rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

世界は次第に非グローバル化に向かっている

2008-06-11 23:10:43 | 政治
店頭から国産野菜が消える? 米・中が肥料の輸出を実質禁止(2008年6月11日goo news14:30)

 国産の野菜がスーパーの店頭から消える可能性が出てきた。
 化学肥料の原料であるリン鉱石の世界最大規模の輸出国である中国が実質的な禁輸措置に踏み切ったのだ。
 今年4月、中国は化学肥料の輸出関税を100%と大幅に引き上げ、翌5月にはリン鉱石の関税も100%に引き上げた。

 13億人という世界最大の人口を養うべく自国の農業向けにリン鉱石を活用するように方針を変更したためで、実質的には禁輸措置に近い。

―(中略)―

 肥料の3大要素といえばリン、窒素、カリウム。この3つがなければ日本の農業は成立しない。にもかかわらず、日本はリン鉱石の全量を輸入に頼っており、その多くを中国に依存。もともと、危うい立場にあった。

 中国に限らず、中国に並ぶ世界最大のリン鉱石の生産国である米国はすでに輸出を禁止している。ロシアなどでも産出されるが、国際的に品薄状態が続いており、すでにリン鉱石、窒素、カリウムは、ここ数年で2~5倍も価格が上昇している。

―(以下略)―
(『週刊ダイヤモンド』編集部 清水量介)(http://news.goo.ne.jp/article/diamond/business/2008061105-diamond.html) 引用終わり

 餓えるということの悲惨さや苦しみを終戦直後の日本は否というほど味わってきた。戦後は物資の豊富なアメリカの言う通りにして少なくとも「餓えで苦しむ」ことがないよう努力してきたのが戦後を支え、現在老人となっている日本人達である。戦後世代の我々は、お蔭で飽食の時代を享受することができ、ご飯はおなか一杯食べて当たり前、いかにダイエットするか、いかに栄養過多からくる成人病を防ぐかに頭を悩ませてきた。このような時代は日本の2000年の歴史においても極めて希な半世紀であったと思います。

 グローバル化によって国家の障壁は取り除かれ、物、金、情報、そして人が自由に世界を行き来する時代になる、或いはなってゆく、とつい1年くらい前まではそれが当然のことであるかのように語られていました。

 アメリカを中心とする金融経済の時代がサブプライム問題を契機に終わりを告げて、副島隆彦氏が予想した如く資源や穀物を中心とした実物経済の時代が到来しました。有り余った資金が限りある実物に集中するあまり、製品ではなく資源の値段が高騰し、それをもとに回転するはずの経済や日常生活に支障が出るようになり、結果として各国は資源の門戸を閉めようとしているようです。

 資源に乏しい日本国は各国から資源を売ってもらい、それを加工して製品として付加価値を高め、各国に買ってもらうことで豊かな社会を築いてきました。それは関税障壁などがない自由な世界の方が、日本にとって有利であったと言えます。後から世界の工場として追いついてきた中国も同様でしょう。今後資源を自由に売ってもらえなくなるとしたら、日本は資源がなくても作れる製品を開発するか、日本に元々存在する資源を活用することによって生活してゆかねばならないでしょう。

 資源がなくても作れるものとは、漫画、音楽などの文化、パソコンのソフト、技術、科学といったサイエンスの分野でしょうか。またもともと日本にある資源とは、勤勉で努力する国民、豊かな水と肥沃な土地、四季折々の自然、海洋などです。亡国のゆとり教育により、若者や子供たちの理数系離れが叫ばれ、非正規雇用が増加して会社のために淡々と働く人口が減少し、また農業人口、海にいきる人達(漁業や商船など)も減る一方であり、現在の日本は日本が今後生き残ってゆく道とは反対の方向に向いているようです。

 「世界はますますグローバル化して自由になってゆく」などといまだに言っている人がいたら、それは阿呆か何らかの意図をもった工作員です。世界はゆっくりと非グローバル化、閉じた世界に向かっているというのが現実だろうと思います。日本は日本の国内を大切にし、内需を拡大し、国民全てが豊かになるようにしなければ、経済活動がどんどん外国に逃げてゆき、貧しい国になってゆくことになるでしょう。
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