韓国ドラマ「熱血司祭」あらすじと感想、最終回。
2019年作品、全20話。
キム・ナムギルがカトリックのすぐにキレる司祭役を熱演。
小心者の刑事との相棒ぶりも笑いを誘い腐敗した権力者たちを
ギャフンとやり込める姿は胸がスカッとして痛快です!
過去のトラウマから怒りを調節できない一度キレると止められない
司祭ヘイルをシリアスもコメディもこなすキム・ナムギルが熱演!
一見厳しそうな黒い司祭服に身を包んだ彼は相変わらず素敵ですが、
今回は普通の司祭らしくない怒りをぶちまける強烈なキャラで
ファンをワクワクさせ登場です(笑)
元国家情報院のテロ特殊チーム要員だったため、彼はヤクザより
喧嘩が強くアクションシーンも完璧(笑)
相棒役で気の弱いク刑事とはまったく性格が違い、二人揃っても
「向かうところ敵なし」とはいきませんが、終盤は最強のコンビに
変わっていく二人の気迫あふれる勇ましい姿に感動です。
またさらに女優イ・ハニ扮する闘争心あふれるパク検事も加わり、
ヘイル(キム・ナムギル)と犬猿の仲に!
個性あふれる3人の登場人物のバランスの良い絡みぐあいと
コミカルでテンポのいい絶妙な演技は爆笑必至です!
特に女優イ・ハニの体当たりのコメディキャラがとてもキュートで
彼女のイケメン好きには爆笑ですが、さらにスッピンをさらけ出す
女優魂は高評価、お見事です!
また物語は、社交場であるクラブ内で起こる悪行や、怪しい
宗教などもあり、すべてはカネ・カネ・カネという汚い金儲けが
映し出された現代社会のテーマが興味深く盛り込まれています。
また脇を固める俳優陣も素晴らしく、特にメガネをかけたシスターが
爆笑でそのシスターの過去は度肝を抜かれる想定外の職業で
笑いのツボです。このシスターには何度も笑わせていただきました。
コミカルでありながら、胸がスカッとする爽快感もあり、また涙あり
笑いありの心温まるシーンも満載された期待を裏切らないドラマです。
久しぶりに声を出して笑えるドラマに出会いました。
あらすじ(ネタバレあり)
問題を起こした司祭ヘイル(キム・ナムギル)は父のように慕う
イ神父のいるソウルのクダム聖堂へいき、そこで静かに聖堂の仕事を
するようにイ神父から教えを導きます。
ところがイ神父はクダム聖堂の敷地を狙う貿易企業代表のファン社長に
脅されていたのです。そして、その後イ神父は遺体で発見されます。
ところが悪の勢力に支配されている警察も検事ギョンソン(イ・ハニ)も
捜査を拒否します。さらに警察は「イ神父は強制わいせつと聖堂の
献金横領の罪で自殺した」と嘘の発表をします。
汚名を着せられて殺されたことに怒り狂ったヘイル(キム・ナムギル)は
警察に行きク刑事を殴ってしまいます。
ヘイルは拘束されますが、「これからはおとなしく何もしないで」と
何度も注意を受け、検事ギョンソン(イ・ハニ)はヘイルを釈放します。
強烈な怒りがこみあげてくるヘイルですが、ある日イ神父が「怒りで
世の中を変える人間は他にいる。私たちは私たちのやり方がある」と
ヘイルを怒ったことを思い出し、同じ教会に通う検事ギョンソン
(イ・ハニ)に過ちを正すチャンスを与えるので、どうか再捜査を
するように訴えます。「神は全てをご存じです」と言って。
ところがギョンソン(イ・ハニ)は私にはそんなの通用しませんと
すんなり言われてしまうヘイルです。
その事件後ヘイル(キム・ナムギル)は、女性クダム区長ドンジャの
後押しで街の発展のために尽くしたとクダム区から表彰された
元ヤクザのファン社長のところに行き、「お前が神父を殺して崖から
落としたんだろ」と言いますが、ファン社長は「勝負したければ、すべて
準備してから来い」と言われ、もっと強くならないと何も暴くことが
できないし確実な証拠を捜さなければと痛いほど痛感します。
そして聖堂を守りながら神父の名誉も回復して、すべての過ちを
正そうと強く心に決めるヘイルでした・・・
クダム区の悪の支配者である、パク議員、女性クダム区長ドンジャ、
カン部長検事、ナム警察署長、そして皆から失敗したらこのクダム区で
稼げないと脅され続け、汚い仕事をすべて引き受けているファン社長。
こんな人物たちがグルになって悪いことをしているので誰も捕まる
ことなどありません。ほんと、最低なやつらです!
