2020.11.19
◎ 要 請 書
東京都教育委員会
教育長 藤田裕司 様
河原井さん・根津さんらの「君が代」解雇をさせない会
今春のコロナ禍の中での卒業式は「君が代」斉唱に象徴されるように、人ひとりの命よりも国家が大事というものであった。病弱な子どもが在籍する特別支援学校にまで、「君が代」斉唱を指示するとは、何としたことでしょう!その判断ができなかった藤田教育長には引責辞任をしてもらいたいものです。また、その判断に対して事務方も教育委員も一切の反論・異論はしなかったのでしょう。教育委員会定例会で、そうした発言はなかったのですから。
日本学術会議は、科学者が戦争に加担してしまったことへの反省から戦争協力をしないことを大きな任務として発足し、今日にいたります。この度、6名を任命拒否した菅首相の行為は、都教委が行った「君が代」斉唱指示と同一線上の暴挙です。
政治や行政が最も大事にしなければならないはずの人々の命・人権を軽んじ、国家のために命を差し出すことを人々に強要し、あるいは刷り込む。憲法違反も甚だしいことです。
こうした状況下で当会は、子どもたちの人権。自己決定権を保障する教育にすべく、質問と要請をします。
◎ 質 問
1.今春の卒業式に向けて都教委は都立校及び各地教委に、2月28日午前に「卒業式における国旗・国歌に関する調査の実施について」を通知し、同日午後に「国旗掲揚の下に、体育館で実施する。」『国歌斉唱を行う。』という方針に変更はありません」と記した「『卒業式における国旗・国歌に関する調査の実施について』の趣旨等について」を送り、結果、都立校は全校が「君が代」斉唱を行いました。◎ 要 請①午後の通知は、高校の校長及び世田谷・杉並区、府中市の各教委から三密を避けるために「君が代」斉唱を実施しなくていいかとの問い合わせがあったことによるものですか。午後の通知を出した理由を明らかにしてください。2.来夏のオリンピックで子どもたちに観戦させるか否かについて、現時点でどのように考えているかを明らかにしてください。
②午前の通知は、コロナ感染防止対策として「各教室で放送等を活用して式を実施」することも可能としていますが、午後のそれは、体育館で「君が代」斉唱をするよう指示しています。この数時間の中でどのような論議が行われたのかを明らかにしてください。
③三密を避けるために「君が代」斉唱はしない、という意見は指導部や教育委員からは出たのか否か、明らかにしてください。
④4月1日付け「都立学校の休業の措置等について(通知)」は入学式に関して、「国歌斉唱を含め歌の斉唱は行わない」と記しています。卒業式では「君が代」斉唱を指示し、全都立校がそれに従わされたなか、わずか10日後に真逆の指示をしたのはなぜですか。ここでの論議についても明らかにしてください。感染拡大予測は2~3月の時点で広報されていたことで、4月1日時点で新たに分かったことではありません。
⑤今年度の卒業式ではどういう方針を持っているのか、あるいはどういう論議過程にあるのか、明らかにしてください。
3.文科省・経産省・総務省の方針を受け、都教委もGIGAスクール構想・ICT教育を進めていますが、電磁波過敏症の子どもは学校に通えなくなる事態に陥る危険性があります。それを承知で、GIGAスクール構想・ICT教育を進めるのですか。
1.10・23通達を撤回し、卒業式・入学式での「日の丸」の掲揚・「君が代」斉唱をやめること。先の侵略戦争で「日の丸・君が代」が果たした歴史的事実について、指導すること。
そもそも学習指導要領に「日の丸」の掲揚・「君が代」斉唱を「指導するものとする」と記したこと自体が、先の侵略戦争推進のために教育が加担したことに対する反省を忘却したものです。
しかし、その学習指導要領にも、10・23通達(=「君が代」不起立・不伴奏教員処分)を正当化する文面はないことを、都教委は認識すべきです。
2.オリンピック・パラリンピック教育を中止し、来夏のオリンピックに子どもたちを動員しないこと。
3.GIGAスクール構想・ICT教育の是非について検証すること。ここにかけるお金は、少人数学級促進に回すべきです。
以上
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