唐茄子はカボチャ

映画と音楽と・・・

小林多喜二「蟹工船」

2008年05月27日 | 
小林多喜二「蟹工船」突然のブーム ワーキングプアの“連帯感”(産経新聞) - goo ニュース

ブームに乗っかって、いま読んでいます。

蟹工船・党生活者 (新潮文庫)
小林 多喜二
新潮社

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今、何でこの作品が若い人の間で読まれているのか・・・昔の話と思えないぐらい自分や周りにいる人の置かれている環境というか立場が重なってくるということと、その中で団結して立ち上がっていく姿に共感しているということだそうですね。ほかの人の感想なんか見てると、プロレタリア文学という言葉で読む気になれなかったけど、読んでみると、そんなに党派性もなく文学的にも優れているというのが何個かありました。

読み終わって考えましたけど、まず、主人公のだれだれという一個人がたたかって・・・という風にしないで、その他大勢という視点から描いているところがよかったと思います。この問題を解決できるのは優れた一個人でなくて、まさにその他大勢の団結の力であることがそこから感じることができます。

あと、蟹工船での劣悪な労働というひとつの出来事が、いつの間にか、自然に、社会全体の矛盾に結びついているのがすごいとおもいました。軍隊が国民にとって、国家にとってどういう存在であるのかも、何の説明もなく納得してしまう・・・

文学的に優れているというのは、そういうところなんでしょうか。

動物やいろんなものにたとえる表現とか、汚らしい表現もあえて使うことで、蟹工船の環境のひどさとか、そういうものも、視覚的に感じられるところもそうなのでしょう。

でも、「党派性がない」というのはどうなんだろう・・・共産党とか、そういう直接的な表現があまりないことでそういってるのかもしれないけれど、この話全体がすごい党派性がある話のような気がします。そして、その党派性があるからこそ、リアルで遠慮のない、力強い作品になっているんじゃないのかなあ・・・

なんてことをおもいつつ・・・


60セカンズ

2008年05月27日 | 映画 さ行
60セカンズ 特別編

ブエナ ビスタ ホーム エンターテイメント

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映画館で見たときは迫力に圧倒されました。

今回見ても、結構面白い。

ただ、今まではアンジェリーナジョリーの役が案外気に入っていたのですが、今回見たらなんかすかすかした感じがしました。

このニコラスさんは好きです。ちょっと乗り出すと変な人になる感じが。しかも運転してるときも冷静で。車では誰にも負けないって感じのクールで強気なところがいいですね。

最後、あんな結末になるんなら、最初から盗みをやらないで、やっつけちゃえばいいのにって感じもしましたが、それは結果論ですね。その話の積み重ねがあったからこそ最後があるわけですからね。