その悪の勢力のために人生に希望を見いだせない腐りきったこの世の中。
ここから腐敗した権力者たちとの熾烈な戦いがはじまります。
亡くなったイ神父の部屋を片付けていたヘイルは、ある箱を
見つけます。
その中には「クダム区役所寄付流用疑惑」「女性政治家賞」
「不正給食業者」「9級公務員神話のチョン・ドンジャ区長」
「給食該当業者の社長と従業員は無罪」「クダム区国会議員3選」
「クダム警察署ナム署長」「クダムホテル贈収賄疑惑」などの
ファイルと陳情書や写真、イ・神父が書いた手帳などが
見つかります。そしてその手帳を読んだヘイルはイ神父が一人で
市役所やパク議員や女性クダム区長やナム警察署長のところに行き、
「大人の欲が子供の命を奪うかもしれない」と談判に行き、一人
戦っていたことを知ります。それでも彼らは過ちを認めようと
しません。イ・神父は彼らを許さず、その罪を暴こうと
していたことをヘイルは知ります。
そして、一人で闘ってきた神父の意志をヘイルが継いでいこうと
決心しますが、相手は強敵で八方塞がり・・・
どこからはじめればいいのか迷うヘイルですが、検事ギョンソン
(イ・ハニ)の言葉をヒントにバチカンの教皇様に直接お手紙を
送ってしまいます。
そして教皇様から手紙が届き、カトリック全体の名誉に関わる
問題なので、この事件に対し丁寧に再捜査するように指示がでます。
ヘイルも捜査に加わるということで悪のナム警察署長は捜査を担当する
最適な人物として最も無能で最もまぬけで最も欠点の多いク刑事と
組ませ合同捜査をはじめることになります。そして警察署長はク刑事に
「気づかれないように妨害をするように」と脅します(笑)
ところがヘイルからもク刑事は「改めて言っておくけど、私の邪魔を
した時は地獄を見ることになるから、とにかく引っかき回すな」と
こちらでも脅されるク刑事です(笑)
二人は、はじめに偽証した人物を捜しに行きますが二人は外国へ。
次は聖堂近くの監視カメラの映像も肝心のところが抜けている有様。
そんな時、ファン社長が怪しいカルト宗教のメガク教教主の
キ・ヨンムンを連れてきてクダム聖堂の子供たちの福祉施設の管理を
引き継ぐように手を組みます。そして財団をつくり、そこへ汚いお金が
流れる仕組みを作るのです。 仲間の悪人たちもトラブルが
起きないようにうまくやるようにファン社長に念を押します。
そんな時、検事ギョンソン(イ・ハニ)がカン部長検事の仕事をミスし
彼女の故郷のヨンウォル支部に左遷になります。
また一方、ヘイルがいろいろなところに顔を出し事件を解決しようと
その先で乱闘になりますが、ヘイルの喧嘩強さにファン社長はじめ
ヤクザたちが普通の男ではないと疑問を持ち始め、ヘイルの過去を
念入りに調べ始めます。
同じことを感じていた検事ギョンソン(イ・ハニ)も先輩に連絡して
ヘイルの身元を調べてもらいますが、一般人ではなく保護中の北朝鮮人か
元国家情報院か身元が知られたら困る人だと言われます!?(笑)
最近、ク刑事の部下のソ・スンア刑事は警察寄りだったク刑事が
ヘイルと行動を共にするようになってだんだん変わってきたことに
頼もしさを感じています。正義感の強いソ・スンア刑事は、初めから
ヘイルのファンなので一番の頼もしい協力者です。
またコンビニアルバイトのヨハンや友人のソンサクもヘイルに
協力してくれる仲間たちで皆亡くなったイ神父が大好きだったのです。
そして、ヘイルとク刑事と部下のソ・スンア刑事がクダム区役所
衛生課の贈収賄現場の撮影に成功します。その映像にはヤクザを
雇って警察と司祭に暴行する映像で、ニュースとしても流れ、企業と
役所の結託とそれを黙認する行政の素顔が映し出された
衝撃的な映像でした。
「一体どうしてくれるの?」と怒りをファン社長にぶつける
女性クダム区長ドンジャ。「司祭にハメられた」と言い訳しますが、
その後、クダム区役所前には報道陣が押し寄せています。
仕方なく緊急記者会見を開くことになった女性クダム区長ドンジャは
ここでもヘイルにハメられて「この事件が組織的な常習犯罪だったら
私、チョン・ドンジャはクダム区長を辞任します」とマスコミの前で
公式な発言をすることになりました。
ヘイルは「では辞任の準備をお願いします」と言って、マスコミに
衛生課の犯罪の証拠の書類をバラまきます! (笑)
司祭ヘイルは相手の鼻を明かしギャフンと言わせる天才!
