何となくなチャラ弾きの印象が強かったRちゃん。
歌い方、歌わせ方が分からなかったらしいと気づき、
声のかけ方を変え、
提案の仕方も変え、
試行錯誤。
「こうやるんだよ」
と私が弾いてしまうと、
モノマネをするのは得意なRちゃんなので、
それはずっと避けた。
Rちゃん自身から
音楽を感じ表現できるようになってほしかったから。
前回のレッスンで、
いいきっかけ、取っ掛かりを提示できて、
ちょっといい感じに歌い始めていた。
これが一週間練習したらどうなるか、
元のチャラ弾きに戻る覚悟もしつつ、
楽しみにしていた。
…の矢先、
急遽お休みの連絡。
残念。
2週間、一人で練習したら、
チャラ弾きに戻る確率は
格段に上がる。
…の心配のなか、
2週間ぶりのRちゃん。
すごいのです。
感動したのです。
Rちゃんらしい、
表現、音。
チャラ弾きでなくなっていた。
完全にRちゃんが音楽になっていた。
すごーい!!!
ちゃんと音楽と向き合ってくれたことが分かる。
本当に素敵な演奏。
いやぁ~、
本当に、
しみじみと、
うれしい…。
「海苔と卵と朝めし」向田邦子
多分、この人のエッセイを読んだのは初めて。
…多分。
小説は、何かは読んでいると思うのだけれど、
エッセイ、これはすごくいい!
オモシロイ!
何しろ文体が小気味よく気持ちいいし、
主義趣向、
好きだ。
こんなに読みやすい文章。
そして気持ちの表現がしっくり、ぴったり。
食べ物のことを書いたエッセイなのだけれど、
好きな食べ物に思い出がついてきて
どうしてそれがいいのか、
どんな風にいいのか、
その言葉の使い方がいい。
家族との温かい繋がりがいい。
食べることへの愛着感がいい。
例えば
「お芋のふかしたの」のおやつの話で
「『おいらん』が好き。薄くてうす赤い皮。
紫色を帯びたねっとりとした白。細身の甘い『おいらん』は
その名の通り女らしくやさしいお芋」
「『金時』は大振りで、黄金色にぽっくり」
「『農林一号』は名前もつまらないが、お芋自体も水っぽく」
とか。
「七色とうがらしの中の麻の実が好き」で、
「七色とうがらしを振ったおみおつけを頂いていて、
プツンと麻の実を噛み当てると…」
とか、感情がこれだけで伝わってくる。
(抜粋なので、伝わらないかぁ…(;^_^A)
何しろ、愛情がたっぷり、なのだ。
食べることが好き。
と書くと、食いしん坊の大食いなイメージがあるけれど、
彼女の「食べること」は、
大事な食材や食べ方の一つ一つに
食べた時の幸せな気持ちが詰まっていて、
読んでいるこちらも幸せな気持ちになる。
「食べる」ということを大事にしよう
と思わされる。
この本で彼女は、
「食」というものに飽くなき探求心を持つ姿勢を崩さない。
何でもいい、ガツガツと、
でないところがいい。
好きなものを自分流に大事にする。
すごく素敵。
「ピンポン鳴らす前に
月を見ていたんですけど…」
と挨拶そっちのけで
Sくんがレッスン室に入ってきた(笑)
Sくんのレッスンの時間帯は
すでにお月様が出ている。
男の子。
空を見上げて
「月がきれいだなぁ」
とか思うんだなぁ。。。
とロマンチックな想像をしてしまったけれど、
「まん丸じゃないから、
満月ではないと思うんですよ。
満月はいつだろうって考えていて、
計算の仕方があったはずなのに、
それが思い出せないんですよ。」
とSくん。
爆笑だよ。
ズッコケた(笑)
めっちゃ現実的な
月の眺め方してたのね。。。
お家で我が子がピアノの練習をしていると、
ついつい口を出したくなってしまうお家の人の気持ち、
すごく分かる。
でも、
できるだけ「我慢してください(笑)」
とお願いしている。
リズムの間違いや、
音の間違い。
それらを「違う、こうだよ」
と言って教えてしまうのは簡単。
でも、せっかく間違えているのだから、
そこから「考えて」「導き出す」。
自分の力で前に進んでほしいと思う。
教え込む、のではなく、
一緒に考える。
考える道筋を一緒に歩く。
一人になっても歩けるように。
宿題の曲の合格に囚われるのでなく、
目の前の課題にどう向き合うか。
ノーミスで弾けるように「させる」のではなく、
「そのためにどうするか」を
「考えられる人に」。
本の進みは確かにゆっくりになってしまうかもしれない。
でも。
進むことより、
どう歩いたかを大切にしたい。
ほんの小さな一歩を大切にしたい。
その積み重ねが必ず
強固な支えとなる。
だから、
「お家で教え込まないでください」
とお願いしています。
「こんにちは」
と笑顔を見せてくれるKちゃん。
「よろしくお願いします」
と言って、本を渡しレッスンスタート。
挨拶もさることながら、
小学校に上がり
運動会の練習も始まり、
体力的にも苦しい時期かも知れないのに、
ピアノの練習ペースも崩れない。
「大変じゃない?」
と聞いても
「学校楽しいよ」と笑顔。
新一年生なのに、
すごい体力。
と、ポジティブさ。
すごいなぁ〜。