バダジェフスカ:乙女の祈り
バダジェフスカ(バダルジェフスカとも言う)という作曲家としての名前は、乙女の祈りの作曲者ということでしか聞かないと思います。
1834年もしくは1838年ポーランドの生まれ(生年はいくつか説が分かれるようです)で、没年は1861年、20代のうちに亡くなっています。
病弱だったようですが、この短い人生のうちに結婚をし、5人の子供に恵まれたようです。
この頃、上流階級の子女たちがサロンでピアノを弾くというのが流行っていて、ロマン派のピアノ小品が好まれた一因にもなっています。
リストなどはサロンで人気だったとか…。
バダジェフスカもそういったサロンで演奏をしていたようです。
音楽の専門教育は受けていませんが、ピアノ曲を30曲あまり作りましたが、この乙女の祈りだけが好まれて演奏されたようです。
曲は、3種類の和音しか使われていなくて、曲としてはシンプルですが、変奏形式になっていて、分散和音を用いた華やかな曲想となり、手ごろな割に演奏効果が高く、好まれたのでしょう。
3つしか使われていない和音の一つが、Ⅱの和音で短三和音であるため、おしゃれ感があるのかも…と思います。
1851年作曲で、1856年に出版されています。
さて、この曲にはなんと「続編」という曲があるのです。
大流行したのに応える曲だとか…。
タイトルは「かなえられた祈りまたは乙女の祈りへの答え」で、和音の種類も多く、乙女の祈りよりは複雑な作りです。
ただ、曲想的には近いものがあります。
出だしこそ乙女の祈りはかなえられなかったのか…という感じですが…。
ほかの曲については、過去に記事にしたものがありますので、そのリンクを記載しておきます。
クープラン:ティク‐トク‐ショックまたはオリーヴしぼり機
ショパン:バラード 第1番 ト短調 作品23
この記事の中に、元になった詩を記載していますが、必ずしもそれをたどったものではなりません。
ただ、そう思って聴いても、自然になるほどぉ…と思える感じではあります。
リスト:3つの演奏会用練習曲より 第3曲 ためいき
ドビュッシー:版画