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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

トヨタにとって「消費税」とは、納める税金(0円)ではなく、いただく税金(2500億円)

2016年01月21日 | 格差社会
 ◆ ヘンな輸出還付金~消費税とは、還付金のためにある
   消費税とトヨタ
(週刊新社会【講演】)
湖東 京至さん(元静岡大学教授・税理士)


 あまり知られていませんが、付加価値税を最初に考え出したのは日本です。1950年のシャウプ勧告は、事業税に代えて付加価値税の導入を提唱しました。その法律がいったんは国会で成立したのですが、事業者の強い反対で一度も実施されることなくお蔵入りしました。
 その後は付加価値税という名は付けられず、中曽根売上税から今の消費税になりました。日本には消費税を悪い税として葬った歴史があるのです。
 ところが、1954年にフランスが同じ付加価値税を間接税として導入しました。間接税でなければならないのにはある秘密がありました。
 当時、ガット協定があって、直接税では輸出還付金が取れないので、間接税と定義づけたのです。
 直接税なのに間接税に区分し、ガット協定に違反していないとして輸出業者に還付税を与えました。
 消費税で最も恐ろしい仕組みはこの輸出還付金なのです。

 消費税が8%になって、トヨタなど輸出企業の還付金はいくら増えたでしょうか(表)。
 実はトヨタなどは消費税を一度も納めたことがありません。むしろ、税務署から毎月払い込みがあります。
 税率5%の時、トヨタの還付金は1402億円、それが8%になり15年に2594億円になりました。
 毎月、豊田税務署(愛知県)から約200億円がトヨタの口座に振り込まれています。
 トヨタなどの企業にとって消費税は納める税金ではなく、ありがたくいただく税金なのです。このヘンな仕組みはこうです。
 例えばトヨタは年間売上高が11兆2094億円、そのうち大雑把にみて国内の売上高3兆500億円、輸出7兆5000億円、仕入高は年間6兆7425億円。
 還付金は、年間売上高(国内)×8%=288億円から年間仕入高×8%=5394億円を差し引いた2594億円と計算されます。
 輸出海外の客から消費税をもらっていないという理由でゼロ%を掛けて計算に入りません。何とも狐につままれるような仕組みです。
 消費税はこの還付金のためにあるといっても過言でばありません。

 よくトヨタは下請けに消費税を払っていると言いますが、一度も払っていません
 それどころか税務署から還付金を受けとっています。そのため、豊田税務署は1441億円の赤字です。それに利息が付くので、毎月の不足分に法人税を充てるなどして必死で還しています。
 年末調整は自分たちが納めたものが還るだけですが、トヨタは下謂けに払っていることにして税務署を介して還してもらっているのです。これは単なる横領です。
 経団連は税率をヨーロッパ並みの19%にしろと要望していますが、いわば「横領を増やせ」と言っているのです。
 ですから、消費税が10%に上がれば還付金も増えます
 消費者にとっては、バスや電車などの独占価格が上がり負担が増えます。一部の大企業にとつて、消費税増税は還付金が増えて実にありがたい税金なのです。
『週刊新社会』(2016年1月19日)

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