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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

◆ 子どもたちの心を操作する意図をもって歴史を捻じ曲げる「TOSSランド」の「日本の国歌 君が代」教材

2024年10月27日 | 「日の丸・君が代」強制反対

松田です。

「TOSSランド」
 「日本の国歌  君が代
 国歌君が代の歴史と意味を1時間で授業する」
 が上がっている。
https://land.toss-online.com/lesson/aborjg66nxrya32l

 私たちが指摘してきた事実を取り入れている面はあるが、大事な点で歪曲あり
 まず、「君が代は」の現在の意味を勝手に「天皇をいただく日本の平和な世が」とした点。
 これは、政府見解から外れた意味づけである。

 政府見解は、「君が代」は「我が国」のことだとしているのであり、「日本の平和な世」のことだとするこの指導内容は、政府見解を大きく歪曲したものと言える。
 政府見解が、「君」は…

「日本国及び日本国民統合の象徴であり,その地位が主権の存する日本国民の総意に基づく天皇のこと」

 としているが、それを考慮しても、現在の政府見解は「君が代」は「象徴天皇の国・我が国」であり、「君が代は」という主語を「天皇をいただく日本の平和な世」とするのは政府見解からの逸脱と言える。

 次に歌詞の起源について、
 「古今和歌集」の採録が、「君が代は…」ではなく「我が君は…」だったことは紹介しているが、その時の歌の意味についてはふれていない。
 写本には、「我が君は千代にましませ…」というものもあったことが知られており、「君」の長寿を願う歌だったことは誰も否定しえない
 その元歌の意味を教えないことは、事実をきちんと伝えたことにならない。

 第3に、「実は国歌の歌詞としては日本の君が代が一番古いのです。歴史ある国歌君が代を卒業式で心を込めて歌いましょう。」と呼びかけ、曲がつけられ国歌の扱いをされた明治以降のことを何も説明していないことです。

 「君が代」の意味は、国定教科書「修身」で、「天皇陛下のお治めになる御代」と書かれていたことは説明されるべきです。

 また、戦前・戦中の学校のようす(どんな時に「君が代」が歌われ、「君が代」がどんな役割を果たしたのか)も伝えるべきです。

 国旗国歌法制定時、古歌の意味に帰って、みんなの長寿を願う歌と意味づけることもできたのに、明治以降の天皇制国家の意を体した意味づけ「天皇陛下のお治めになる御代」を引き継ぎ、日本国憲法に違反しないように無理やりの解釈で「我が国」のこととした政府解釈自身が本来問題にされるべきです。

 とにかく、教育で大事なことは、事実を伝えるということです。子どもたちの心を操作する意図をもって歴史を捻じ曲げることは許されません。
 「TOSSランド」の「日本の国歌 君が代」の教材と指導内容は、子どもたちの心を操作する意図をもって歴史を捻じ曲げるものと言えます。

 改めて、教職員のみなさんに呼びかけます。◆子どもの権利条約に沿った「君が代」指導を!

 ※ 事実を伝えよう!
 【資料:卒業式・入学式の国旗・国歌について 】

 【知っていましたか?「君が代」の意味・扱いの変化】

以上です。

 


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