あらら

とある曲を弾くと、と～ってもいい演奏をするＡくん。
そして別のとある曲を弾くと、何故かちゃらんぽらんに演奏するＡくん。
気分とノリで演奏が随分違うのだ。

そんなＡくん。
レッスン中も「音を聴く、大事に弾く」と重ねて言っても
ちゃらんぽらんは変わらない。

「そんな弾き方でお家で練習していたら、
その演奏を聞き続けるお母さんに、もう聞きたくない！
って言われちゃうよ」

と言ったら、

「もうそれは言われたよ」

って。

「そう。やっぱりあんな風に弾き続けたら
ずっと聞くのが辛くなっちゃうよね。
楽譜を閉じて、もう弾かなくていい！って言われたら
哀しいよね」

と言ったら、

「それももう言われたよ」

…ですって。

それって、とってもとってもと～っても哀しいじゃないですかぁ！
「Ａくんは心を込めて弾いている時、本当に本当にいい演奏をしてるんだよ」

と言うと、

「じゃぁ、何分練習すればいいの？」

と逆に聞かれる。

「量ではない。時間どれくらい、じゃなくて中味だよ」
と言うと、一瞬Ａくんの表情が固まった。
ちょっと考えた感じだったので、この日のレッスンはここでおしまい。
さて今週はお家でどんな練習をしているかなぁ。。。

大人…？

宿題の曲がとっても上手に弾けていたので、
最後に「一緒に弾こう！」…連弾しようと声をかけた。

Ｈちゃんは、私の演奏するパートに合わせて
とっても上手に演奏してくれた。

で、演奏が終わった瞬間、

「こんな小さな難しそうな楽譜（伴奏パートのこと）を
よく弾けますね」

と小さなＨちゃんに褒められてしまった。
嬉しくて、つい何となく笑ってもらおうと
「すごいでしょ！」と偉そうに言ったら、

「そこ、自慢しちゃうの？」

と突っ込まれた。

エヘヘ（笑）

こんなＨちゃんの大人な冷静さが結構好きなんだなぁ～。

ミシェル・ダルベルト

ミシェル・ダルベルトのピアノリサイタルへ行って来た。

彼の持つ音楽の強さに心打たれた。
そして彼のピアノから出る音色の豊さと心地よさに涙した。

歌い方が美しいとか、音が美しいとか、
そんな次元では全くなくて、
彼の作り出す音の世界にただひたすら漂い、
心を奪われる時間だった。

リサイタルから数日経つけれど、
まだ耳の奥に彼の奏でた音符たちが心地よく鳴っている。

彼の選んだピアノはファツィオリというイタリアのピアノ。
目下、私を虜にしているピアノでもある。
煌びやかな、時に華やか過ぎる音を出す楽器…のはずなのに、
陰鬱な世界や霞のかかった世界をも彼は表現する。
ファツィオリはこんなにも多彩な表現に応えてくれるピアノだったんだ、
と再確認。
すごい！すごい！すごい！


足を運ぶことができて、本当によかった。

大人会

１１月３日午前に都内スタジオで大人会を開きます。
今回はバッハの作品を中心とした弾き合い会で、
バッハを勉強するＡくん、Ｍちゃんも参加してくれます。

お席があと数席残っています。
聴いてみたいな、と言う方。
是非、石澤まで声をお掛けください。


プログラム
John Lennon　 Let it Be
Chopin　　　　Waltz No.14
張朝　　　　　茉莉花、康定情歌、景頗山歌、哈尼情歌
Scriabin　　　Prelude Op.11-1
Bach　　　　 Choral Ich ruf' zu dir, Herr
Bach　　　　 Invention　E-Dur
Bach　　　　 Invention　C-Dur、a-moll
Bach　　　　 Invention　Es-Dur、A-Dur
Bach　　　　 Invention　E-Dur
Bach　　　　 Sinfonia　D-dur
Bach　　　　 Invention　F-Dur
Bach　　　　 平均律第1巻 d-moll
Bach　　　　 平均律第1巻 C-DurよりPrelude、a-mollよりPrelude
Bach　　　　 Partita Nr. 5よりCorrent
Bach　　　　 Partita Nr. 1

宿題？！

レッスンが進むにつれ、何故かハイテンションになってしまうＪちゃん。
でも、ピアノに対する真剣さは誰にも負けない。
そして、色々な難しいことに挑戦する気持ちもしっかりある。

そんなＪちゃんのレッスン中。

その日の宿題は合格したせいか、
Ｊちゃんはイケイケモード。

じゃぁ次の曲…

と私が話をしようとしたとたん、

「この曲、弾けそう！弾いてみる！弾けたら宿題にしなくていいです！」

と元気に言った。

で、初見演奏をしてもらうと、
確かに初見にしてはきちんと弾いている。
でも何と言うか、あと少しな感じがして、

「宿題ね」とか言っちゃったら、Ｊちゃん気を悪くしないかしら？
でも合格するにはあとちょっとだしな…
Ｊちゃんの気持ちや勢いを大事にしてあげたいしな…
どうしようかな…

などと色々と考え巡らせながら演奏を聴いていた。

で、演奏が終わった瞬間、

「はい、やっぱり無理でした。これ宿題にしてください」

って（笑）

私の心配を簡単に払拭してくれた。

ただ合格がもらえればいいや、と弾くのではなく、
流れを大切にすることや、その曲の性格を理解して弾く。
Ｊちゃんの中の合格の基準はきちんとそこを向いていてくれた。
よかった。
ここの所Ｊちゃんはそこかしこで、
大人になったな、
と私を驚かせ続けている。