英国的読書生活

イギリスつながりの本を紹介していきます

表紙が・・

2006-08-01 | イギリス
コニー・ウィリス「ドゥームズデイ・ブック」

「犬は勘定に入れません」に先立つタイムトラベル物小説。同じ登場人物も出てきますが、二つの話に連続性はありません。
時代は2054年のオックスフォード。歴史学部の女子学生ギブリンは14世紀のイングランドを研究すべくタイムマシンでの降下に挑む。手首には超小型音声記録装置が埋め込まれて、見聞きした14世紀の状況を記録しようとするのだ。彼女はこの装置を「ドゥームズデイ・ブック」と名付ける。
おりしも季節はクリスマス。降下は成功したかに見えたが・・・、突然オックスフォードを襲った謎の流感のためマシンの技術者が倒れ、正確な降下年度が確認出来ない事態に・・・。もし降下年度がずれると・・・恐ろしいペスト大流行の時代に・・・。
心配するお馴染みダンワーシイ教授だが、流感の猛威のためにオックスフォードは町ごと隔離させられるはめに。つながらない電話、不足する食料、足止めをくらい騒ぎ立てるハンドベル奏者・・・。
はたしてギブリンはどこに降下したのか?そこで何を体験しているのか?そして救出は間に合うのか?
「航路」で描かれたのは現世と死後の対極の世界。本書では未来と中世というこれまた互いに交われない2つの世界で物語は進行します。ちょっとコミカルすぎとも思える2054年と、これでもかと絶望が支配する中世の世界。届くのは鐘の音だけなのか・・・。

タイトル「ドゥームズデイ・ブック」(Domesday Book)はノルマンコンクエストを行ったウィリアム1世が作った検地土地台帳のこと。財産、家畜等が細かく記載され課税の拠り所とされた。Domesdayはもともと「Doomsday(最後の審判)」で、人々の「罪」を決めることから土地台帳の名前となったとか。今ではさしずめ給与明細ってとこか・・(罪がいっぱい・・・)。本書はこのDoomsdayの表記を使っている。


この表紙・・・、ちょっと何とか・・・
これじゃカバーなしで電車で読めませんよね。


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2 コメント

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たしかに (kazuou)
2006-08-02 20:04:32
文庫版の表紙はちょっと外で読むには恥ずかしいかも。古本屋でわざわざ、ハードカバーを探して買ってしまいました。ハードの方もカバーは地味すぎて、ちょっとアレなんですけども。

内容の方は、最初はけっこうユーモラスな感じだったのが、後半に病が広がりだしてからは、重苦しい雰囲気が強くなってくるところが印象的でした。

エンタテインメントなのに、次々と人が死んでしまうのもすごいですよね。ただの娯楽小説にはとどまらない作品でした。
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そうです (ぷりめら)
2006-08-03 16:26:45
この表紙じゃまるで少女漫画です。

男がうれしそうに読んでるとかなり「オタク」にみられること必至です。



ラストは、泣きはしませんでしたが、とにかく情け容赦ない進行にはけっこうびっくりしました。
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