9/23にSERN(欧州原子核研究機構)でこの件に関するセミナーが行われ、詳細が報告されている。http://journal.mycom.co.jp/articles/2011/09/25/neutrino/index.html
ニュートリノ検出器:OPERAはイタリアの山中深くに設置されているので、トンネル入り口をGPSで確定してレーザー測長で検出位置を出したらしい。発生器からの距離は731278.0+-0.2m、時間タイミングはGPS時間をセシウム原子時計で補正して2.3+-0.9nSの精度を確保している。
ただ、私が素人意見として、問題がありそうだと思うのは下記の点です。
”送出されるニュートリノの数やタイミングは直接には測定することはできないので、元になる陽子ビームの波形をBCT(Beam Current Transformer)で取り出してタイムスタンプを付けてデジタルレコーダに記憶する。そして、OPERAでニュートリノを検出した時刻と数と比較する。”
つまり、送出側のタイミングは直接計測していない事になる。また、以下の事実もある。
”小柴先生のノーベル賞となったニュートリノ検出が行われた超新星1987Aは16万8000光年の距離にあり、今回の測定の光とニュートリノの速度比率が正しいとすると、光の方がニュートリノより約4年遅れて届く計算となるが、実際はほぼ同時に届いており、今回の結果とは矛盾する。ただし、この時のニュートリノは10MeV程度と低エネルギーであり、17GeVと同じ速度とは断言できない。”
ここではエネルギーによる差を言及しているが、CERN自身は17GeVと28.1GeVでの差は無かったと言っており矛盾する。
とっぴな仮説だが、陽子衝突の60ns前にニュートリノが発生したとは考えられないのだろうか? これでは、結果が原因に先行することになり因果律を壊すことにはなるが、これであれば小柴データとは矛盾しない。
何れにせよ、日本にもスーパーカミオカンデがあるので筑波からニュートリノを飛ばせば同様の実験は出来る(基線250km)。基線を変えて60ns差が変わらなければ上記仮説が有力に為る。