映画『交渉』は、タイで史上最悪の人質劇が発生して、制限時間内に
人質犯ミン・テグ(ヒョンビン)を止めるために危機交渉人ハ・チェユン
(ソン・イェジン)が、一生一代の交渉を始める犯罪娯楽物だ。
ドラマ『私の名前はキム・サムスン』、『シークレット・ガーデン』
などを通じて女心を魅了したヒョンビン。
以後、『王の涙−イ・サンの決断』の苦悩する正祖大王、
『コンフィデンシャル/共助』の信念を守る寡黙な北朝鮮の刑事、
『スウィンダラーズ』の知能型詐欺師など、多様なキャラクターを
演じて興行力を誇示、大韓民国代表俳優として位置づけた。
『交渉』で生涯初めて悪役に挑戦したヒョンビンは「けだるくぽんと
投げる話し方で人質犯が強く出てきそうなシーンではかえって力を
抜いて演じることで意外性を与えようとした」とし、予測可能な
悪役から抜け出してちょっと変わった方向から接近するなど、
キャラクターに対する深い悩みと真剣な態度を表わした。
彼が演じるミン・テグは、タイで韓国記者と警察を拉致した後、理由も、
目的も、条件もなく史上最悪の人質劇を行った張本人で、警察庁の
ブラックリストに上がった国際犯罪組織の武器密売人。
感情的で暴力的な指向で自身の内心は表わさないまま、予測できない
行動で最高の交渉人ハ・チェユンを追い詰める人物だ。
ヒョンビンだけの魅力的な色彩が重なって誕生した史上最悪の人質犯
ミン・テグに対する気がかりなことが大きくなっていく中で、
『交渉』の製作を引き受けたユン・ジェギュン監督はヒョンビンの
悪役変身に「撮影現場で怒って罵倒を浴びせるが、『こんなに悪党の
ような面があるんだな』と思った。
ヒョンビンは驚きの連続だった」と、彼の演技をほめた。
(イノライフ)