板橋高校卒業式「君が代」刑事弾圧事件 最高裁に口頭審理を要請中
★ 立川、葛飾に続く「言論表現の自由」圧殺を許すな! ★
最高裁は「表現そのものを処罰すること」の憲法適合性を判断せよ!
■□■ 3月25日第5回最高裁要請を行いました。 ■□■
<板橋高校元教員・藤田先生を応援する会通信 第40号(2010/4/8)から>
◎ 第5回最高裁要請行動を終えて
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/05/ccc8583018908858dab9e4b8792553a1.jpg)
「福寿草」 《撮影:倉内富士夫(北海道白糠町在住)》
3月25日午後1時40分から30分間、第5回目の最高裁要請行動が行われた。当日はあいにく朝から雨で、せっかく開いた桜の蕾も途中で閉じてしまいそうな肌寒さ。参加者は加藤弁護士を含めて計16名。電車遅延で2名の事務局メンバーが遅れる旨を連絡した後、14名が威圧的に聳え立つ建物に入った。最高裁上告からすでに一年十カ月。もしかしたら今回が最後の要請行動となるかもしれないという思いで、私はかなり緊張していた。
前回同様、訟廷書記官補佐の矢後氏が対応。司会はFさん。最初に加藤弁護士から今回新しい要請がなされた。欧州評議会人権理事会の専門委員として国際的に活躍し、表現の自由の問題にも詳しいベルギーのフォルホーフ教授(ヘント大学)によれば、一・二審判決は人権の国際水準に照らして大いに疑問という。教授による「意見書」を弁護団の「補充上告趣意書」と共に4月末までに提出する予定なので、ぜひこれらをしっかり読んだ上で再審理を行い、国際的にも耐えうる判断をお願いする旨の発言があった。この意見書や補充趣意書の受理に関しては担当者が異なるとのこと。受理しない等ということがありうるのかと、少し不安がよぎった。
続いて事務局を代表してHさんから100名の賛同者氏名の記載された要請文が手渡された。不可侵であるべき憲法規定の基本的人権「言論・表現の自由」が判決では「公共の福祉」の名目で「校長の管理権・財産権」よりも下位に置かれている矛盾と、事実認定のやり直し等、5項目にわたって問題点を指摘、口頭審理を開いて公正な審判をと、強く要請した。
次に、藤田さん本人の発言。司会からは「最後になるかもしれないので詳しく思いの丈を述べられるよう長めの時間」が予定されていたのだが、予想外に短時間で、要点も一つに絞られたものだった。ICレコーダ録音の証拠能力。秘密裏にしかも私的に持ち込まれた録音によって刑事罰に問われるようなことが許されるなら社会は崩壊する、編集が自在でその痕跡も残さないデジタル録音が裁判で証拠として認められるなら、あなた自身もいつ刑事犯に仕立てられるやもしれないと、矢後氏に語りかけた。他にも言いたいことが山ほどあるに違いないのだが、一点に絞った藤田さんの発言にはさすがに迫力があり、矢後氏も真剣な表情で聴いていた。
この後、初めて参加された方を中心に参加者からの一言が続いた。特記すべきは、三重県から急遽参加された県立高校公民科教員の方。東京都で起こっている「日の君強制」は明白な憲法違反、これまで「最高裁は憲法の番人」と生徒に教えてきたが、このままでは「権力の番人になり下がっている」と生徒に教えざるを得ない、藤田さんは憲法で保障された言論の自由を行使しただけであり無罪と、力強い応援をくださった。
また、参加者の中には10・23通達による処分を受け、嘱託解雇裁判や採用拒否裁判、東京「君が代」裁判などの原告となっている方々も多かった。それぞれの立場から、10・23通達後「教育の自由」が侵害され、息苦しさに覆われた教育現場の問題点や、「君が代強制」にNOの意思表示が刑事事件とされることは民主主義の危機として、深い憤りの念が表明された。
更に、この事件の本質は、実際には「威力」も卒業式の「妨害行為」も一切なかったにもかかわらず、都教委・一部都議会議員・当局が一体となって「威力業務妨害罪」をでっち上げた「冤罪事件」であり、最高裁は今こそ冤罪を正すべき、という強い要望もなされた。
「言論・表現の自由を守る会」のKさんからは、一・二審判決は国際自由権規約違反であり、法務大臣発言や日弁連等による個人通報制度批准への動きも活発化している旨の状況説明があった。
終了の5,6分前に最後の2名の参加者が到着し、一同安堵したが、あっという間に予定の30分が終了した。次回の要請行動はないかもしれないという緊迫感が参加者に共有されていたせいか、それぞれの発言には簡潔ながら迫力があり、大変充実した内容になったと思う。
最後にKさんが署名201筆を事務局に届け、散会となった。裁判所の門を出て国立劇場の敷地へと足を向けると、雨にぬれた五分咲きの桜がいつもよりくっきりとしたピンク色に染まっていた。堀越事件の高裁無罪判決が出た今、裁判所にも少しずつ新しい風が吹き始めたようだ。この風が海外の専門家意見書と相まって最高裁を大きく揺るがし、逆転無罪の判決をもたらしてくれることを願っている。
★ 立川、葛飾に続く「言論表現の自由」圧殺を許すな! ★
最高裁は「表現そのものを処罰すること」の憲法適合性を判断せよ!