ところが、検事ギョンソン(イ・ハニ)がクダム区に戻って
きたことでまたすべてが水の泡になってしまいます。
検事ギョンソンはヘイルが気になりながら、会えばお互いに
喧嘩になってしまう二人ですが・・・
彼女は何度かヘイルの危機を救ってくれます。
そして、悪を捕まえるのは一筋縄ではいかないということを、
身に染みて感じるヘイルでした・・・
再度、気を取り直してあきらめずに計画を立て直すヘイルたち
ですが、そんな時、悪の仲間たちの間で亀裂が起こりはじめます。
女性クダム区長ドンジャとカン部長検事とファン社長の3人が仲間、
パク議員とナム署長の2人が仲間ですが、はじめにパク議員が
殺されそうになります。
そんな時、テボム貿易の地下にある悪人4人が同時に指紋認証して開く
大きな金庫の中に眠っている札束をメガク教の教主とロシア情報通の
コザエフが狙っています。ところが同じことをファン社長も考え
「これさえ手に入れば何でもできる」と、これこそが本当の自分の
後ろ盾だとやっと気がつきました。
また、一方で元国家情報院のテロ特殊チーム要員だったころの過去を
知っている人物がヘイルの前に現れます。その人物は敵対する
カン部長検事側にいる国情院のイ・ジュングォン部長でした。
そしてそのヘイルの過去を検事ギョンソンも知り納得するのです。
ところがその後、上司のカン部長検事から事もなくサッサと裏切られ
殺されそうになった検事ギョンソンをヘイルが助けます。
ギョンソンは「もうこの際、出世のために後ろ盾も何もかもいらない」
自分の殺人未遂に少しでも関与する人間は一人残らずぶっ潰してやると
怒りが爆発します。
そしてすぐに悪のアジト「クラブ・ライジングムーン」を徹底的に
はたいてやるとヘイルに協力を求め、ヘイルはク刑事とスンア刑事と
ともに歪んだ世界を変えるために検事ギョンソンと手を組むことにします。
そこへヨハンや友人のソンサク、そしてハン司祭とメガネのシスターも
加わり仲間たちが増えていくのですが、肝心の警察が悪に支配されて
いるので、悪人らはやりたい放題で正義など通用しません。
さらに、カトリック教大教区にヘイルが元国家情報院だったことが
知られてしまい司祭職を続けることが難しくなってきました。
それでもヘイルたちは確実な証拠である「クラブ・ライジングムーン」の
秘密の会計ファイルを捜し始めます。
また一方、メガネのシスターが昔、賭博師だったことが分かり、ヘイルは
「ハン司祭が昔子役だったこともビックリしたが、シスターの賭博師は
その50倍驚いた」と言ったセリフに爆笑!!
悪を懲らしめるためシスターはライジングムーンの会計ファイル
「USBメモリ」のために伝説の賭博師たちと賭けをすることに
なりますが、もちろんシスターが勝って賭博組織テガル派は逮捕され
取り調べの最中にナム署長が脱税と会計操作などの疑いで逮捕されます。
これでやっとクガム警察署も本来あるべき姿に戻ったのです。
もう誰も寝たふりする警察署員はいないでしょう!
