がんばった

発表会には、いつもより少し難しめの曲を渡す。
長い期間練習することになるから、
それぞれが深く掘り下げられるものを選び、練習していく。

が、中々譜読みに腰の上がらなかった数名の生徒たち。
レッスンで私に読んでもらおう…とばかりに何もしてこなかった。

普段から譜読みの手伝いを、私はする方ではない。
自分の力で読める教材を渡しているつもり。
発表会の曲に関しては、少々のお手伝いはする。

少々。

そう、あくまで少々です。

が、丸投げ。

年が明けて晴れ晴れとした気持ちでレッスン…なはずなのに、
今年は数名の生徒に説教…してしまった。

「がんばったけど分からなかった、できなかったというのと、
何にもして来ないというのは違うんだよ。
準備がしっかりできていなくて発表会で失敗…、
先生は困らないからね。
それも、いい意味で勉強だから。
やるかやらないか、
それはあなた次第！！」

とある種突き放したような物言い。

普段の練習に関して、
たぶん私はあまりうるさい方ではないだろう。
ただ、本番に向けて距離感がつかめずエンジンのかからない生徒たちに
ハッパを掛けていくのは私の仕事…かな？

ハッパをかける意味での説教…だったつもり。

そしたら今週、
先週説教された子たちがみんな、
すごい勢いで弾いてきた。
殆ど譜読みをしていなかった子でさえ、最後まで弾いてきた。

オイオイ普段からこうしてくれると、
私も一週間、心を痛めて過ごすなんてしなくて済んだのに。。。

でも、発表会まではまだあと2カ月弱。

よく読んできたことは認めるけれど、
仕上げにまで至っているわけではない。

総じてこうした子たち、気力がアップダウンしがち。

心の中で
「こんなに弾いてきてくれてすごく感動したよ、
目一杯褒めてあげたい…ケド、ごめんね、今は褒めないよ」
とつぶやきつつ、

「頑張ったのは認めるけど、まだまだだよ」

とまた、突き落としてしまった。

褒めるのはもうちょっと先にしよう。
だから、こんなところで褒めておく…