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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

辺野古新基地建設強行を許さない首都圏集会報告

2018年12月12日 | 平和憲法
 ◆ 辺野古新基地建設強行を許さない 山城博治・怒りの絶叫 (多面体F)

 安倍・菅・岩屋政権は沖縄の辺野古への土砂投入を12月14日(金)に開始することを宣言している。長年の沖縄県民の願い、故・翁長知事の対日本政府との闘い、民意の結晶ともいえる玉城デニー知事誕生と玉城知事の強い要請にもかかわらずである。
 12月6日(木)夜、「沖縄の民意を踏みにじるな! 辺野古新基地建設強行を許さない首都圏集会」が一ツ橋ホールで開催された(主催:基地の県内移設に反対する県民会議、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会、「止めよう!辺野古埋立て」国会包囲実行委員会 参加600人)。
 豊岡マッシーさんの「翁長追悼」「玉城デニー応援歌」などのビデオ、30秒CMと歌のオープニング、野平晋作さんの主催者あいさつに始まり、国会議員の報告、沖縄からの報告、行政法学者の解説、など盛りだくさんのプログラムだった。
 なかでも、山城博治さんの「現地沖縄からの報告」は、こぶしを振り上げ「安倍、許さん!」「琉球セメント、恥を知れ!」「いま声を上げないで、いつあげるんだぁ!」(このビデオの46分20秒、52分10秒、1時間5分20秒のあたり)の怒りの絶叫が非常に迫力があったので、山城さんのスピーチを中心に報告する。
 また白藤博行さんの行政法学者としての解説も、わたくしのような素人は知らない話で参考になったので、当日のスピーチと配布資料から一部を紹介する。
 ◆ 山城博治さん(基地の県内移設に反対する県民会議 共同代表)
 国交省の執行停止決定は自作自演などというものではなく、安倍が「君たち沖縄防衛局ではダメだからオレが直接やる」と国交省にやらせた、そういう行政のあり方だ。内閣一体とはこのことだ。安倍、許さん!
 琉球セメントはセメントをつくる会社、その桟橋はセメントを出荷する港であり、そのための許可を県から得ているはずだ。
 それなのに政府が辺野古埋立に使う土砂を搬出することを公然と了解している。これは民間会社がすることではない。
 政府からいくらもらっているか知らないが、県民に背を向け、県から許可を得た港でそんなことをやる、あるいは政府にやらせたのか。琉球セメント、恥を知れ!
 琉球セメントは目的外使用を強行し続けるなら許可を取り消すこともできるし、琉球セメント安和(あわ)工場閉鎖に至ってしまう。「わかっているのかセメント会社」といいたい。あるいはわかっていてやらせているのか、信じられないような異常な世界が進んでいる。
 赤土防止条例違反だというと、山積みした土砂でなく直接トラックで運んだので違反ではないと開き直る。しかしこの会社はセメントをつくる会社のはずなので、ベルトコンベアを辺野古の海に土砂をもちこむようなことに使うことが、許されるはずがない。
 3つのお願いがある。
 玉城デニー知事が琉球セメント安和工場を閉鎖することへの激励をお願いしたい。
 県民はそのような社会的存在を許さない。船には1600トンほどの岩ずり(土砂)が入っており4隻なので7000トン弱の土砂を積み、どこかの海で14日の出撃に備え待機しているようだ。今日(6日)現地の情報を聞くと、わたしたちの仲間のカヌーチームが午前中、岩ずりを積んだ船を止めた。
 機動隊はきっと問答無用で荒れ狂うだろう。暴力がさく裂しても負けるわけにはいかない。その姿にエールを送っていただきたい。
 2つ目のお願いである。北上田毅さんは技術者で、政府に情報開示を請求し分析に、わたしたちに情報を流し、わたしたちの理論的支柱になってくれている。最近の著書に「辺野古に基地はつくれない」(岩波ブックレット 2018/09)がある。
 いま孤軍奮闘してくれているが、ぜひ全国の仲間に北上田氏を支える技術者の力添えをお願いしたい。赤土防止条例や環境条例に照らし、政府がいかに無法であるか手助けをお願いしたい。
 3番目に、政府のあまりにも無法で理不尽な行動は見過ごせない。いまは沖縄だからやっているのかもしれないが、こういう手法はやがて政府のすみずみまで及ぶことは間違いない。これを止めないといけない。来年度の予算は100兆円を超える。防衛費は5兆2000億だが、それにアメリカからの兵器輸入の借金5兆円を加えると実質的に10兆円を超える
 憲法を変え軍事国家になり、わたしたちを絞め殺そうとする政治が公然と行われている。そのことにいま声を上げないと、いつ上げるんだぁ!ぜひ力を貸していただきたい。
 長い長い闘いになるがこれからもいっしょにがんばってまいりましょう。

 最後に会場のみんなとともに「沖縄 今こそ立ち上がろう」の大合唱があった。
   「今こそ立ち上がろう 今こそ奮い立とう
   沖縄の未来は 沖縄が開く
   戦さ世を拒み 平和に生きるため」
 会場は熱気に包まれた。

