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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

試用期間中 突然の通告

2013年06月22日 | 格差社会
  <はたらく>(TOKYO Web)
 ◆ 「理由なき解雇」は違法


 「試用期間中に突然、理由も告げられず解雇を通告された」との声が、本紙生活部に届いた。たとえ試用期間でも、雇用主は合理的な理由なしに解雇できない。納得がいかない場合は、きちんと理由を問いただし、労働組合や労働基準監督署などに相談し、地位保全を求めることもできる。(田辺利奈)
 ◆ 労働契約 既に成立
 愛知県の女性(23)は、二月中旬から県内の社会保険労務士事務所で、正社員として事務の仕事に就いた。地元のハローワークで求人を見つけ、面接を受けて数日で採用された。当初、試用期間は三カ月とされたが、「場合によっては、もっと長くなるかもしれない」と言われ、了承した。
 ところが、四月末の給与支給日に「試用期間満了の五月十七日を退職日とする」という書面を渡された。理由は書かれてなかった。当日は雇用主がいなかったので後日、理由を聞くと、「求める人材と相違があったため」と回答した。
 女性は「解雇されるような原因は思い当たらない」と振り返る。
 無断欠勤や大きなミスもなかった。口頭での説明もないまま、「紙一枚で突然退職を告げられるなんて」とショックを隠さない。
 雇用主は事務所に不在のことが多く、話し合う機会はなかったという。納得はしていなかったが、期日が来てしまい、やむなく退職することになった。
     ◇

 労働者が合理的な理由なしに解雇されない権利は、労働契約法に規定されている。
 労働問題に詳しい旬報法律事務所(東京都千代田区)の棗(なつめ)一郎弁護士は、「試用期間中の解雇は、本採用後より、やや緩く裁量権を与えられているが、実質的にはほとんど変わらない」という。
 試用期間を設けるかどうかや、その期間を定めた法律はないが、期間は六カ月以内で、二~三カ月というのが一般的。棗弁護士によると、試用期間でも、既に労働契約は成立しているという。
 解雇できる場合は、「無断欠勤が多い」「見習いレベルの仕事に対して能力が大きく不足し、指導しても改善されない」などと、具体的な理由が必要。
 雇用主は、解雇理由証明書や退職証明書などで、その理由をはっきり示さなくてはいけない。
 また、従業員が常時十人以上の事業所は就業規則を作る義務がある。
 規則には解雇時の条項があるので、理由があいまいな場合は、条文のどの項目に反したのか確認したい。
 試用期間の延長は「一般的に一回なら許容される」(棗弁護士)という。何度も繰り返し延長される場合は、違法性が認定されることもある。
 この女性のように、あいまいな理由での解雇は違法であり、本来は社員としての地位保全を求めることが重要。
 しかし、万が一退職することになった場合、十四日を超えて勤務していれば、本採用後と同様、労働基準法に従った手続きを取ることになる。
 具体的には、事業主は三十日前までに解雇予告するか、三十日分以上の手当を払わなくてはいけない。今回の事例は労基法にも違反していると思われる。
 ◆ 労組や行政に相談を
 試用期間中に不当に解雇された場合は、会社の労働組合や連合などの組織、弁護士などに相談することだ。
 地域の労働基準監督署も相談窓口を設けている。
 この女性は今後、退職した事務所に何らかの補償を求めていく考えという。

 棗弁護士は「試用期間であっても、解雇権は乱用されてはいけない。納得いかない場合は声を上げて」とアドバイスしている。
 ※ 試用期間
 本採用の前に、その人の勤務態度や能力などを評価し、雇うのに適した人材かどうかを、判断するための期間。基本的には、労働条件や権利義務は本採用の社員と同じ。その期間は就業規則などで事前に示されるが、短縮や延長されることもある。
『東京新聞』(2013年6月14日【暮らし】)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/CK2013061402000150.html
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