での「君が代」斉唱時の不起立教員1名に対する「懲戒処分」及び「服務事故再発防止研修命令」、並びに本年1月16日3次訴訟東京地裁判決で減給処分取消が確定した21名中現職教員8名に対する「再処分」が発令された。
 教育委員会の本来の役割は、平和で民主的な国家及び社会の形成者を育成すべく生徒の教育を受ける権利を保障することである。しかるに、都教委はその役割をなげうって、かつ司法の決定を遵守すべき行政の立場を放棄して判決の十分な検討も行わないまま独善的な解釈で、職責として「刷り込み式愛国心教育」の媒体となることを拒んだ教員達に対して、ひたすら不利益処分を以てその歴史観等に反する行為を強制することのみに奔走している。まして最高裁判決において否定された減給以上の処分を累積加重したことは、社会観念上著しく妥当を欠く裁量権の逸脱・濫用であり許されることではない。
 また、当該の教育者としての信念と職責の自覚に基づくやむにやまれぬ真摯な行動に対して、何度も繰り返し同一内容の研修を受けさせ自己の非を認めさせようとする「服務事故再発防止研修」を科すことは、個人の内心に踏み込み著しい精神的苦痛を与える違憲違法な行政行為であって、決して行われてはならないものである。
 さらに、都教委自ら負けを受け入れた「2015年3次訴訟地裁判決」で処分取消が確定した21名の原告に対しては、違法な処分を科してきた過去の過ちの責任を率直に認め、まずは潔く謝罪し、処分に伴う不当な業績評価や担任外しや不本意な強制異動など有形無形の不利益を回復しなければならない。その上で、自らが二度と同じ過ちを繰り返さないよう再発防止策を講じるべき所、そのような反省が一切行われないままに、年度末の1名に加えて今回新たに現職教員8名に対して「再処分」を発令したことは、最高裁の補足意見が勧める「教育関係者の相互理解と慎重な配慮」に背を向けた執念深いストーカー行為であって、到底許されることではない。
 そして東京都は2020年オリンピック・パラリンピックを控え、国際都市東京に相応しく国際人権水準を達成したまちづくりに向けた施策をを推進しているところ、直近に出された「自由権規約18条の厳しい要件を満たさない限り、思想・良心・宗教の自由に対する権利への如何なる制限を課すことを差し控えるよう強く促す」(パラ22)との国連勧告をこそ、率先して真摯に受けとめ、主体的に実行に移していくべきなのである。
 以上、教育委員会の本来の職責を踏まえて以下の要請を行う。
1,入学式不起立者に対して科された懲戒処分を撤回すること。
2,当該者に対して服務事故再発防止研修を行わないこと。

3,貴委員会が「3次訴訟東京地裁判決」を受け入れ、21名の原告の処分取消が確定したことについて、違法な処分を行った責任の所在を明らかにすること。
4,処分取消が確定した3次訴訟原告21名に対して、これまで8年に及び過った処分によって様々な不利益を科し精神的苦痛を与えてきたことについて、謝罪すること。
5,処分取消が確定した3次訴訟原告21名中9名に対して、3月30日付と4月28日付で科された「再処分」をいずれも撤回すること。
6,1月16日の判決により処分取消が確定した3次訴訟原告21名中、本日5月7日現在未だ「給与等の是正措置及び遅延損害金」の精算がなされていない12名に対して、遅滞なく司法の決定に従い不利益の実損回復措置を執ること。
7,人権教育及び人権啓発を推進する責務を有する地方公共団体の当事者として、東京都における「学校行事の際、国歌の起立斉唱を拒んだために、減給・停職及び解雇を含む制裁の対象になってきた」(List of Issues para17)という事例に対して出された、国連自由権規約委員会第6回日本審査総括所見パラグラフ22の勧告を尊重すること。
 (今回の【資料】及び前回3月20日要請書の【注】参照。前回3月20日の要請項目10.11.12.に対して、「日本政府の見解について答える立場にない」などとうそぶいた、4月14日付の指導部指導企画課・人事部職員課の無責任で不真面目な回答は許されるものではない。)
 (回答期限)5月12日(火)
 【資料】 地方公共団体には、国連人権勧告を尊重する責務があること
 ① <自由権規約委員会『一般的意見34』>
(2011/9/12)
7. 意見及び表現の自由を尊重する義務は,すべての締約国を全体として拘束するものである。締約国のあらゆる部門(行政,立法及び司法)および他の公的もしくは政府機関は,全国,地域,もしくは地方のいかなるレベルにあっても,締約国の責任を引き受ける地位にある。状況によっては,国家に準ずる主体(semi-Stateentities)の行為に関しても,締約国がそのような責任を引き受ける場合もある。この義務はまた,締約国に対し,これら規約の権利が私人又は法人間に適用される範囲において,意見及び表現の自由の享受を損なうような私人又は法人によるいかなる行為からも個人を保護することを要求する。(日弁連訳)
 ② <「人権教育のための国連10年」に関する国内行動計画>(平成9年7月4日)
1. 基本的考え方
(6) また、人権の問題は、国民一人一人が人権の意識を高め、他者の価値を尊重する意識、態度の涵養が重要である。このためには、政府の果たす役割とともに、地方公共団体、民間団体等に期待される役割も大きい
 このため、地方公共団体、民間団体等がそれぞれの分野において、この行動計画の趣旨に沿った様々な取組を展開することを期待する。政府としては、この計画を実施するに当たっては、これらの団体等の取組、意見に配慮する。また、人権教育を広く国民各層に浸透させるため、様々な機会をとらえて「人権教育のための国連10年」の趣旨等を広める必要がある。(首相官邸HP)
 ③ <人権教育及び人権啓発の推進に関する法律>(平成十二年十二月六日法律第百四十七号)
地方公共団体の責務) 第五条
 地方公共団体は、基本理念にのっとり、国との連携を図りつつ、その地域の実情を踏まえ、人権教育及び人権啓発に関する施策を策定し、及び実施する責務を有する
東京都教育委員会 教育長 中井敬三 殿
2015年5月7日
卒業式・入学式対策本部


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