『週刊新社会』(2012/6/26)から
◆ 陸自が市街地で武装行進
疲労困憊で教官に身支度される訓練生
陸上自衛隊が東京都民が生活する場でレンジャー訓練を6月12日、東京・板橋、練馬両区内で実施した。東京での市街地訓練は42年ぶり。今回は、過酷訓練であるレンジャー訓練の最終段階として、市街地のアスファルト道路の上の歩行訓練という触れ込み。小銃、背嚢、帯剣という重装備に、顔に迷彩を施した疲労困慰した訓練生が往来し、付近住民は抗議・反対の声を上げた。
◆ 平和な生活侵害に怒りの抗議
陸上自衛隊第一普通科連隊(練馬基地)が6月12日、朝9時からレンジャー部隊訓練の最終行程としての市街地徒歩行進訓練を実施した。新社会党東京都本部・北、板橋両総支部は、民主団体とともに現地抗議・監視行動を行った。
訓練は、小銃・帯剣・背嚢・迷彩装束と戦闘まっただ中の殺人のプロとしての扮装で、埼玉県境の荒川河川敷から三田線西台駅を経由して、練馬自衛隊基地まで約6・8キロの市街地を縦断した。訓練生は17人。それを取り囲むように教官等保安要員などで50人強の一列縦隊だった。
予定された河川敷には7時前から、訓練を監視・抗議する市民らが集まり、自衛隊の活動を注視した。
訓練生は、疲労困慧の極で、トラック荷台から自ら一人で降りることもできずに、同僚・教官に支えられ下車後、背嚢、小銃を身体にくくりつけられて整列した。
その顔は無表情そのもので、虚ろという表現がぴったりだ。なかには支えられて立つ者もいた。
党は、西台駅・自衛隊正門前で、有事立法・治安弾圧を許すな!北部実行委員会の仲間とともに、武装行動の不当性を訴え、ビラまぎを行った。
レンジャー訓練は、前半の体力錬成に続き、後半の実戦訓練では、
①爆破、小銃の射撃、襲撃、斥候、徒手格闘、刃物などを用いた襲撃や暗殺の訓練、
②無線機や手信号での通信、
③野戦での築城や潜伏、
④ヘリポート、船艇潜入、武装水泳、水中で装備などを放棄する緊急脱出、
⑤生存自活、
⑥野外衛生、
⑦対尋問行動、
⑧協力者の獲得
などを行うといわれている。
こうして誕生するのは殺しのプロであり、その訓練を経てレンジャーバッチを授与され、一定のステータスを与えられるのだ。過酷訓練ゆえに、脱落する者もでたり、過去には終了後自死する者も出たという。
訓練とはいえ、極限状態を経た訓練生の市街での行進は、通勤・通学・市民に与える影響は大きく、その不当性を訴える声はあっちこっちで聞こえた。
その行軍にたまたま出くわした保育園の散歩の一行では、その異様な出で立ちに恐怖からか泣き出す園児も出たという。
◆ 軍隊の公然化を糾弾
自衛隊は4月中旬に行政区に通告して、市民が耳にしたのはそれから。町会にいたっては、6月上旬というありさま。
抗議の声に押されて、地元説明会をあわてて3回開いた。そこでは、想定される首都圏直下型地震を引き合いに出した市街地訓練を装うとしたが、装備を突かれてレンジャー訓練を認めた。
1回目は抗議の声が圧倒。国会での背広組の発言との食い違いを追及される始末。
2回目は隊友会と思われる人も動員して、激励の八百長質問などでアリバイをっくった。
無視されていた付近住民が、平和的生存権及び人格権侵害として「陸自徒歩行進中止を求める仮処分申請」をしたのが6月5日。東京地裁は11日却下した。
訓練生を受け入れる練馬自衛隊正門前には、街道を挟んでおよそ300人が抗議の声を上げ、情報保全隊や公安、マスコミで混雑するなか、警備、MPに囲まれて訓練生は入っていった。
震災救助で株を上げたと思い込み、一気に市民権を得ようという自衛隊の目論みに一定の意思表示ができた。 (川村)
『週刊新社会』(2012/6/26)
http://www.sinsyakai.or.jp/sinsyakai/archive/peace/2012/120626.html
◆ 陸自が市街地で武装行進
