英国的読書生活

イギリスつながりの本を紹介していきます

ブラックキャブ

2006-05-15 | イギリス
ロンドン名物、タクシー。野太いアイドリング音とずんぐりした容姿が魅力的です。
乗るときはあらかじめ助手席窓から運転手に行き先を告げ、OK!をもらってから乗り込みます。中の座席はけっこうゆったり。足元が広いので日本のタクシーよりも格段に乗り心地が良いです。補助席を使えば向かい合わせに座れるところは、かつての馬車の名残りでしょうか。
運転手はロンドン中の道を熟知しているので、渋滞を避け、裏道から裏道をショートカットしながら連れてってくれます。途中、どこを走っているかわからなくなることもしばしばですが、ちゃんと着くのでご安心を。

そんなタクシーの女性運転手を主人公にしたのが、
アンナ・デイヴィス 「チート」

主人公チートはいつも5台の携帯電話を肌身離さず身につけています。理由は5人の恋人との連絡手段として。5人のうち1人はなんと女性。そう、なかなかエネルギッシュな女性運転手チート・・・。と書くと、あけすけ女性の軽薄生活を描いた小説のようですが、どっこいけっこうプロットはしっかりしています。5人の恋人との微妙な距離感、バランスをチートは色分けされた携帯電話を操ることでうまくあしらっていきます。そこに乗客の1人として男性が登場すると・・・チートの日常が少しずつおかしくなって行き・・・・・ある事件に・・・・。はたしてチートは本当の愛を得られるのか?・・・。
チートは気丈な女性ですが、登場する人たちは、皆どこか弱さを背負った人たち。
いい意味で裏切られたストリートラブストーリーです。


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