1.第20回「多田謡子反権力人権賞」受賞者の決定
2008年11月上旬の運営委員会において、18団体・個人の推薦候補者の中から下記の方々が第20回受賞者に決定しました。受賞者の方々には多田謡子の著作「私の敵が見えてきた」ならびに賞金10万円が贈呈され、12月20日(土)の受賞発表会で講演していただきます。なお、受賞者選考理由は別紙をご参照ください。
● 増田都子さん (考える平和教育への攻撃との闘い)
● 首都圏青年ユニオン (青年の不安定雇用との闘い)
● フリーター全般労働組合 (青年の不安定雇用との闘い)
● 死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム’90 (死刑廃止運動)
2.受賞発表会の開催
受賞者の皆さんをお迎えして、12月20日(土)、東京・総評会館において受賞発表会を開催します。受賞者の方々には講演をお願いしています。本年も多数の皆さんのご参加をお待ちしております。
・発表及び受賞式 2008年12月20日(土)午後2時~5時
総評会館2階201号室 にて
東京都千代田区神田駿河台3-2-11 (TEL 03-3253-1771)
JR御茶ノ水駅より徒歩7分
3.受賞者を囲むパーティー
受賞発表会の終了後、引き続き同じ会場で、午後5時から7時をめどに、受賞者を囲んで懇親会を開催します。参加費は無料です。パーティーのみのご参加も歓迎いたします。
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《第20回多田謡子反権力人権賞受賞者選考理由》
● 増田都子さん (考える平和教育への攻撃との闘い)
《受賞理由》
30年以上、中学校で教えてきた社会科教師の増田都子さんは、1997年、足立区内の中学校の授業で沖縄の普天間基地をとりあげたビデオをもとに授業を進めたことを問題にされ、一部の右翼的父兄、教育委員会、校長、右翼的都議、マスコミなどから攻撃されました。増田さんの授業は、ビデオを見て一人一人の生徒が考えたことを書き、皆で考えていこうという紙上討論でした。この授業を「極端な反米教育だ」と断定した勢力は増田さんを教職から追い出すことを画策し、都議会やマスコミを舞台にしてキャンペーンを開始しました。
2005年、ノムヒョン韓国大統領の歴史演説を教材にした授業の中で、日本の侵略戦争を否定して恥じない一部都議や扶桑社の教科書を批判した、増田さんのノムヒョン大統領宛の手紙の一節を問題にして戒告処分が発令され、その後、生徒たちから引き離されて長期「研修」を命じられました。「ビデオ『侵略』を授業で見せるな」「検定済み教科書を批判したことを反省せよ」などという半年に及ぶ「研修」にも屈しない増田さんに対して、東京都教育委員会は2006年3月末に「分限免職」処分を発令しました。「処分に対して反省も改善もみられない」ことが理由でした。
増田さんは今、不当な解雇を撤回する闘いを進めています。かつて、侵略戦争に荷担した教師たちは、戦後、その反省の中で「再び教え子を戦場に送らない」を合い言葉にして平和教育の運動を進めましたが、今、右傾化の中で、平和教育は風化しています。孤立しつつも平和教育を教師の責務として進める増田さんの解雇撤回闘争を心から支援する意志をこめて、受賞者として選考しました。
● 首都圏青年ユニオンならびにフリーター全般労働組合 (青年の不安定雇用との闘い)
《受賞理由》
1980年代以降の世界的な新自由主義的政策のもとで、今や青年の二人に一人が非正規雇用だと言われています。既成の企業内組合は、非正規雇用を拡大し賃金のコストを削減しようとする企業の動向に有効な反撃を組織できず、労働組合の組織率は非正規雇用の拡大とともに低下してきました。首都圏青年ユニオンとフリーター全般労働組合は、いずれも不安定な雇用を強制されている青年労働者を組織して闘いを進めています。困難を乗り越えて青年の新しい労働運動を組織している両組合に敬意を表し、受賞者として選考しました。
(首都圏青年ユニオン)
首都圏青年ユニオンは2000年12月、パート・アルバイトなど不安定雇用の青年たちが中心となって結成されました。20代の組合員が過半数を占める青年の労働組合。60パーセント以上の組合員が非正規雇用です。
牛丼チェーンすき家は全国に1000店舗を展開して多数のパート・アルバイト労働者を雇用していますが、一方的な解雇や残業代の不払いが横行していることを是正しようと、首都圏青年ユニオンに加盟した労働者が「すき家ユニオン」を結成して闘っています。会社は部分的な是正には応じましたが、「業務委託であって雇用契約ではない」という無謀な主張で団交拒否を正当化しています。また、美容室チェーンのAshでは36協定を結ばないままの長時間残業、タイムカードもなく労働時間の管理もないままの大量の未払い残業代などの問題に対して「首都圏美容師ユニオン」を結成して闘っています。ユニオンには教育産業(塾や家庭教師)、医療・福祉、コンビニや外食産業、夜間の仕事、学生アルバイトとして働く若者など様々な業種の若者が結集しています。
(フリーター全般労働組合)
