曲全体については、以前の記事で。
第2楽章はスケルツォです。
ショパンの4曲あるスケルツォは、3曲が短調で、重苦しくもあり、感情の起伏に富んだ速いテンポの曲…という感じですが、このスケルツォは明るく、玉を転がしているかのような音形の主部に対して、中間部はコラールかと思えるような穏やかで甘美な曲調となっています。
第3番のソナタはロ短調であり、変ホ長調という調性は遠隔調ではありますが、変ホ音を同じ鍵盤上の読み替えの嬰ニ音としてロ長調に転調するという手法を使って中間部を書いているので、ショパンにとっては全くの関係ない調性という認識はなかったのでしょう。
ロ長調は、1楽章でもロ短調で初めてロ長調で終わることで使われているし、4楽章も同様です。
第3楽章はラルゴで、夜想曲(ノクターン)を思わせるかのような甘く美しいメロディが連綿と続く中に、ふと心の揺れを表すかのようなフレーズが挿入されます。
ロ長調で、中間部はホ長調に転調します。
第4楽章はプレストで、簡単に言えば、ABABAコーダというロンド形式で作られています。
ただ、細かく見れば、単純なロンド形式ではなく、転調もし変奏もしという複雑な作りではあります。
情熱的に駆け抜けるとでも言いましょうか、6/8拍子独特の軽快なリズム感を持つ流れるようなメロディは、ドラマティックでもあり爽快感もあり‥と言ったところでしょうか。
転ばないよう駆け抜けたいと思ってますが…。