ピアノを習いはじめの頃、
1拍を2等分割する8分音符が
どうしても掴めなかったRちゃん。
最初の数ヶ月、
申し訳ないくらい、
ひたすら8分音符に向き合ってもらった。
泣いちゃうかな?
もう嫌だ!って言われちゃうかな?
…と、そんな私の心配を他所に
Rちゃんは8分音符に挑んだ。
次第にコツを掴み
リズムの読み間違えがなくなっていった。
あれから数年。
リズムだけに留まらず、
色んな音域の音符を正確に読む。
ポジションのチェンジに柔軟に対応する。
すごいね
ホント、よく読むようになったし、
弾けるようになったね
とRちゃんに伝えると、
「そうでしょ、すごいでしょ」
とRちゃん、自分で言う。
色んな子を見ていて思うのだけれど、
自分で自分のことを褒められる子って、
グングン伸びる。
弾けない所を練習しながら、
「弾けない、できない」
と悲観的になったり放り出したりしない。
練習しながら、
ちょっとでも分かったり、
出来るようになったことで
「よし! イケる」と勢いづく。
そのちょっとの前進を
自分でヨシ!と言える。
Rちゃんも8分音符と格闘していた時期は、
「えー? こうじゃないの?」
「こう? 分かった、やってみる」
「あれ? また違う? じゃあ…」
等々、
出来ない分からないをクローズアップせず
立ち向かい続けていた。
「今のでリズム、合ってた?」
と心配そうに聞いてきて、
合っていたことを伝えると
「やったー!! 私ってエラいでしょ?」
と笑顔がこぼれた。
挑戦を苦にしない。
「分かった、やってみる」
Rちゃんから、この言葉を今もよく聞く。
この精神。
私も見習いたいところだ。