2005年4月18日
東京都教育委員会
横山 洋吉 教育長殿
「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会
共同代表 清川 久基
星野 直之
申 入 書
貴殿が4月6日付で日本放送協会(NHK)に対して提出、同時にホームページ上に公開された「3月28日放映の『クローズアップ現代』に対する申入れについて」(以下「3月28日付申入れ」と称す)なる書面に関し、以下の事由により、当該文書およびその文書の貴委員会ホームページへの掲載は不適切であったと思われるため、同文書の撤回と、ホームページへの掲載中止を即座に行うことを申し入れます。
なお、以上の申入れに応じない場合には、本年4月22日までに本申入れに対する釈明を下記連絡先に送付するか、貴委員会ホームページに本申入書とともに掲載することを求めます。
1.NHK報道に対する行政による報道弾圧に抗議する。
NHKは公共放送といえども報道機関であって、広報機関ではない。正当な手続きを経た取材を通して明らかになった事実をいかように報道するかは、NHKの自由である。
そもそも番組制作にあたり、事実の捏造や映像・音声の加工が本人への了承もなく行われたとすれば、抗議や謝罪要求の対象となるが、貴委員会の「意に沿わない」「話が違う」というレベルの抗議は、社会的常識の欠如を露呈していると考えざるを得ない。
以上から、「3月28日付申入れ」は放映された番組が自らの意図(希望)に沿わない編集・内容であったために、記者クラブ体制の維持を許可する行政の立場を利して「遺憾の意の表明」による報道圧力を加えたものと捉えざるをえない。
よって貴殿の申入れ行為は、こうした「報道の自由」ないしは「表現の自由」に対する侵害にあたる恐れがあり、その行為に抗議するとともに、猛省を促すものである。
2.東京都教育委員会ホームページの「私物化」に抗議する。
貴委員会ホームページに掲載された「3月28日付申入れ」は、横山洋吉教育長名で出されたものではない。当方の問い合わせに対する担当部局(教育情報課)の説明(本年4月8日)によれば、教育委員会における審議を経たものでもない。また、都民等による問い合わせに対する「回答」という位置付けがなされているわけでもないことも明らかになっている。
教育委員会が対外的に提出、公表する文書・声明等は、特に他者を批判する内容を含むものであれば、貴委員会内での慎重な検討を経て、その議論経過や責任の所在を明らかにした形にすることが都民に対する責務であるのに、「3月28日付申入れ」は以上の経過からすれば、担当者が単なる不満の表明のために、その文書の内容・意義について慎重な検討をすることもなく、貴委員会の名を借りて拙速に作成、掲載したものと考えざるをえない。
このような身勝手な行為を許容することは、公金によって運営されるホームページの私物化に相当し、公務員の信用を失墜するおそれがある。よって、この件に関し、抗議する。
3.「番組内容について」の記述に異議がある。
「3月28日付申入れ」の「2 番組内容について」において、「当初の取材申出の趣旨である「学校の実態はどうなっているのか。なぜ、適正化を図らなければならなかったか。」まで踏み込んだ内容になっているとはとうてい言えず、結果として「強制」をめぐっての都教育委員会と学校現場の教員との対立という印象を与える番組とした」などと、独自の見解を述べているが、「学校の実態はどうなっているのか。」は深川高校の事例に限定されながらも事実に基づいて報道されており、「なぜ、適正化を図らなければならなかったか。」については、横山教育長自らが質問に答えており、いわば一方的な主張の展開すら可能である場が与えられるという破格の扱いになっていたのである。にもかかわらず、そこが不十分、不本意であるとするならば、それは横山教育長自身の責任の問題であると考えるべきであり、番組製作者を責めるのは筋違いである。
また「反対する側の複数の教員の声を放映するなど、双方の主張を紹介しようとする姿勢は一定程度見られる。」との記述があるが、この番組では話題の焦点である「処分」を受けた教職員は扱われておらず、「学校現場の教員との対立」を描くには、むしろ不十分な内容であったと捉えざるを得ない。
しかし「3月28日付申入れ」は、「結果として「強制」をめぐっての都教育委員会と学校現場の教員との対立という印象を与える番組とした」であるとの見解を示し、「遺憾」の意を表明している。
番組に対しいかなる個人的見解を持とうと自由であるが、この番組に対する評価は多様であるにもかかわらず、貴委員会名でこのような偏狭な見解を「公式見解」であるかのように表明することは大変に問題がある。今回の行為は、一般の視聴者が番組制作者に対して「ご意見・ご希望」を寄せる行為とは明らかに異なることを、明確に自覚すべきである。
以 上
(参考:都教委ホームページ)
東京都教育委員会
横山 洋吉 教育長殿
