マスミンのピアノの小部屋

ピアニスト兼ピアノ指導者松尾益民が、ピアノや教育、世の中の出来事など日々感じることを、徒然なるままに綴ります。

スクリャービン:12の練習曲作品8第12番「悲愴」

2015-09-10 20:51:05 | お勧め
13日のプロムナード・コンサートのソロで弾く最後の曲は、スクリャービンの練習曲の中でも一番ポピュラーな「悲愴」と呼ばれる曲です。
スクリャービンは、1872年生まれで1915年に亡くなっていますから、どちらかといえば短命だった…でしょう。
スクリャービンは自身もピアニストで、特にこの曲は自身も好んで演奏していたようです。
スクリャービンの演奏というのがYouTubeに上がっています。

スクリャービンという人については、以前第4番のソナタを弾いた時に書いていますので、良かったら読んでみて下さい。
http://blog.goo.ne.jp/promasumi/e/a001a72063132dcc5b77ab43d48bccd5

さて、この「悲愴」と呼ばれる作品8-12の練習曲は、タイトルとして「悲愴」と付いているわけではなく、曲想として「Patetico(悲壮な)」という表示が付いているため、そう呼ばれているのだと思います。
「悲愴」と「悲壮」、若干意味が違うようですが…。
作品番号からもわかるように若い時期の作品ですから、ショパンの影響を色濃く残しつつも、若々しさと共に彼独特のピアニズムや書法が見られ、傑作となっています。
ショパンの練習曲を意識して書かれたのか、12曲をひとまとめにし、最後を「革命」のような曲で締めくくる…そんな構成になっています。
私自身は、練習曲はたぶん弾かないだろうと思っていましたが、ふと思い立って弾いてみると、意外に行けるかも…と。
プーランクの曲がしっとりと終るので、最後は華やかにしてみようと、弾くことを決めたのでした。
12番は、スクリャービンの特徴である、跳躍進行と和音の連打満載です。
これでもか…というくらいの連打の連続にはちょっと辟易しますが…。
まぁ練習曲ですから、技術の習得ということで。

テクニックのある人は軽やかに弾けるものだからやたら速く弾く人がいますが、メロディをよく響かせる適切なテンポであるべきですね。
よくアンコールで取り上げられることもあるようです。
先月の、シンフォニー・ブランチコンサートでも、阪田氏がアンコールで弾かれました。
すごいテンポで弾き飛ばしたって感じでしたねぇ…。

YouTuveにもいろんな演奏がアップされていますが、ホロヴィッツの演奏はすごい!
不思議な魅力がありますね。
やはり巨匠です。
Vladimir Horowitz Playing Scriabin 12 Etudes Op.8 No.12



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