◆ 免職取り消し判決確定でも発令
再処分不当と教諭提訴 (金曜アンテナ)
懲戒免職処分を取り消す判決が確定したにもかかわらず、東京都教育委員会が改めて停職6カ月の「再処分」を発令したのは違法不当だとして、都立高校の男性教諭(34歳)が9月16日、処分の取り消しと損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。
都教委は、教え子の女子生徒に性的表現を含む845通のメールを送ったなどとして、2014年7月に男性教諭を懲戒免職処分とした。男性教諭は「親から虐待されていた女子生徒の相談に乗り、高校生活を支え励ますためのメールだった」と一貫して主張。東京地裁は「免職処分は裁量権を逸脱濫用している」として処分を取り消し、東京高裁も今年3月に一審判決を支持して確定した。
東京高裁判決は、複雑な家庭で精神的に逃げ場がない女子生徒の求めに応じるメールだったと認定したほか、生徒の窮状を見かねた支援目的だったことや、女子生徒が現在も男性教諭に感謝していることにも触れるなど、一審判決の事実認定を大幅変更した。
その上で「免職処分には女子生徒の気持ちがまったく配慮されていない」と批判し、「女子生徒の窮状に乗じた不適切な行為」とする都教委の主張を退けた。
都教委は、女子生徒が虐待を受けていた事実を把握せず、女子生徒から一切話を聞かずに男性教諭の免職処分を決定していた。
しかも男性教諭が不利になるように、事実に反する校長陳述書を都教委人事部職員課の相賀直(あいがなお)・管理主事が捏造して裁判所に提出させたことも、裁判で明らかになった。
ところが都教委は、5月9日付で改めて停職6カ月の「再処分」を発令。高裁判決の事実認定を無視する形で、当初と同じ処分理由を繰り返している。
教諭側弁護士は「そもそも再処分の理由はどこにもない。教員にとって授業ができないことがどれだけ苦痛か、都教委はよく考えてほしい」と話している。
『週刊金曜日 1105号』(2016/9/23【金曜アンテナ】)
再処分不当と教諭提訴 (金曜アンテナ)
池添徳明・ジャーナリスト
懲戒免職処分を取り消す判決が確定したにもかかわらず、東京都教育委員会が改めて停職6カ月の「再処分」を発令したのは違法不当だとして、都立高校の男性教諭(34歳)が9月16日、処分の取り消しと損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。
都教委は、教え子の女子生徒に性的表現を含む845通のメールを送ったなどとして、2014年7月に男性教諭を懲戒免職処分とした。男性教諭は「親から虐待されていた女子生徒の相談に乗り、高校生活を支え励ますためのメールだった」と一貫して主張。東京地裁は「免職処分は裁量権を逸脱濫用している」として処分を取り消し、東京高裁も今年3月に一審判決を支持して確定した。
東京高裁判決は、複雑な家庭で精神的に逃げ場がない女子生徒の求めに応じるメールだったと認定したほか、生徒の窮状を見かねた支援目的だったことや、女子生徒が現在も男性教諭に感謝していることにも触れるなど、一審判決の事実認定を大幅変更した。
その上で「免職処分には女子生徒の気持ちがまったく配慮されていない」と批判し、「女子生徒の窮状に乗じた不適切な行為」とする都教委の主張を退けた。
都教委は、女子生徒が虐待を受けていた事実を把握せず、女子生徒から一切話を聞かずに男性教諭の免職処分を決定していた。
しかも男性教諭が不利になるように、事実に反する校長陳述書を都教委人事部職員課の相賀直(あいがなお)・管理主事が捏造して裁判所に提出させたことも、裁判で明らかになった。
ところが都教委は、5月9日付で改めて停職6カ月の「再処分」を発令。高裁判決の事実認定を無視する形で、当初と同じ処分理由を繰り返している。
教諭側弁護士は「そもそも再処分の理由はどこにもない。教員にとって授業ができないことがどれだけ苦痛か、都教委はよく考えてほしい」と話している。
『週刊金曜日 1105号』(2016/9/23【金曜アンテナ】)
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