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公正・中立な教育委員の選任求める陳情、都議会文教委が不採択に

2010年07月04日 | 暴走する都教委
 ◇ 公正・中立な教育委員の選任求める陳情、都議会文教委が不採択に
永野厚男(教育ライター)

 東京都議会文教委員会は5月31日、公正・中立な都教育委員を選任するよう求める市民らの陳情を、自民・民主・公明の各党の反対多数で不採択にした。
 都教育委員会は2001年以来、学校現場の教員の意見を聴取することなく、6名の教育委員の専断で「つくる会」社会科教科書の都立中高一貫校等への採択を強行。2004年以降は"協議・討議"さえなく無記名投票による単純多数決で、同会の教科書採択を決している。
 このため「つくる会」教科書採択を阻止する東京ネットワーク(代表=山田朗・明治大教授)が2月、(1)特定の政治思想に偏らず、公正・中立で、(2)都民や教育関係者の要望・意見に耳を傾けられる人物を、都教育委員に選任するよう求める陳情を提出。
 5月31日の審議で、畔上三和子都議(共産)が「(教科書問題等で)具体的回答を幾度となく求めたが、都教委は請願内容に正対した誠意ある回答をしない」との陳情理由への見解を質すと、都教委の中島毅(つよし)教育政策担当参事は「請願・陳情は事案決定規程で、都教委事務局(主管課長)が『特に重要な事項』と判断したものだけ、教育委員会の会議にかけている」と答弁。
 傍聴者らは閉会後、「都下の区市教委では、請願・陳情を出せぱ、教育委員会の定例会等で必ず審議される。都教委だけが『特に重要な事項』以外は、教育長や部課長の決定で済ませているのは民意の軽視だ」と語っていた。
 また、陳情が「希望者が多い時は傍聴席を増やす」よう求めている点についても、中島参事は「教育委員会室のスペースは限られており、定員20名と傍聴人規則で決まっている。会議の円滑な運営上、20名以上は困難」と、拒否する回答に終始した。
 この点、星ひろ子都議(生活者ネット)は閉会後、傍聴者らに「昭島市教委はつくる会教科書採択を不可とした際、200人入れる市民会館に場所を移して審議した。都教委も融通を利かせるべき」と語った。
 採決で賛成は畔上氏と星氏の2人に留まり、請願は不採択になった。民主党都議らは取材に、陳情内容(1)の「特定の政治思想に偏らず」が、「思想・信条の自由」を謳った憲法上いかがなものか、という理由で賛成に回れなかった、と苦しい胸の内を語った。
 なお、都教委が旧版(01年度)の扶桑社歴史教科書を見て作成した『教科書調査研究資料』を、改訂版の出た後の採択時にもそのまま使っていたことから、ルポライターの鎌田慧さんら市民696人が「採択の再審議」を求めた請願も、都議会文教委は2月19日、同じ構図で不採択にしていた。

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