2004年、「とりあえずは数人でも、全フリーターを視野に入れた労働組合を作ろうではないか!」と奮起し、フリーターを資本や企業のいいなりにならない手強い労働者群として全世界にアピールしよう! という意気込みで結成されたフリーター全般労働組合は、フリーター(アルバイト)・パート・派遣・契約・正社員問わず、誰でも、一人でも加入できる労働組合として活動してきました。本年2月、ガソリンスタンドの閉鎖とセルフ化を進める関東鉱油によって解雇通告を受けたフリーター全般労働組合・ガソリンスタンドユニオンの仲間はストライキに突入、「アルバイトだから(解雇は)仕方ない」などという暴論をはいていた会社と闘い解雇撤回を勝ちとりました。
さる10月26日、賛同して参加していた「62億ってどんなだよ。麻生首相のお宅拝見」という麻生宅見学ツアーの参加者3名が、渋谷駅前から麻生首相宅に向かって、ただ歩いているだけで逮捕されるという事件がおき、反弾圧の闘いにも直面しています。
● 死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム’90 (死刑廃止運動)
《受賞理由》
2006年12月、長瀬甚遠法相は車椅子の老人を含む4人の死刑を執行、翌年8月までの任期中に計10名の死刑を執行しました。続く鳩山邦夫法相は、ベルトコンベアーのように死刑執行をと発言、まさに自動的に隔月で4回、13名の死刑を執行しました。続く保岡・森各法相も隔月執行を踏襲し、この2年弱で28人の命を絶っています。これまで年平均一回二名の執行の時代から、死刑濫発の時代に大きく踏み込んだのです。
フォーラム90は1990年春、前年国連で死刑廃止国際条約が採択されたのを機に、他団体にも呼びかけ、条約批准を求める運動を通して死刑廃止論者を顕在化させる運動を開始しました。それから18年にわたって、集会やセミナーの開催やニュースの発行、死刑廃止議員連盟と連携して法務大臣や法務省との交渉や執行された場合の抗議行動、アジア・フォーラムの開催など世界の運動との連携、死刑に関する情報の集約など、様々な形で死刑問題を多くの人に訴え、日本における代表的な死刑廃止NGOとして、死刑廃止運動の最先端を担い続けています。
死刑は国が人を殺すことであり、もっともおおきな人権侵害です。そして世界が死刑廃止に向かっているこの時代に、この国は死刑大国への道をひた走っています。
当基金は一日も早く死刑廃止を実現させることを望み、その道を走り続けるフォーラム90に敬意を表し、受賞団体として選考しました。
多田謡子反権力人権基金運営委員会 2008/11/16
『多田謡子反権力人権基金』
http://tadayoko.net/index.html
2008年11月上旬の運営委員会において、18団体・個人の推薦候補者の中から下記の方々が第20回受賞者に決定しました。受賞者の方々には多田謡子の著作「私の敵が見えてきた」ならびに賞金10万円が贈呈され、12月20日(土)の受賞発表会で講演していただきます。なお、受賞者選考理由は別紙をご参照ください。
● 増田都子さん (考える平和教育への攻撃との闘い)
● 首都圏青年ユニオン (青年の不安定雇用との闘い)
● フリーター全般労働組合 (青年の不安定雇用との闘い)
● 死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム’90 (死刑廃止運動)
2.受賞発表会の開催
受賞者の皆さんをお迎えして、12月20日(土)、東京・総評会館において受賞発表会を開催します。受賞者の方々には講演をお願いしています。本年も多数の皆さんのご参加をお待ちしております。
・発表及び受賞式 2008年12月20日(土)午後2時~5時
総評会館2階201号室 にて
東京都千代田区神田駿河台3-2-11 (TEL 03-3253-1771)
JR御茶ノ水駅より徒歩7分
3.受賞者を囲むパーティー
受賞発表会の終了後、引き続き同じ会場で、午後5時から7時をめどに、受賞者を囲んで懇親会を開催します。参加費は無料です。パーティーのみのご参加も歓迎いたします。
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《第20回多田謡子反権力人権賞受賞者選考理由》
● 増田都子さん (考える平和教育への攻撃との闘い)
《受賞理由》
30年以上、中学校で教えてきた社会科教師の増田都子さんは、1997年、足立区内の中学校の授業で沖縄の普天間基地をとりあげたビデオをもとに授業を進めたことを問題にされ、一部の右翼的父兄、教育委員会、校長、右翼的都議、マスコミなどから攻撃されました。増田さんの授業は、ビデオを見て一人一人の生徒が考えたことを書き、皆で考えていこうという紙上討論でした。この授業を「極端な反米教育だ」と断定した勢力は増田さんを教職から追い出すことを画策し、都議会やマスコミを舞台にしてキャンペーンを開始しました。
2005年、ノムヒョン韓国大統領の歴史演説を教材にした授業の中で、日本の侵略戦争を否定して恥じない一部都議や扶桑社の教科書を批判した、増田さんのノムヒョン大統領宛の手紙の一節を問題にして戒告処分が発令され、その後、生徒たちから引き離されて長期「研修」を命じられました。「ビデオ『侵略』を授業で見せるな」「検定済み教科書を批判したことを反省せよ」などという半年に及ぶ「研修」にも屈しない増田さんに対して、東京都教育委員会は2006年3月末に「分限免職」処分を発令しました。「処分に対して反省も改善もみられない」ことが理由でした。