疲労困憊で教官に身支度される訓練生
陸上自衛隊が東京都民が生活する場でレンジャー訓練を6月12日、東京・板橋、練馬両区内で実施した。東京での市街地訓練は42年ぶり。今回は、過酷訓練であるレンジャー訓練の最終段階として、市街地のアスファルト道路の上の歩行訓練という触れ込み。小銃、背嚢、帯剣という重装備に、顔に迷彩を施した疲労困慰した訓練生が往来し、付近住民は抗議・反対の声を上げた。
◆ 平和な生活侵害に怒りの抗議
陸上自衛隊第一普通科連隊(練馬基地)が6月12日、朝9時からレンジャー部隊訓練の最終行程としての市街地徒歩行進訓練を実施した。新社会党東京都本部・北、板橋両総支部は、民主団体とともに現地抗議・監視行動を行った。
訓練は、小銃・帯剣・背嚢・迷彩装束と戦闘まっただ中の殺人のプロとしての扮装で、埼玉県境の荒川河川敷から三田線西台駅を経由して、練馬自衛隊基地まで約6・8キロの市街地を縦断した。訓練生は17人。それを取り囲むように教官等保安要員などで50人強の一列縦隊だった。
予定された河川敷には7時前から、訓練を監視・抗議する市民らが集まり、自衛隊の活動を注視した。
訓練生は、疲労困慧の極で、トラック荷台から自ら一人で降りることもできずに、同僚・教官に支えられ下車後、背嚢、小銃を身体にくくりつけられて整列した。
その顔は無表情そのもので、虚ろという表現がぴったりだ。なかには支えられて立つ者もいた。
党は、西台駅・自衛隊正門前で、有事立法・治安弾圧を許すな!北部実行委員会の仲間とともに、武装行動の不当性を訴え、ビラまぎを行った。
レンジャー訓練は、前半の体力錬成に続き、後半の実戦訓練では、
①爆破、小銃の射撃、襲撃、斥候、徒手格闘、刃物などを用いた襲撃や暗殺の訓練、
②無線機や手信号での通信、
③野戦での築城や潜伏、
④ヘリポート、船艇潜入、武装水泳、水中で装備などを放棄する緊急脱出、
⑤生存自活、
⑥野外衛生、
⑦対尋問行動、
⑧協力者の獲得
などを行うといわれている。
こうして誕生するのは殺しのプロであり、その訓練を経てレンジャーバッチを授与され、一定のステータスを与えられるのだ。過酷訓練ゆえに、脱落する者もでたり、過去には終了後自死する者も出たという。
訓練とはいえ、極限状態を経た訓練生の市街での行進は、通勤・通学・市民に与える影響は大きく、その不当性を訴える声はあっちこっちで聞こえた。
その行軍にたまたま出くわした保育園の散歩の一行では、その異様な出で立ちに恐怖からか泣き出す園児も出たという。
◆ 軍隊の公然化を糾弾
自衛隊は4月中旬に行政区に通告して、市民が耳にしたのはそれから。町会にいたっては、6月上旬というありさま。
抗議の声に押されて、地元説明会をあわてて3回開いた。そこでは、想定される首都圏直下型地震を引き合いに出した市街地訓練を装うとしたが、装備を突かれてレンジャー訓練を認めた。
1回目は抗議の声が圧倒。国会での背広組の発言との食い違いを追及される始末。
2回目は隊友会と思われる人も動員して、激励の八百長質問などでアリバイをっくった。
無視されていた付近住民が、平和的生存権及び人格権侵害として「陸自徒歩行進中止を求める仮処分申請」をしたのが6月5日。東京地裁は11日却下した。
訓練生を受け入れる練馬自衛隊正門前には、街道を挟んでおよそ300人が抗議の声を上げ、情報保全隊や公安、マスコミで混雑するなか、警備、MPに囲まれて訓練生は入っていった。
震災救助で株を上げたと思い込み、一気に市民権を得ようという自衛隊の目論みに一定の意思表示ができた。 (川村)
『週刊新社会』(2012/6/26)
http://www.sinsyakai.or.jp/sinsyakai/archive/peace/2012/120626.html
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