マスミンのピアノの小部屋

ピアニスト兼ピアノ指導者松尾益民が、ピアノや教育、世の中の出来事など日々感じることを、徒然なるままに綴ります。

ドビュッシーの前奏曲集第1集より

2022-01-22 23:35:43 | ラ・プロムナード・ミュジカル
ドビュッシーの前奏曲集について、以前このブログに記載した文に追加して記載します。

ドビュッシー(1862〜1918)の前奏曲集は1集、2集、合計で24曲ありますが、ショパンの前奏曲集のように、24調すべての調性で書かれているわけではありません。
ドビュッシーが、「印象主義」と呼ばれる作風をピアノで確立したのは「版画」でしたが、それをさらに発展させて、完成の域まで達したのが、この前奏曲集と言えるでしょう。
即興的性格を持ち、モティーフを展開しない、前奏曲と言う形式は、ドビュッシーには好都合だったようです。
印象派の絵画を思い起こさせるような作品だと思います。
第1集は、1909年12月から10年2月にかけて作曲されています。

今回演奏するのは、第1曲〜第5曲です。

第1曲 デルフィの舞姫
ルーブル美術館の古代ギリシアの美術品を見てヒントを得たと言われています。
アポロを祭った神殿で舞う舞姫たちの高貴な姿を思い起こさせるようです。

第2曲 帆
原題は、voileで、帆という意味と覆い、ヴェールという意味があります。
一応「帆」と訳されていますが、神秘的なヴェールに覆われた女性…という風にも考えられます。
微風に帆を上げている船が、ゆれる感じでもあるし、ヴェールが揺れる感じでもあるし、なかなか不思議な曲です。
5音音階が目立ちます。

第3曲 野を渡る風
ヴェルレーヌの詩「そは、やるせなき」の中の引用句「風は野で、息を止める」から題名を取ったと言われています。
風は、できる限り軽やかに素早く、短く刈られた草の上を通り抜けていく。
途中で、灌木の茂みや生け垣に出会い、流れを乱す。
そんな情景かと…。

第4曲 音とかおりは夕暮れの大気に漂う
何とも不思議なタイトルです。
ボードレールの詩「夕べの調べ」の中の一節をそのままタイトルにしたものです。
メランコリックな曲で、五音音階や全音音階が多用されて漂う感じを表しています。

第5曲 アナカプリの丘
アナカプリは、イタリア、ナポリから30キロくらいの地中海にある、カプリ島の丘。
まばゆいばかりの陽の光の中、タランテラ風の踊りと、カンツォーネの歌が交錯し、碧い空と海に輝かしく溶け入っていく…かのような音楽です。
カプリ島は、青の洞窟で有名ですが、アナカプリの丘から見る海はとてもきれい…ナポリは行きましたが、残念ながら、カプリ島には行っていません。
WEBサイトで、とてもいい写真を見つけました。

http://bokufukei.seesaa.net/article/128416032.html より
こんな景色が思い浮かべられるような演奏をしたいものです。

今日はリハーサル

2022-01-22 23:14:28 | ラ・プロムナード・ミュジカル
23日のプロムナード・コンサートは、姫路駅近くに新しくできたアクリエひめじの小ホールでの開催となったので、準備の手順とかを知るために今日は会場を借りてリハーサルをしました。
ホールの楽器搬入とか、スタッフも慣れないのでサッとしてもらえないかも…ということもあって、リハーサルの時間が取れないと困るということもあって、実際に音出しもしました。
初めて行ったのですが、いろいろなんか残念…という部分がありました。
使い勝手とか配色とか…。
楽器は今回はヤマハのフルコンを使うのですが曲響くいいピアノで楽に弾けましたし、音響も良さそうですけどね。
建物は、3つのホールが全て横並びで、空間はたくさんありますね。
イベントが重なったら、人の導線がごちゃごちゃしそう。
小ホールは一番奥です。
何とか手順がわかって、帰りはアクセスを確認するために、姫路駅まで歩いてみました。
駅からアクセス道路があってまっすぐ…と思ったら、途中で途切れて、別の階段を。
ここはテラッソよりさらに東で、まだまだ歩きます。
周辺には何もないので、お茶をしたりもできなさそう…。
まぁそういうのはこれからでしょうね。
以前の文化センターに比べれば、駅からはとりあえず歩けますけどね。
ホールというのは、そのイベントに来る人のことを考えると、駅近というのは結構大事なんですけどね。
車という前提があるのかも…。
その割に駐車場が少ないし。

明日は、コロナ完成予防対策をしっかりして是非ご来場ください。

姫路です

2022-01-22 01:57:35 | 日記
23日のコンサートのために、夕方から姫路です。
昼のフランスの短編小説を読む講座に出席した後、ランチをしてから、新幹線でした。
オムレツプレートで。
ここのサラダはおいしいのです。
野菜たっぷりでヘルシー感があるし。
ルミネ横派のレストラン街も、従業員にコロナ感染者が出たお店もあって、やっぱりカフェローカリーがお店としては開放的で安心かな。

新幹線は、ひかりの指定席だと乗車率は1割…かな。
空気が澄んでいて、午後の富士山もきれいでした。
まわりの景色も入れた写真にしてみました。
ここのところの睡眠不足で、途中は結構寝てましたね。
メールしたりあれこれすることがあったので、それは何とかこんなしたけど、曲目解説がなかなか…。



モシュコフスキーのスペイン舞曲

2022-01-22 00:05:15 | ラ・プロムナード・ミュジカル
23日のプロムナード・コンサートで演奏する曲について。
最初は連弾で、モシュコフスキーのスペイン舞曲です。
モシュコフスキー(1854〜1925)は、ポーランドのブレスラウで生まれましたが、当時、ブレスラウはプロシア王国の統治下にあったため、自身をドイツ人と見做していたようですが、実際はポーランドの家系とのこと。
ピアニストおよび作曲家として活躍しました。
ピアノ曲には練習曲も多く、特に「15の練習曲」は、ショパン風の曲もあって、ショパンの練習曲の前段階として利用されることもよくあります。
第11番は特に美しく、ホロヴィッツが好んで弾いていました。

さて、スペイン舞曲についてです。
この時代、連弾は身近な演奏手段として愛好されていました。
そんな中、このスペイン舞曲は、手軽で演奏効果も高く、広く愛され、原曲は連弾ですが、独奏、オーケストラ、手回しオルガンなど様々な楽器にも編曲されました。
この当時、本当のスペイン音楽はまだあまり知られていませんでしたが、モシュコフスキーはスペイン的なものを好んだようです。
この曲が、特にスペイン的なものを含んでいるわけではありませんが、何となくエキゾチックな感じに溢れていると言えるでしょう。
あまり難しくないので、子供たちにも人気の曲です。
今回は、5曲から成るうちの3曲を演奏します。
第1番 ハ長調
ボレロ的なリズムの溌剌とした主少しメラな中間部をもつABAの3部形式。
第2番 ト短調
第1番よりゆっくりで、感傷的な主部に充実した響きの中間部が続く3部形式。
第3番 イ長調
回転するような音型による楽しい舞曲です。