◆ 核兵器禁止にむけて (東京新聞【本音のコラム】)
最近、この国の史上最長宰相は、「美しい国」と我田引水風にいうこともなく、公費をふんだんにつぎ込んだ「桜を見る会」も、私利私欲風だと批判されてやめると宣言。
自分に都合が悪くなると、官僚に命じて隠したり改竄(かいざん)したりで、振る舞いは美しくない。
そのこともあって、世論調査では「首相発言信頼できない」が69・2%。「他にいないから首相」も、「さくら散る」の様相を帯びてきた。
ときあたかもローマ教皇が来日。ヒロシマ、ナガサキの痛手を、いまなお負い続ける日本の内閣が世界の趨勢(すうせい)「核兵器禁止条約」批准にそっぽをむいているのに驚かれたようだ。
「核軍縮と核不拡散に関する国際法の原則にのっとり、あくことなく迅速に行動し、訴えていく」と、強めのメッセージを発した。
「何百万という子どもや家族が人間以下の生活を強いられる一方で、武器製造や改良、維持、商いに財が費やされ、築かれ、武器は日ごとに破壊的になっている。とてつもないテロ行為だ」
トランプ米大統領に追随して、米国産兵器を爆買いする安倍宰相への直接的な批判ではないが、武器輸出を狙う日本への警告もふくまれている。
核兵器は最大の環境破壊兵器であり、大量殺害兵器である。
その被害を受けながらも、禁止を主張しない被爆国。教皇ならずとも不思議に思われて当然だ。
『東京新聞』(2019年11月26日【本音のコラム】)
鎌田 慧(かまたさとし・ルポライター)
最近、この国の史上最長宰相は、「美しい国」と我田引水風にいうこともなく、公費をふんだんにつぎ込んだ「桜を見る会」も、私利私欲風だと批判されてやめると宣言。
自分に都合が悪くなると、官僚に命じて隠したり改竄(かいざん)したりで、振る舞いは美しくない。
そのこともあって、世論調査では「首相発言信頼できない」が69・2%。「他にいないから首相」も、「さくら散る」の様相を帯びてきた。
ときあたかもローマ教皇が来日。ヒロシマ、ナガサキの痛手を、いまなお負い続ける日本の内閣が世界の趨勢(すうせい)「核兵器禁止条約」批准にそっぽをむいているのに驚かれたようだ。
「核軍縮と核不拡散に関する国際法の原則にのっとり、あくことなく迅速に行動し、訴えていく」と、強めのメッセージを発した。
「何百万という子どもや家族が人間以下の生活を強いられる一方で、武器製造や改良、維持、商いに財が費やされ、築かれ、武器は日ごとに破壊的になっている。とてつもないテロ行為だ」
トランプ米大統領に追随して、米国産兵器を爆買いする安倍宰相への直接的な批判ではないが、武器輸出を狙う日本への警告もふくまれている。
核兵器は最大の環境破壊兵器であり、大量殺害兵器である。
その被害を受けながらも、禁止を主張しない被爆国。教皇ならずとも不思議に思われて当然だ。
『東京新聞』(2019年11月26日【本音のコラム】)
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