《リベルテから》
★ 生徒たちを苦しめるブラック校則
こんなこともありました(片山むぎほさんのFB投稿より)
最近、ブラック校則が話題になっていますが、このような話を片山むぎほさんがフェイスブックに書いています。承諾をいただいて転載します。
生徒の立場で考える教師がいることで、生徒や保護者が救われることもありますね。
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私の教員時代に、嫌な苦い、でも笑われるような思い出があります。
その頃は、結構自由であった都立高校でも、商業高校は、「就職していく生徒の揚合には、厳しい指導が必要なのだ。社会に出れば厳しいのだから」という見解?信念?を持った教員が生徒指導部にいて、生徒に嫌われても、それに負けず、生徒に厳しく指導するのが、自分の任務だと思い込んでいるような若手の教員もいました。
ある時、その教員が、私が担任をしている生徒(男子)が指定されている黒か紺以外の色のコートを着ていたということで、そのコート(ベージュ色のダッフルコート)を取り上げてしまったのです。
校則違反だというと議論にもならず、仕方ないので、うちに帰って、夫のコートを着せて帰しました。(その時は、たまたま自宅に近い学校に勤務していましたので、そういう時には便利)
翌日、その子の保護者が、「校長先生にお会いしてお話をしたい」と来校されました。その時の校長は、酷かったんですよ。
「そういうことは、まず担任から保護者に校則について説明してください」
「保護の方は、校長先生にお会いしたいと言っているんですよ。私が勝手に言いたいことを言ってもいいんですか」
という問答の末、人柄の良い生徒指導部長が、「若い一本気の教員が行き過ぎたことをして申し訳ありませんでした」と謝りました。
保護者の方の言い分は、「経済的に苦しいので、教会のバザーで手に入れたコートを着せて登校させました。どうしてそれがいけないのですか」ということでした。「帰宅後、息子の気持ちがとても荒れているので、心配になり、このままではいけないと思って、お話に伺ったのです」
しっかりした保護者で、該当の生徒は、とても『よい子』だったので、他に注意すべきこともなく、「このコートで結構です」と認めて、保護者にお帰り頂いたという経過でした。
その後、彼はグレーのコートを着て登校して巻ました。
「あれ?グレーのコートも持っていたの?」と聞いたら、「これも、教会でもらったんです。こちらの方が派手に見えないからいいんじゃないかって、選んでくれました」完壁な回答でした。
それ以上、彼を咎める教員はいませんでした。なんだか、笑い話のようだと思われる方もいるかもしれませんが、これが実態でした。
『東京・教育の自由裁判をすすめる会ニュース リベルテ 第70号』(2023年4月27日)
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