パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

北海道から怒りの声

2013年06月12日 | こども危機
 ◆ 高教組「これは許せん!教育政策アンケート」より
N 北海道立I高校

 ◆ 自分ならさっさとやめるよ!!!
 本稿を執筆しているのは、1月下旬。埼玉県の教員が、3月の定年退職を前倒しして大量に退職。退職金に150万円の差。無責任の声も。というニュースが物議をかもしています。
 私の同僚は、「自分ならさっさとやめるよ、退職手当が下がっているうえに、働いたらさらに下げられるなんて、普通に考えたらやめた方がいいよね。その方が当たり前」ときっぱりと言っていました。
 昨年11月の解散のどさくさにまぎれて、退職手当を3段階で400万円削減、私の職場でも怒りの声があふれています。
 ◆ これは許せん!
 北海道高教組では、「これは許せん!教育政策アンケート」を全道の高校教員に呼びかけ、現在も回答を集めています。
 20項目の中から、これは許せないという5項目を選ぶアンケート、1次集計結果では、
 1位 教員免許更新制、2位 道独自賃金削減、3位 校務支援システム、
 4位 ボーナス査定制度、5位 授業時数確保、6位 支援室・事務センター設置、
 7位 長期休業中の勤務厳格化、8位 学校統廃合、9位 有人警備廃止・機械警備導入、10位 勤務実態調査(給与費適正執行調査)となりました。
 ◆ 600円返せ!!!
 このアンケートには、「選択した項目について、あなたの怒りの声、職場で感じている課題、困っていること等、ぜひご記入ください」という欄があり、先生方の生の声が書かれています。
 たとえば、1位の「教員免許更新制」には、「教員を一体何だと思っているんだ!?医者もそうしますか!?」と。
 北教組つぶしと思われる、悪名高き「服務実態調査」については、「部活動や講習、生徒指導で先生方がどれだけサービス残業を強いられているのかも把握しないで、出勤退勤時刻のわずかな『ズレ』を問題視するのは職場の士気を大いに下げるものだ」というのがあり、多くの先生方の気持ちを代弁しています。
 ある管理職の先生は、過去の教務主任時代の勤務実態について、職務命令を出されて事情聴取され、3日分の主任手当600円を返納せよ、ということになったとおっしゃっています。
 そのためにたくさんお金と人を使って調査するなんて、と嘆いておられました。
 授業中に小役人がやってきて、事情聴取を始めた学校もあるらしいです。
 私の勤務校でも、3名の方に職務命令が発せられ、事情聴取されたようです。

