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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

情報公開で入手した資料

2005年10月03日 | 増田の部屋
九段中「ノ・ムヒョン大統領への手紙」処分
「服務事故報告書」8/9(千代田区教委→都教委)

一部墨塗り(×××)

                                       17千教教指発第290号
                                       平成17年8×日
東京都教育委員会教育長×××
                                       千代田区教育委員会教育長×××

                   教員の服務事故について

 このことについて、下記のとおり報告致します。
                       記
1 事故の種類  不適切な教材の使用
2 日時     平成17年6月末~7月はじめ頃
3 場所     千代田区立×××
4 当事者の氏名等
  所属     千代田区立×××校長×××
  職      教諭
  氏名     ×××
  生年月日・年齢×××
  教科・校務分掌 社会・生活指導
  教職年数   ×××

5 発生の状況
 千代田区立×××教諭は、3年の社会科公民の各週で使うため、2年の歴史の学習において生徒が書いた文章や、平成17年3月1日の韓国ノ・ムヒョン大統領の演説について生徒に手紙形式で書かせた文章を、4月19日ころまでの間に作成した同教諭の文章とあわせて、「3年生、紙上討論1」という11枚の資料を作成した。同教諭によるとこの資料を社会科公民の授業で使用することのねらいは、社会科の学習指導要領の中にある「民主的な社会の形成者となる」ことや、社会科の学習指導要領「公民的分野」中の「適度に課題を設けてまとめる」ということであった。
 同資料の内容は「ノ・ムヒョン大統領への手紙(「3・1演説」を読んで)」、「ガンジー」について、「原爆」について、「戦争責任」について、「紙上討論」についてと記述されており、生徒の意見と同教諭の意見が記載されている。
 平成17年6月末から7月のはじめ頃、同教諭は同校×××の各教室での社会科公民3時間扱いの授業において、同資料をその日出席していた各組生徒全員に配布し、授業を行った。
 同資料の10ベージから11ベージにかけて、〈ノ・ムヒョン大統領様〉と表記された同教諭が作成した文書がある。これは「韓国総領事館気付ノ・ムヒョン大統領様」として平成17年4月19日ごろに発送されたものであるが、同文書の発送や同資料を授業で使用する許可を管理職から得ないまま発送し使用した。これに対し、千代田区教育委員会が行った事精聴取で同教諭は、学校教育法28条に『教諭は学校教育をつかさどる。』とある。戦前の学校教育は『教諭は校長の命を受けて・・・』とあった。戦後は『校長は校務をつかさどる。教諭は教育をつかさどる、』となった。命令系統はない。許可を得ているかと聞くのは現在の教育行政の根本が分かっていない。旧法と違い、校長の許可をひとつひとつ取るのは現在の学校法制ではない。現在の教諭は校長の命を受けてつかさどっているのではない。校長との信頼関係のもとで行っている。生徒にとっていいものは使うと言った。
 また、同資料の1Oベージの39行目から、「04年10月26日の我が東京都議会文教委員会において、古賀俊昭という都議会議員(自民党)は言っています。『(我が国の)侵略戦争云々というのは、私は、全く当たらないと思います。じゃ、日本は一体どこを、いつ侵略したのかという、どこを、いつ、どの国を侵略したかということを具体的こ一度聞いてみたいというふうに思います。(カッコ内は×××)』(文教委員会議事録)などと、国際的には恥を晒すことでしかない歴史認識を得々として嬉々として披露しているのが我が日本国の首都の議会なのです。横山洋吉教育長以下、東京都教育委員会は、これに対し何の反論もしませんでした。というよリ、大いに共鳴しているのでしょう。侵略の正当化教科書として歴史偽造で有名な扶桑社の歴史教科書を『生徒たちに我が国に対する愛国心を持たせる一番良い教科書』などと公言して恥ない人たちですから。古賀都議その他の歴史偽造主義者達が」という記述がある。
 同事情聴取において、資料に記述された都議会に対する記述の根拠を尋ねたところ同教諭は、中学生だって恥ずかしいことはわかっている。日本は侵略戦争を行った。これは国際的には常識である。日本もこのことを受け入れた。それを21世紀の都議会でこんなことを言っていると言った。個人の一面的な考えを書いた資料を授業で使用することは教育公務員として問題はないかとの問いに対しては、いろんな考え方があるが、私が書いたことは事実の指摘である。そう思わないというのは主観的である。私の書いたことは事実であると同教諭は言った。
 また、歴史偽造で有名な扶桑社と書いた根拠を同教諭に尋ねたところ、扶桑社の教科書について『侵略の正当化教科書』という根拠は国際的に有名なことである。アジア太平洋戦争は国際的には侵略戦争として有名であり、日本政府はそれを認めた。しかし扶桑社の教科書には『自存自衛の戦争』と書いてある。それを歴史偽造でなく何と言えるかと言った。また、このような記述を読んで、生徒は都議会や扶桑社についてどう受け止めるか尋ねたところ、私はは事実は事実として受け止める教育をしていると言った。また、歴史偽造主義者の根拠について尋ねたところ、古賀議員と仲間のことを言った。土屋・田代・横山洋吉・石原慎太郎。彼らは『侵略したことはない』と言っていると言った。