増田さんは今、不当な解雇を撤回する闘いを進めています。かつて、侵略戦争に荷担した教師たちは、戦後、その反省の中で「再び教え子を戦場に送らない」を合い言葉にして平和教育の運動を進めましたが、今、右傾化の中で、平和教育は風化しています。孤立しつつも平和教育を教師の責務として進める増田さんの解雇撤回闘争を心から支援する意志をこめて、受賞者として選考しました。
● 首都圏青年ユニオンならびにフリーター全般労働組合 (青年の不安定雇用との闘い)
《受賞理由》
1980年代以降の世界的な新自由主義的政策のもとで、今や青年の二人に一人が非正規雇用だと言われています。既成の企業内組合は、非正規雇用を拡大し賃金のコストを削減しようとする企業の動向に有効な反撃を組織できず、労働組合の組織率は非正規雇用の拡大とともに低下してきました。首都圏青年ユニオンとフリーター全般労働組合は、いずれも不安定な雇用を強制されている青年労働者を組織して闘いを進めています。困難を乗り越えて青年の新しい労働運動を組織している両組合に敬意を表し、受賞者として選考しました。
(首都圏青年ユニオン)
首都圏青年ユニオンは2000年12月、パート・アルバイトなど不安定雇用の青年たちが中心となって結成されました。20代の組合員が過半数を占める青年の労働組合。60パーセント以上の組合員が非正規雇用です。
牛丼チェーンすき家は全国に1000店舗を展開して多数のパート・アルバイト労働者を雇用していますが、一方的な解雇や残業代の不払いが横行していることを是正しようと、首都圏青年ユニオンに加盟した労働者が「すき家ユニオン」を結成して闘っています。会社は部分的な是正には応じましたが、「業務委託であって雇用契約ではない」という無謀な主張で団交拒否を正当化しています。また、美容室チェーンのAshでは36協定を結ばないままの長時間残業、タイムカードもなく労働時間の管理もないままの大量の未払い残業代などの問題に対して「首都圏美容師ユニオン」を結成して闘っています。ユニオンには教育産業(塾や家庭教師)、医療・福祉、コンビニや外食産業、夜間の仕事、学生アルバイトとして働く若者など様々な業種の若者が結集しています。
(フリーター全般労働組合)
2004年、「とりあえずは数人でも、全フリーターを視野に入れた労働組合を作ろうではないか!」と奮起し、フリーターを資本や企業のいいなりにならない手強い労働者群として全世界にアピールしよう! という意気込みで結成されたフリーター全般労働組合は、フリーター(アルバイト)・パート・派遣・契約・正社員問わず、誰でも、一人でも加入できる労働組合として活動してきました。本年2月、ガソリンスタンドの閉鎖とセルフ化を進める関東鉱油によって解雇通告を受けたフリーター全般労働組合・ガソリンスタンドユニオンの仲間はストライキに突入、「アルバイトだから(解雇は)仕方ない」などという暴論をはいていた会社と闘い解雇撤回を勝ちとりました。
さる10月26日、賛同して参加していた「62億ってどんなだよ。麻生首相のお宅拝見」という麻生宅見学ツアーの参加者3名が、渋谷駅前から麻生首相宅に向かって、ただ歩いているだけで逮捕されるという事件がおき、反弾圧の闘いにも直面しています。
● 死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム’90 (死刑廃止運動)
《受賞理由》
2006年12月、長瀬甚遠法相は車椅子の老人を含む4人の死刑を執行、翌年8月までの任期中に計10名の死刑を執行しました。続く鳩山邦夫法相は、ベルトコンベアーのように死刑執行をと発言、まさに自動的に隔月で4回、13名の死刑を執行しました。続く保岡・森各法相も隔月執行を踏襲し、この2年弱で28人の命を絶っています。これまで年平均一回二名の執行の時代から、死刑濫発の時代に大きく踏み込んだのです。
フォーラム90は1990年春、前年国連で死刑廃止国際条約が採択されたのを機に、他団体にも呼びかけ、条約批准を求める運動を通して死刑廃止論者を顕在化させる運動を開始しました。それから18年にわたって、集会やセミナーの開催やニュースの発行、死刑廃止議員連盟と連携して法務大臣や法務省との交渉や執行された場合の抗議行動、アジア・フォーラムの開催など世界の運動との連携、死刑に関する情報の集約など、様々な形で死刑問題を多くの人に訴え、日本における代表的な死刑廃止NGOとして、死刑廃止運動の最先端を担い続けています。
死刑は国が人を殺すことであり、もっともおおきな人権侵害です。そして世界が死刑廃止に向かっているこの時代に、この国は死刑大国への道をひた走っています。
当基金は一日も早く死刑廃止を実現させることを望み、その道を走り続けるフォーラム90に敬意を表し、受賞団体として選考しました。
多田謡子反権力人権基金運営委員会 2008/11/16
『多田謡子反権力人権基金』
http://tadayoko.net/index.html
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