唐茄子はカボチャ

映画と音楽と・・・

さくら隊散る

2014年08月17日 | 映画 さ行
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目黒に慰霊碑があるとか、さくら隊の話はなんとなく耳にしてきましたが、こうやって一人一人の役者さんのことや縁のある人のインタビューなどを観たのは初めてでした。

戦争によって演劇界も、国策に利用されていく。そして移動演劇として各地を回るわけですが、宇野重吉さんが証言者として出てきて、何でも、このインタビューが最後の映画出演になったとのことでしたが、宇野重吉さんのそれでもお上に逆らってやるという心意気がすごかった。でも、それでも赤紙には従わざるを得なかったと言っていました。

そんな時代。さくら隊の人たちも広島を拠点として各地を回っていたわけですが、8月6日に、広島で被ばくして全員が亡くなってしまいました。被ばくしてその場で亡くなった人、炎とがれきの中を逃げ出してそれぞれ逃げ延びた人たちもその後の原爆症でなくなります。
数十万という犠牲の中の数人の死。その背景をみていくと、それこそその数十万の人生が狂わせた原爆の恐ろしさが見えてきます。そして、そんな恐ろしいものを、アメリカの側では計画から実行まで淡々と進んでいくわけです。その冷静さが恐ろしい。

8月6日、8時15分に迫っていく時計の秒針の音がコツコツ音を立てる中で、みんなが普段と変わらなく朝ご飯を食べているシーンはとても苦しくなります。


無法松の一生 [DVD]
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さくら隊の園井恵子さんという方は、この無法松の一生に出演しています。宝塚出身だそうです。