Nils Monkemeyerのヴィオラ、Nicholas RimmerのピアノでシューマンのMarchenbilder、ブリテンのLachrymae、シューマンAdagio & Allegro及びショスタコーヴィッチのヴィオラとピアノのためのソナタを聴いた。
シューマンのMarchenbilderは-どうもこの手のシューマンが苦手な私である。Monkemeyerのヴィオラはドイツの工房による現代物のようであるが、なかなか良い音がしていた。ヴィオラという楽器の音域も聴いていて心地よい。ただ、弓をものすごく斜め(殆ど横倒し-名人芸ともいえる)に弦に当てることが気になった。確かにpの時、弦に当たる弓の量を減らして音を小さくする、というのは理解できないでもないが。。。ちょっと極端なような。また、私自身使用しているヴァイオリンの弓が軽すぎて気に入らないからそう思うのか、ヴィオラのボディに対して弓が少し脆弱な印象を受けた。
ブリテン及びショスタコーヴィッチの現代曲では譜面を使用。この人は調性がはっきりしない曲は譜面が必要なのだろうか、などと思う。でも演奏自体は現代曲の方が得意そうな印象を受けた。
後半はショスタコのソナタ1曲。これはショスタコが生涯で最後に書いた曲で、最終校訂は死の4日前といわれている。最後の楽章はショスタコが崇拝していたというベートーベンのピアノソナタ第14番通称「月光」が参照されている、という。確かに第一楽章の有名な「タータターン」が何度も繰り返される。しかし、生涯最後の曲と思うと、まるで葬送行進曲の「タータータターン」の最初の四分音符が省略されているのではないか(勿論そんなはずはないが)と思ってしまう。また、これがショスタコの「白鳥の歌」なのかな、と思って聴くと感慨深いものがあった。
今日の二人は2007年からDuoとして活動している、というだけあって、ソリストが集まった、というのとは違う、阿吽の呼吸、のようなものが感じられた。まだまだ若い2人、益々技術的にも音楽的にも磨きをかけて、ヴィオラの名曲をもっと紹介してほしい。