「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会
共同代表 清川 久基
星野 直之
申 入 書
貴殿が4月6日付で日本放送協会(NHK)に対して提出、同時にホームページ上に公開された「3月28日放映の『クローズアップ現代』に対する申入れについて」(以下「3月28日付申入れ」と称す)なる書面に関し、以下の事由により、当該文書およびその文書の貴委員会ホームページへの掲載は不適切であったと思われるため、同文書の撤回と、ホームページへの掲載中止を即座に行うことを申し入れます。
なお、以上の申入れに応じない場合には、本年4月22日までに本申入れに対する釈明を下記連絡先に送付するか、貴委員会ホームページに本申入書とともに掲載することを求めます。
1.NHK報道に対する行政による報道弾圧に抗議する。
NHKは公共放送といえども報道機関であって、広報機関ではない。正当な手続きを経た取材を通して明らかになった事実をいかように報道するかは、NHKの自由である。
そもそも番組制作にあたり、事実の捏造や映像・音声の加工が本人への了承もなく行われたとすれば、抗議や謝罪要求の対象となるが、貴委員会の「意に沿わない」「話が違う」というレベルの抗議は、社会的常識の欠如を露呈していると考えざるを得ない。
以上から、「3月28日付申入れ」は放映された番組が自らの意図(希望)に沿わない編集・内容であったために、記者クラブ体制の維持を許可する行政の立場を利して「遺憾の意の表明」による報道圧力を加えたものと捉えざるをえない。
よって貴殿の申入れ行為は、こうした「報道の自由」ないしは「表現の自由」に対する侵害にあたる恐れがあり、その行為に抗議するとともに、猛省を促すものである。
2.東京都教育委員会ホームページの「私物化」に抗議する。
貴委員会ホームページに掲載された「3月28日付申入れ」は、横山洋吉教育長名で出されたものではない。当方の問い合わせに対する担当部局(教育情報課)の説明(本年4月8日)によれば、教育委員会における審議を経たものでもない。また、都民等による問い合わせに対する「回答」という位置付けがなされているわけでもないことも明らかになっている。
教育委員会が対外的に提出、公表する文書・声明等は、特に他者を批判する内容を含むものであれば、貴委員会内での慎重な検討を経て、その議論経過や責任の所在を明らかにした形にすることが都民に対する責務であるのに、「3月28日付申入れ」は以上の経過からすれば、担当者が単なる不満の表明のために、その文書の内容・意義について慎重な検討をすることもなく、貴委員会の名を借りて拙速に作成、掲載したものと考えざるをえない。
このような身勝手な行為を許容することは、公金によって運営されるホームページの私物化に相当し、公務員の信用を失墜するおそれがある。よって、この件に関し、抗議する。
3.「番組内容について」の記述に異議がある。
「3月28日付申入れ」の「2 番組内容について」において、「当初の取材申出の趣旨である「学校の実態はどうなっているのか。なぜ、適正化を図らなければならなかったか。」まで踏み込んだ内容になっているとはとうてい言えず、結果として「強制」をめぐっての都教育委員会と学校現場の教員との対立という印象を与える番組とした」などと、独自の見解を述べているが、「学校の実態はどうなっているのか。」は深川高校の事例に限定されながらも事実に基づいて報道されており、「なぜ、適正化を図らなければならなかったか。」については、横山教育長自らが質問に答えており、いわば一方的な主張の展開すら可能である場が与えられるという破格の扱いになっていたのである。にもかかわらず、そこが不十分、不本意であるとするならば、それは横山教育長自身の責任の問題であると考えるべきであり、番組製作者を責めるのは筋違いである。
また「反対する側の複数の教員の声を放映するなど、双方の主張を紹介しようとする姿勢は一定程度見られる。」との記述があるが、この番組では話題の焦点である「処分」を受けた教職員は扱われておらず、「学校現場の教員との対立」を描くには、むしろ不十分な内容であったと捉えざるを得ない。
しかし「3月28日付申入れ」は、「結果として「強制」をめぐっての都教育委員会と学校現場の教員との対立という印象を与える番組とした」であるとの見解を示し、「遺憾」の意を表明している。
番組に対しいかなる個人的見解を持とうと自由であるが、この番組に対する評価は多様であるにもかかわらず、貴委員会名でこのような偏狭な見解を「公式見解」であるかのように表明することは大変に問題がある。今回の行為は、一般の視聴者が番組制作者に対して「ご意見・ご希望」を寄せる行為とは明らかに異なることを、明確に自覚すべきである。
以 上
(参考:都教委ホームページ)
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