 ● 8月31日の沖縄県の埋立承認撤回に対し、防衛省は知事選をはさみ10月17日に国交省に承認撤回の執行停止を申し立て10月30日執行停止を決定し11月1日から工事を再開した。
 行政法学者の白藤博行さん(専修大学教授)から、この手続きの間違いや問題点の指摘があった。
 沖縄県の埋立承認の「撤回」は、いったん利益を与えた処分の撤回(授益処分)となるので、そう簡単にはできない。白藤さんも参加した辺野古訴訟支援研究会で時間をかけて理由を探索した。
 撤回の理由
 1 もともと承認は公有水面埋立法にもとづくものだった。この法律の4条には「1 国土利用上適正且合理的なること」「2 其の埋立が環境保全及び災害防止に付十分配慮せられたるものなること」とある。承認後にマヨネーズ状の土地であることが判明した。その土地の上の基地など環境保全も災害防止にも反している。
 2 承認を与えた仲井眞弘多知事は事前協議など留意事項を付けたのに、いっさい守らず工事を開始し続行している。
 3 これに対し、行政命令を20回も繰り返したのに一顧だにしない。
 4 承認後策定したサンゴやジュゴンなどの環境保全対策の不備から支障を生じた、
 など5点である。

 これに対し、国(沖縄防衛局)は埋立承認撤回の執行停止申し立てと審査請求を行った。
 しかし行政不服を申し立てるのは私人であり、行政不服審査法7条2項の適用除外にあるように「固有の資格」に立つ国の行政機関が請求人になれるはずがない
 行政不服審査法の審査請求の根拠は地方自治法にある。沖縄防衛局は255条の2第一項の所管大臣に請求したが、そもそもここから間違っている。
 故翁長知事は職務代行者を富川盛武副知事に定めていた。ただ埋立承認については謝花喜一郎副知事に権限委任していた。したがって委任していたのだから、審査請求する相手は255条の2一項の国交大臣ではなく255条の2第二項の職務代行者である富川副知事ということになる。
 そこで国交省の執行停止決定は違法なので取消を求め、11月29日に国地方係争処理委員会に申し出た。
 前回の申し出のとき、委員会は審査せず却下した。この委員会は本当は地方自治の砦のはずなので、きちんと審理しろといいたい。
 ● 辺野古土砂反対全国連絡協議会首都圏グループの毛利孝雄さんから
 「辺野古埋立に必要な土砂2100万立法mの75%奄美、九州、瀬戸内海など本土(西日本)から持ち出される計画になっている。しかし特定外来種侵入防止対策についてまだ具体的案が示されていない。環境汚染を防ぎ生物多様性の損失を防ぐためぜひ反対署名(このサイト)に賛同していただきたい」とアピールがあった。
 ●集会の初めに、赤嶺政賢・衆院議員(共産)、本多平直・衆院議員(立民)、日吉雄太・衆院議員(自由)、福島みずほ・参院議員(社民)、藤田幸久参院議員(国民)、伊波洋一参院議員(沖縄の風)、柚木道義・衆院議員(無所属)の5党2会派から辺野古問題へのアピールがあった。

 遠藤仁彦沖縄防衛局次長は国交省からの出向で港湾埋立の専門家であり、つまり防衛省と国交省の合作であること
 琉球セメントはかつては山口県の宇部興産の関連会社で安倍首相との関係が疑われること、土砂搬出の桟橋入口付近にカミソリ刃付き鉄条網を張り巡らせたこと(その後、撤去)など、わたしが知らないことも多くあった。
 カンパ要請で菱山奈帆子さんから「沖縄で闘う人を本土から来た機動隊が排除し、本土の土砂で沖縄の海を埋め立てるとは、本土による、日本政府による沖縄の侵略そのものではないか。本土のわたしたちは絶対に許してはならない」というアピールがあり、そのとおりだと感じた。
 最後に、藤本泰成さんから12月13日18時から市谷の防衛省正門前で抗議行動をするという行動提起があった。
 ☆ 辺野古への攻撃に先立ち、アベ政権は12月8日早朝、入管法改悪を強行採決で成立させた。聴取票の集計ミスから立法事実も説明できず、受入れ業種・人数すべて政令であとから決めると、まるで法案の体をなさないもので、「説明すればするほどボロが出る」からと審議時間を極力短くした産物だった。
 わたくしは11月23日の記事の末尾で20日昼の議員会館前緊急集会に参加したと書いたが、その後も6日昼に参議院の議員面会所受付、7日夜国会に向かった。
 正門前ではちょうど小池晃議員がアピールし、集まった若い人たちは「野党はガンバレ」「国会なめんな、勝手に決めるな」とシュプレヒコールを上げていた。
 裏の議員会館前に行くと、歩道の向かって左にはいつものサヨク勢力、右には日の丸を林立させたウヨクグループが「日本解体阻止」という旗を立てるシュールな光景がみられた。
 安倍は何度か「立法府の長」と言っていたが、単なる言い間違いではなく、本当にそのつもりでいると思えてきた。日本は戦前は天皇主権、戦後憲法からは国民主権だったが、いつからか安倍主権の国になっていた。
 麻生副総理が5年ほど前に「(ワイマール憲法が)だれも気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね」と発言し顰蹙を買ったが、いつのまにか安倍主権の国になっていたようだ。
『多面体F』(2018年12月11日)
https://blog.goo.ne.jp/polyhedron-f/e/567bdfb8a2aedb946f39a096558912b2
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