マイクル・イネス「アララテのアプルビー」
南太平洋をのんびりと航海する客船。そのカフェテラスにお客が6人。元軍人、牧師、ハイミス、若い人妻、黒人、そして何故かスコットランドヤードの警部。かみ合わない会話の中で、船はUボートの攻撃を受けて沈没。6人は奇跡的にカフェテラスの屋根を救命ボートに仕立てて無人島に漂着することに。これは「ロビンソン・クルーソー」「スイスのロビンソン」「宝島」の再現なのか、はたまた「ノアの箱舟」なのか。
次に起こるのは殺人事件。無人島での殺人!!ということは、犯人は・・・・。
この作品、1941年発表ですが、不思議と古さを感じさせない不整脈的なテンポがあります。期待させると思ったら、とたんに肩すかしを食らわすし、眠くなったなと思ったら、いきなりパンチが飛んできます。全てのものを怠惰にさせる島の空気の中で犯人探しはうまくいくのでしょうか。捜査を買って出たアプルビイ警部はなかなかに博学です。オーストラリア人の美人人妻との関係が妙に気にもなったりもしますが・・・・・・・・。
作者イネスはスコットランドの出身。シェークスピアをはじめとする古典文学の研究でも知られており、その教養に裏打ちされたプロットが作品の知的レベルを高めているようです。この作品でも沢山の文学作品の引用や、翻訳では理解し辛い英語の言葉遊び、そして方言的な記述もあります。イネスの作品は難しい!との評価はこの辺から来ているのでしょうか。でもそれよりむしろバカバカしい楽しさのほうがイケてます。
アララテとはトルコにある山。ノアの箱舟伝説で知られています。
南太平洋をのんびりと航海する客船。そのカフェテラスにお客が6人。元軍人、牧師、ハイミス、若い人妻、黒人、そして何故かスコットランドヤードの警部。かみ合わない会話の中で、船はUボートの攻撃を受けて沈没。6人は奇跡的にカフェテラスの屋根を救命ボートに仕立てて無人島に漂着することに。これは「ロビンソン・クルーソー」「スイスのロビンソン」「宝島」の再現なのか、はたまた「ノアの箱舟」なのか。
次に起こるのは殺人事件。無人島での殺人!!ということは、犯人は・・・・。
この作品、1941年発表ですが、不思議と古さを感じさせない不整脈的なテンポがあります。期待させると思ったら、とたんに肩すかしを食らわすし、眠くなったなと思ったら、いきなりパンチが飛んできます。全てのものを怠惰にさせる島の空気の中で犯人探しはうまくいくのでしょうか。捜査を買って出たアプルビイ警部はなかなかに博学です。オーストラリア人の美人人妻との関係が妙に気にもなったりもしますが・・・・・・・・。
作者イネスはスコットランドの出身。シェークスピアをはじめとする古典文学の研究でも知られており、その教養に裏打ちされたプロットが作品の知的レベルを高めているようです。この作品でも沢山の文学作品の引用や、翻訳では理解し辛い英語の言葉遊び、そして方言的な記述もあります。イネスの作品は難しい!との評価はこの辺から来ているのでしょうか。でもそれよりむしろバカバカしい楽しさのほうがイケてます。
アララテとはトルコにある山。ノアの箱舟伝説で知られています。
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