 ◆ 支援どころか遅延システムでは
 昨年4月から、多くの校長も含むかなり多くの現場の先生方からの反対の声を押し切って、「校務支援システム」なるものが、血税を投じて導入されました。
 教育現場の実態を無視して、全道一律に監視システムになる恐れもありそうな、児童生徒の、出欠席や成績をはじめとする、すべての情報をパソコンに打ち込んで、一元管理するシステムです。
 これへの怒りの声から…
 「不完全なシステムを押しつけ、現場に膨大な二重の仕事となっている。個人情報に関わる事故は必ず起こるだろう」
 「そもそも不備が多数あるとわかっている中での導入、一体何を考えているのか?どう考えても職員の手間を増やしているとしか思えない」
 「不要なシステムやパンフレットなどの導入や整備に多額の金を使っておいて、職員の給料は減らすという悪政。民間企業であれば無能な管職としてクビになっていて当然。悪政のツケを職員におっつけるのもたいがいにしてほしい」。
 ◆ 北海道は14年連続賃金独自削減
 「勤務実態で何を調べたのか知らないが、現場は大変。校務支援システム、機械警備のせいで仕事は忙しくお金は安く。ドーナッテイルノダ。」
 「公務員とはいえ、これだけ続けば意欲もなくなる。優秀な人材も確保できなくなると、自分の首を絞めているようなものでは。」
 「道議会議員も道庁幹部もアタマが悪いのだ。国に抗う勇気もない。アタマの悪い人間が世の決め事をしてしまうと、滅びに向かう事必然。北海道をつぶしたいのだ。自分の短い一生の面子さえ保てるなら、北海道そのものをつぶしてもよいと思っているのだ。『公の人』を気取っているが、真のクニづくりを知らない愚僚に『公の人』を名乗る資格はない。大局観なしの政治を打倒しなければ、北海道の未来はない。ついでながら教育の拘束ほど、政策としての愚策はない。アホである。いつの日からか日本人は『学校』を缶詰生産工場程度に思いはじめた。『人』を育てる場などとは思わなくなったのだ。まちがいない。この国は二度目の滅びを迎える。」
 ◆ お寒い学校で厚着をして
 北海道は冬休みが長いのですが、研修しづらくなったため、年末年始の6日間以外は、多くの先生方が出勤しています。この1月は、講習や部活動のない先生も職員室で見かけました。「1月から年休を使いたくないので」とおっしゃった方も、連日出勤していました。
 今年の冬は特に寒く、暖房費も節約しているのか、職員室も講習中の教室も大変寒かったです。受験を控えた3年生も、コートにマフラー、ひざ掛け、マスク、手袋、完全防備で勉強しています。風邪引いちゃうよ。職員室でも顔だけ出してパソコンに向かっている先生が…。自宅研修を認めればいいのになあ。
 「教職員の研修は権利でもあり、義務でもあるはず。はじめから『長期休業中の研修はズル休み』と決めつけているから、こんなひどい状態になると思う。」
 「何でもマスコミに騒がれるとその方向で右往左往、机の上だけで仕事を組み立てたり、考えたりしている官吏様達だけが仕事のしやすいように、現場の奮闘に寄り添おうなどとは微塵も考えず、現場を机上からパソコンや権限を駆使しつつ、双方向ではなく一方通行、上からのみでコントロールしようとしている近年の机の前の人達は、マスコミの走狗にしか感じられない。正に衆愚政治を象徴する存在。少しは現場を信じなさい。」
 ◆ そして、授業時数確保の名のもとに
 「決して楽をしているわけではないのに、なぜやらなければいけないのか。生徒も教員もお互いにつらい想いをするだけではないだろうか。他校のことをあまり気にしなくてもよいと思う。学校に方針があれば話は別であるが。」
 私の勤務校も、4月から行事が大幅に削減され、7時間目の授業が増え、夏休み冬休みも減らされ(合わせて6日間減らされそう)、生徒会活動も部活動も講習も窮屈になり、ますます息苦しい学校になりそうです。追い打ちをかけるように安倍内閣の登場。高校生からもあきらめの声が。
 ◆ 高校生も安倍さんには期待できない
   「戦争しない憲法は素晴らしい」

 昨年12月21日の1年生の現代社会の授業の中で、憲法改正をめぐって意見を書いてもらったところ、
 「十分素晴らしい憲法だと思う。そもそも安倍が好きじゃない。またお腹が痛いとか言って辞めそう」
 「安倍さんの思うようにされたくない」
 「今の憲法のおかげで平和に暮らせてるのに変えるのはおかしい。自由民主党の人たちは、改正草案の内容からして国民の生活を軽視してると思うと腹が立つ。自分が国のトップ機関にいるからって調子に乗るな、と思う。首相を最高指揮官にしたら戦争しちゃうんじゃないの?そうなったら困る」
 「戦争をしないと決めて、軍を持たなかったのに国防軍にしてしまうと戦力を持つことになると思う」
 「国防軍なんか作ったらどうせまた日本は前みたいに戦争とかやって同じ過ちを繰り返すから。なんで他国とうまく仲良くやっていけないかな~と思う。まあ総理も総理だし、すぐ辞めるやつばっかだし無責任だからかな」
 鋭いですね。

『子どもと教科書全国ネット21ニュース』88号(2013.2)

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