ブータンに来て観光の話題ばかりで納税者の皆さんから白い目で見られるとまずいので、そろそろボランティア関連の事を書きます。
先日ティンプーにある、王立ブータン大学事務局へ表敬訪問を行いました。その際に立派な冊子を頂いたのでその内容から紹介します。
実は王立ブータン大学と言うものは実在せず、ブータン全土に分散した10のカレッジを総称してそう呼んでいます。この組織は独立行政法人の様なもので、どの省庁にも所属せず、学長は現国王となっています。
現在の総学生数は5641名で、最も人数が多いのはパロにある教育大学で1182名。教育関係ではシムトカにも教育大学があり991名いますので全体の1/3強が教員養成に当てられています。総合大学としては、ブータンの東の果てタシガンにある、シェルブツェ大学(979名)があり、ここがブータンの東大です。ところで、最高学府を首都ティンプーではなく東の果てに設置したり、私の赴任するCSTをインド国境の町に設置しているのは日本人の目からはヤヤ奇異に写ります。この件をRIMのブータン人に聞いたところ、政府・国王の分散化政策に基くものだとの説明でした。これはティンプーに一極集中することを防ぐという、ブータン人の知恵の表れだとも言えます。
さて、私が赴任するCST(College of Science & Technology)は学生数384名と少ないですが、ブータンで唯一の理工学系大学です。CSTには現在、土木科、電気科、電子通信科の3科があり将来的にはIT科、建築科、水力科(修士課程)を増設したい考えのようです。機械科が無いのが腑に落ちませんが、これはブータン人の3K嫌いと関係しているのでしょうか?
何れにせよ、来週24日にCSTに赴任して講義を担当することになりますが、前期は11月18日から冬休みに入るので、実際の所は行って見ないと判りません。