そして、カン部長検事の仕業で今度はチョン・ドンジャ区長が
逮捕されます。
ここまで、パク議員、ナム署長、チョン・ドンジャ区長が消えたので
ファン社長はカン部長検事との戦争になります。
またヘイルの活躍がおもしろくないカン部長検事側にいる国情院の
イ・ジュングォン部長は自分の部下を集めヘイルの仲間たちを次々と
攻撃していき、ヘイルを悩ますのです。彼らはベテランの殺し屋です。
そしてカン部長検事はそのイ・ジュングォンたちに裏切られ、例の
テボム貿易の地下にある悪人たちが集めた札束1,500億ウォンを
持ち逃げされてしまいますが、その後、ヘイルはイ・ジュングォンから
お金を取り返すことに成功しますが、それに腹を立てた
イ・ジュングォンはヘイルの仲間のハン神父を死の危機に陥れ、
指名手配になります。
そしてヘイルは危篤状態のハン司祭の申し訳ない罪悪感から、自ら
修道院に脱会届を提出し司祭を辞め、悪のイ・ジュングォンを
追い求めます。
そこで同じくイ・ジュングォンを捜していた指名手配中の
ファン社長と出会ったヘイルは「イ・神父を殺したのはカン部長だ」
と言い、その場にいた唯一の目撃者イ・ジュングォンに証言させ
明らかにすべき真実があるから、自分を捕まえるのは少し待ってくれ
と頼みます。
このシーンはイ神父の死の関わりに最後まで一緒に戦うと言う
同じ気持ちが見え、深く心にしみる素敵な二人でした。
案外、ファン社長って、いい奴なんだぁ~とこの時感じました(笑)
最終回、
ハン神父を危険な目に合せたイ・ジュングォンは今度はシスターを
人質にして再び暴走をはじめます。ヘイルはイ・ジュングォンの居場所を
突き止め一人でシスターを助けに行きますが相手は血も涙もない極悪非道な
集団です。ところが捕らわれているシスターはヘイルに向かって
「この人たちに殺されても私は司祭を恨みません、だから気合を入れて
堂々と戦ってください」と大きな声で叫びます。
ヘイルはイ・ジュングォンの取り押さえに成功しますが、銃で自分を殺して
ほしいとヘイルを挑発します。そこへ仲間たちが駆けつけ「そんな価値も
ない人間だ」と言ってヘイルを止めます。結局、ヘイルは
イ・ジュングォンを許し逮捕されます。そして連行される時
イ・ジュングォンが警察官から銃を奪い取り最後まで抵抗する
イ・ジュングォンをみて、なんとク刑事が銃を撃ち、その場の危機を
救ったのです。
これでヘイルたちは、クダム区の悪の群れを全員罰することができました。
イ神父の無念な死の真実も明かすことができ、死の危機に直面した
ハン神父も幸いにも意識を取り戻します。
そしてク刑事たちは、自身たちの過ちの対価を償うために警察に
辞表を出し、ギョンソン検事も自分の罪を償うつもりです。
ところが、勇気と大胆さを高く評価されたギョンソン検事は腐敗した
勢力と戦う検事として再びスカウトされます。
彼女はそのオファーを受けますが、条件として「とても有能なチームが
いるので一緒に仕事がしたい」と言い、ク刑事チームを指名し、
彼らと共に不正勢力に迫っていきます。
またヘイルは海外に旅立つことになりますが、その日、聖堂に列をなした
車が到着し中からなんと教皇様が現れ、ヘイルをはじめ仲間たちは目を
パチクリさせ驚きを隠せません!
教皇様はイ神父の名誉を守ってくれたことに感謝し、ヘイルを抱きしめて
「ミカエル(ヘイル)こそ、真の司祭であり、聖堂に残るべきです」と
告げるのです。
「聖人にも過去はあるし、罪人にも未来はある」本作が
一番伝えたかったメッセージですね!
さらに、ヘイルの熱血司祭は「シーズン2」を予感するような
ラストで幕を閉じました。
キム・ナムギルさんはこのメンバーが皆出演すれば、自分も
「シーズン2」に出演する意思があるそうです。
期待したいですね!