■□■ 3月25日第5回最高裁要請を行いました。 ■□■
<板橋高校元教員・藤田先生を応援する会通信 第40号(2010/4/8)から>
◎ 第5回最高裁要請行動を終えて
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/05/ccc8583018908858dab9e4b8792553a1.jpg)
「福寿草」 《撮影:倉内富士夫(北海道白糠町在住)》
3月25日午後1時40分から30分間、第5回目の最高裁要請行動が行われた。当日はあいにく朝から雨で、せっかく開いた桜の蕾も途中で閉じてしまいそうな肌寒さ。参加者は加藤弁護士を含めて計16名。電車遅延で2名の事務局メンバーが遅れる旨を連絡した後、14名が威圧的に聳え立つ建物に入った。最高裁上告からすでに一年十カ月。もしかしたら今回が最後の要請行動となるかもしれないという思いで、私はかなり緊張していた。
前回同様、訟廷書記官補佐の矢後氏が対応。司会はFさん。最初に加藤弁護士から今回新しい要請がなされた。欧州評議会人権理事会の専門委員として国際的に活躍し、表現の自由の問題にも詳しいベルギーのフォルホーフ教授(ヘント大学)によれば、一・二審判決は人権の国際水準に照らして大いに疑問という。教授による「意見書」を弁護団の「補充上告趣意書」と共に4月末までに提出する予定なので、ぜひこれらをしっかり読んだ上で再審理を行い、国際的にも耐えうる判断をお願いする旨の発言があった。この意見書や補充趣意書の受理に関しては担当者が異なるとのこと。受理しない等ということがありうるのかと、少し不安がよぎった。
続いて事務局を代表してHさんから100名の賛同者氏名の記載された要請文が手渡された。不可侵であるべき憲法規定の基本的人権「言論・表現の自由」が判決では「公共の福祉」の名目で「校長の管理権・財産権」よりも下位に置かれている矛盾と、事実認定のやり直し等、5項目にわたって問題点を指摘、口頭審理を開いて公正な審判をと、強く要請した。
次に、藤田さん本人の発言。司会からは「最後になるかもしれないので詳しく思いの丈を述べられるよう長めの時間」が予定されていたのだが、予想外に短時間で、要点も一つに絞られたものだった。ICレコーダ録音の証拠能力。秘密裏にしかも私的に持ち込まれた録音によって刑事罰に問われるようなことが許されるなら社会は崩壊する、編集が自在でその痕跡も残さないデジタル録音が裁判で証拠として認められるなら、あなた自身もいつ刑事犯に仕立てられるやもしれないと、矢後氏に語りかけた。他にも言いたいことが山ほどあるに違いないのだが、一点に絞った藤田さんの発言にはさすがに迫力があり、矢後氏も真剣な表情で聴いていた。
この後、初めて参加された方を中心に参加者からの一言が続いた。特記すべきは、三重県から急遽参加された県立高校公民科教員の方。東京都で起こっている「日の君強制」は明白な憲法違反、これまで「最高裁は憲法の番人」と生徒に教えてきたが、このままでは「権力の番人になり下がっている」と生徒に教えざるを得ない、藤田さんは憲法で保障された言論の自由を行使しただけであり無罪と、力強い応援をくださった。
また、参加者の中には10・23通達による処分を受け、嘱託解雇裁判や採用拒否裁判、東京「君が代」裁判などの原告となっている方々も多かった。それぞれの立場から、10・23通達後「教育の自由」が侵害され、息苦しさに覆われた教育現場の問題点や、「君が代強制」にNOの意思表示が刑事事件とされることは民主主義の危機として、深い憤りの念が表明された。
更に、この事件の本質は、実際には「威力」も卒業式の「妨害行為」も一切なかったにもかかわらず、都教委・一部都議会議員・当局が一体となって「威力業務妨害罪」をでっち上げた「冤罪事件」であり、最高裁は今こそ冤罪を正すべき、という強い要望もなされた。
「言論・表現の自由を守る会」のKさんからは、一・二審判決は国際自由権規約違反であり、法務大臣発言や日弁連等による個人通報制度批准への動きも活発化している旨の状況説明があった。
終了の5,6分前に最後の2名の参加者が到着し、一同安堵したが、あっという間に予定の30分が終了した。次回の要請行動はないかもしれないという緊迫感が参加者に共有されていたせいか、それぞれの発言には簡潔ながら迫力があり、大変充実した内容になったと思う。
最後にKさんが署名201筆を事務局に届け、散会となった。裁判所の門を出て国立劇場の敷地へと足を向けると、雨にぬれた五分咲きの桜がいつもよりくっきりとしたピンク色に染まっていた。堀越事件の高裁無罪判決が出た今、裁判所にも少しずつ新しい風が吹き始めたようだ。この風が海外の専門家意見書と相まって最高裁を大きく揺るがし、逆転無罪の判決をもたらしてくれることを願っている。
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