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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

未完の大作『板橋高校卒業式事件』 〈再掲〉5

2011年10月31日 | 板橋高校卒業式
◎ 未完の大作『板橋高校卒業式事件』 藤田勝久〈再掲〉5

「秋の道庁」 《撮影:佐久間市太郎(北海道白糠定、札幌南定、数学科教員)》

 ★都議・土屋氏の暗躍

 土屋敬之氏は民主党の都議会議員(当時)である。地元、板橋区大山に事務所を構える。地元の都立高校の式典に参列してきた。今回は板橋高校に来た。
 テレビ局TBSは、「日の丸・君が代」問題を追う中で都教委の紹介で板橋高校の取材にやって来た。
 この日の朝、TBSは正門前で土屋議員の来校を待つ。
 「今日も立てと言うんですか」
 「もちろんですよ」

 彼は自信満々インタビューに答えている。かってK高校の時、彼が叱り付けることで生徒が起立したことを「正論」という雑誌のなかで自慢していた。
 その土屋氏が今回はまったく相手にされなかった。推定するに憤懣やるかたなかったのであろう。
 式終了直後の再度のインタビューにこう言っている。
 「立派な卒業式であった。これは、校長先生のお蔭である」
 「(不起立は)教員が仕組んだものである」

 そのあとで土屋氏の暗躍が始まったと推定される。許すべからざる事態であるということである。
 彼は来校後、校長室に通され接待を受けた。
 校長・教頭は遺漏なきよう神経を使ったのだ。
 9時42分頃、式場に向かうべく腰を上げたあたりで、指導主事が飛んできた。
 「体育館で・・・」
 校長は、教頭に先に体育館に向かうべく指示した。

 3月中旬は私の電話に校長が応じていた。
 「なんで校長が体育館にすぐ行かなかったの」
 「私は来賓を案内する係りですから」

 と校長は答えた。
 土屋氏で頭が一杯であったのであろう。

 彼、土屋氏が体育館に案内されて入ると、保護者席の前で何やら話している男がいる。
 その男に教頭が近寄って行った。何事かである。
 彼は来賓席に着いた後、直ちに携帯を握り締めその方へ近づき写真を撮った。
 校長が「退去せよ」と言い、その男は「来賓を何で追い出すんだ」と言いつつ出て行った。
 そのあとである。
 卒業生が「国歌斉唱」の式次第の中で大半が座ってしまった出来事は。
 彼の認識ではこれは犯罪である。仕組んだ者、あの出て行った男、徹底して摘発せねばならない。
 ここからは私の推定である。
 彼は精力的に状況を聞き出した。校長、教頭、指導主事に対してである。
 ここで彼の入場前に「サんデー毎日」1ページ分が配布されていたことを知る。都立高校卒業式の「寒々とした光景」との見出しが入った都教委に対する批判的記事である。
 「あの野郎は許せない」こう思ったのであろう。
 「何故、配布を止められなかったのか」との疑問が生じる。
 そこで誰のシナリオなのか、今もって推定つきかねるが、「制止にもかかわらず、ビラを配布し」という虚構が作られていく。
 実際は、実に静粛の間にこのコピー配布は完了してしまったのであるが。

 だいたい何人もの指導主事が派遣されているのだ。「制止」があったら、配布も出来ないし、そのあとの2分程度の説明も出来るわけないではないか。
 あきれ返った、馬鹿馬鹿しい事件の捏造である。
 ところがこれが世間に流布されていくのだから世の中は恐ろしい。

 彼は直ぐに板橋警察に通報したものと思われる。
 新聞記者によると、その日のうちに警察から学校に電話が入ったという。
 「何かあったんですか」
 都議・土屋氏は、卒業式前に来賓が不当にも退去させられたというハプニングを犯罪に仕立て上げた。これが私の推理である。
 彼は議会で、「警察・消防委員会」に所属していたのではなかったか。
 警察は、自分の手足とでも思っているのであろう。

 次に彼がやったと推定されるのが、新聞である。
 言うまでもなく、「産経」である。懇意な産経記者に通報したのである。産経は直ちに校長・北爪幸夫氏に電話を入れている。
 今回、事件ならざる事件に巻き込まれて色々調べてみた。
 驚いたことは沢山あるが、その一つが「取材報告書」である。
 これは後のページで詳しく紹介したいが、マスコミが都教委の役人、都立の学校の校長などに電話取材するとする。
 その会話内容がすべて記録されて都教委の一部署に保管されている。
 情報公開によって一般市民が取れるのである。

 「産経」は、これまた驚くべきことに翌朝、「卒業式撹乱」なる4段見出しのでっち上げ記事を出した。
 校長の説明なんぞすっ飛ばしての記事内容である。
 「教職員の制止にもかかわらずビラを配布し・・・」となっている。
 すべて土屋氏の説明なのであろう。
 第一、「卒業式撹乱」はないだろう。
 卒業式が始まったときには、私はもう川越街道を車で走っているのだから

 「産経」の記者の方に言いたい。
 何で出稿する前に本人宛に電話を寄越さないのだ。
 警察や検察やそれに繋がる議員などの情報をまったく検証することなく紙面に載せる。
 これじゃ、新聞でなく権力の広報紙ではないか。
 これにはほんとに驚いた。

 土屋氏は、都教委にも当然に連絡する。
 出向いて打ち合わせをする。
 その結果が5日後の都議会予算特別委員会での質問者・土屋、答弁者・横山教育長の出来レースである。
 インチキ芝居である。
 誣告事件である。

 (続)

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