茶々日和~まったりしましょ~

愛犬茶々(Mダックス・メス)とのまったりした暮らしと、趣味の観劇記です。よろしくお願いします。

夏の読書

2017-08-29 22:24:24 | 読書・映画
今年もたくさん本を読みました。
とはいえ、今年はテーマを設定していなかったので、ぐちゃぐちゃなラインナップですが、題名だけでも記録していこうと思います。

「最愛のこども」 松浦理英子
  真汐・日夏・空穂の三人の女子高校生からなる疑似家族を、同級生の恵文が記録者として綴る物語。
  思春期の女子高生の微妙で繊細な心のうごめきが、語り手の目(妄想?)を通して描かれているので、真実は藪の中。
  なんだか騙されたような気分になりました。
  作者は、巧妙に、構造的に嘘をついている。
 「物語」と言うのは、読者(この場合は、玉藻学園高等学校2年4組のクラスメイト=目撃者たち)の欲望により沿って、語り手が語りたいものを騙る営み。
  平安朝の物語文学も、こうやって成立していったのだろうなあ、なんてことを考えました。
  
「枕草子のたくらみ」 山本淳子
  こちらは、清少納言が「枕草子」を書いた意図を、歴史的な事実に照らしながら論破したもの。
  「香炉峰の雪」や「海月の骨」などの、自分の機知をひけらかしたような章段が、中宮定子と中関白家の素晴らしさを伝えることを意図していた、というのはもう定説ですが、そこから一歩踏みこんで、清少納言がついた嘘や歴史的な事実を検討することによって、その意図をあきらかにしています。
  本文と口語訳がついていて、一般の人の「枕草子」の入門的解説書としても、最適の一冊だと思います。
  
「地学ノススメ」 鎌田浩毅
  高校時代、生物も化学も物理も、全部よくわからず、ぼんやりした霧の中をさまよっていた私ですが、「地学」は好きでした。
  「地学」ではなく、地学の先生が好きだったのかな。
  試験の時、石を二つ持ってきて、「こっちがA、これがB」と、石の名前を書かせたり、持ち込みOKの試験で、今日の月は上弦か下弦かなんて問題が出たり。
  当時の最先端だった大陸移動説やプレート・テクトロニクス、地震予知のメカニズムなど、教科書からはみだしたことも教えてもらいました。
  最近は、地学を開設する高校が少なくなっているそうですが、なんだかもったいないなあ、と思います。
  本書は、大学の教養課程の教科書として書かれたもので、最先端の研究成果がわかりやすく説明されています。
  お勉強って、面白いです。

「スウガクって、なんの役に立ちますか?」 杉原厚吉
  お勉強路線、その2。
  数学そのものは役に立たなくても、数学的な思考方法を利用することで、物事がすっきりすることは、日常生活のなかにいっぱい転がっている。
  だから、教科としての数学ができても、数学的思考ができない人もいるし、数学はできなくても、ちゃんと数学的思考をしている人もいる。
  そういうことかな。

今日は、ここまで。
  


  
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