米医学系テレビドラマERやグレイズアナトミーが日本でも人気があるようだ。どちらもベテラン医師ではなく、希望に燃えて医師になったばかりの研修医達の物語で、それだけに学ぶことも多く、失敗もあり、ドラマになりやすいのだろう。私は熱心なファンではないけれど、同業者であるし、自分の若いころのこともあるし時間があれば見ているけれど、彼らには日本の研修医にない特徴がいくつかあると思う。
まず良い点。非常に勉強しているし、医療に対して貪欲なほど積極的で熱心である。教官の評価を非常に気にしている。最近の日本の研修医制度も実はアメリカの研修医制度を取り入れたものでシステムは似ているのだけれど、日本の研修医達はここまで貪欲ではない。
その理由の一つは専門医という資格や一人前の医師というものの待遇が日本とアメリカでは違いすぎることによるのだろう。アメリカでは研修医と一人前の医師とでは天と地ほど待遇が違う。特に一流の病院で研修を終了して優秀な成績を評価された医師は将来が約束されており、収入面での待遇も全く異なってくる。研修医の年収は数百万円であるが、専門医の年収は先日アメリカから口演に来た医師は専門医なりたてでも2.5から3千万円位であると言っていた。医者を25年している私の給料の倍もらっているということか。アメリカでは優秀な医師に診てもらうにはドクターフィーを払うのが当然なので、同じ手術も上手な医師にやってもらうには金がかかる。良い病院で研修し、優秀との評価を得た医師は若くても多くのドクターフィーを得られるのである。
若い医師達のドラマが非常にヒューマンタッチで描かれていて、皆やる気満々で輝いているのだけれど、勿論医師という職業の魅力に惹かれるところもあるはずですが、一生懸命やることのインセンチブは達成した後報われるところがあるからに他ならない。日本人の感覚では医師が若くして拝金主義であることは倫理的にいけないことであるように思われるかもしれませんが、アメリカではよく働く優秀な人が多くの収入を得ることは当然のことでそれをおかしいと言う方がおかしいと考えられています。
私が10数年前に留学したNYのコーネル大学医学部も、アメリカ有数のエリート大学であったけれど、そこの研修医達はテレビに出てくる連中のように(それ以上に)実に優秀だった。カンファレンスでは指導教官が症例提示をすると鑑別診断は何かの問いに、研修医は立て板に水のごとく答えて、それぞれの特徴を述べる。診断が決まるとその分類を教官が問い、研修医が学会で定められている診断分類をさっと答えるといったやりとりがてきぱきと行われながら進められてゆく。英語は勿論のこと日本語でも私はこれだけさらさらとは答えられないだろうと既に指導医資格をもっていながら思ったものでした。
悪い点。私生活があまり良くない?これはドラマの設定だからかも知れないし、アメリカ社会が複雑だからかもしれない。日本の研修医達のほうが平和な私生活だと思う。
研修医達を指導する中堅以上の医師達についてはあまり描かれていないようだけれど、この日米の違いについては項を改めて報告したいと思います。
まず良い点。非常に勉強しているし、医療に対して貪欲なほど積極的で熱心である。教官の評価を非常に気にしている。最近の日本の研修医制度も実はアメリカの研修医制度を取り入れたものでシステムは似ているのだけれど、日本の研修医達はここまで貪欲ではない。
その理由の一つは専門医という資格や一人前の医師というものの待遇が日本とアメリカでは違いすぎることによるのだろう。アメリカでは研修医と一人前の医師とでは天と地ほど待遇が違う。特に一流の病院で研修を終了して優秀な成績を評価された医師は将来が約束されており、収入面での待遇も全く異なってくる。研修医の年収は数百万円であるが、専門医の年収は先日アメリカから口演に来た医師は専門医なりたてでも2.5から3千万円位であると言っていた。医者を25年している私の給料の倍もらっているということか。アメリカでは優秀な医師に診てもらうにはドクターフィーを払うのが当然なので、同じ手術も上手な医師にやってもらうには金がかかる。良い病院で研修し、優秀との評価を得た医師は若くても多くのドクターフィーを得られるのである。
若い医師達のドラマが非常にヒューマンタッチで描かれていて、皆やる気満々で輝いているのだけれど、勿論医師という職業の魅力に惹かれるところもあるはずですが、一生懸命やることのインセンチブは達成した後報われるところがあるからに他ならない。日本人の感覚では医師が若くして拝金主義であることは倫理的にいけないことであるように思われるかもしれませんが、アメリカではよく働く優秀な人が多くの収入を得ることは当然のことでそれをおかしいと言う方がおかしいと考えられています。
私が10数年前に留学したNYのコーネル大学医学部も、アメリカ有数のエリート大学であったけれど、そこの研修医達はテレビに出てくる連中のように(それ以上に)実に優秀だった。カンファレンスでは指導教官が症例提示をすると鑑別診断は何かの問いに、研修医は立て板に水のごとく答えて、それぞれの特徴を述べる。診断が決まるとその分類を教官が問い、研修医が学会で定められている診断分類をさっと答えるといったやりとりがてきぱきと行われながら進められてゆく。英語は勿論のこと日本語でも私はこれだけさらさらとは答えられないだろうと既に指導医資格をもっていながら思ったものでした。
悪い点。私生活があまり良くない?これはドラマの設定だからかも知れないし、アメリカ社会が複雑だからかもしれない。日本の研修医達のほうが平和な私生活だと思う。
研修医達を指導する中堅以上の医師達についてはあまり描かれていないようだけれど、この日米の違いについては項を改めて報告したいと思います。