6 千代田区教育委員会及び学校の対応措置
 平成17年7月11日(月)午後4時30分頃、千代田区立×××校長は、同区教育委員会酒井寛昭教育指導課長の来訪を受け、同校×××教諭が授業中使用したしたプリントについて問題があるのではという情報が入ったので事実関係を調査するようにとの指示を受けた。
 7月14日(木)×××から同校長に、同教諭が授業で使った資料について直後会って質問したい、と要請があった。同校長が同教諭にその旨伝えたところ、管理職同席の上直接会って話したいとの申し出があった。またその際同教諭は、×××の要請に関する授業で使用した紙上討論1と書かれた11枚の資料を、同校長と同校×××副校長に提出した。
 7月15日(金)午後3時半頃、同校長は、校長室において、同副校長立ち会いのもと×××と同教諭を会わせるとともに、同資料について質疑応答させた。
 7月27日(水)午後、同区教育指導課長は東京都教育庁指導部から、7月25日付17教指義第129号の文書「授業で使用した教材こついて(照会)」で事実確認の依頼を受けたので、同区教育指導課長は、同校長に対して7月27付け17千教教指収第738号の文書で、調査をし報告することを指示した。
 8月3日(水)午後1時5分ころ、同区教育指導課長は同校長の許可のもと、同区教育委員会杉本真紀子指導主事及び同副校長同席のもと、校長室で同校長からの報告の不十分な点について、同教諭から聞き取りを行った。
 8月3日(水)同校長は同教諭に対し、それまで未提出であった、授業で使用したビデオ等の資料を8月4日までに校長に提出するよう、平成17年8月3日付17千×中発第67号にて職務命令を発した。
 8月4日(木)午後2時ころ、同校長は同校×××校長室で同教諭から本件事故について事情聴取を行った。また、ビデオの提出については、市販されているビデオ等で個人のものである。自分たちで買うべきだと言って、提出しなかった、
 8月4日(木)同校長は同区教育委員会教育長あて、服務事故報告書を提出した。
 8月5日(金)午後4時50分から同区教育指導課長は、同区3階教育委員会室で同教諭から事情聴取を行った。
 8月9日(火)東京都教育委員会あて事故報告書を提出した。

7 千代田区教育委員会の見解
 千代田区教育委員会は、従前から校長会等で服務の厳正について指導をしてきたところであり、特に教育課程の適正実施については繰り返し指導をしてきたところである。
 千代田区立×××教諭が使用した資料の表現の一部には、同教諭の個人的見解で特定個人や団体等を誹謗中傷した箇所があり、授業中に教材として生徒に配布した。このことは都民の公教育に対する信頼を著しく失わせるものであり、教育の公正中立を損なうものである。
 また、校長の教育課程の適切な実施に関する管理責任は、所属職員の指導監督にあたる校長としての指導が徹底しておらず、その職責に欠けるものであり、誠に遺憾である。
 ついては、×××教諭及び×××校長について、東京都教育委員会の厳正な措置をお願いいたしたい。


増田教諭の言い分を引用しているくだりは、普通に読めば、教基法等戦後民主教育理念に照らして、どちらに理があるか、一目瞭然であるように思える。区教委は無知?不勉強?
「侵略戦争否定」は「歴史偽造」である、とする増田教諭のプリント(手紙)の文言を、「教育課程の適正実施」に反することに結びつけてしまっている。
これでは、区教委・都教委あげて、「歴史偽造」に手を貸そうとしている、としか読めない。
なお、校長に対する「厳正な措置」は今のところ行われた形跡はない。
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