6月8日付けの読売新聞記事に脱北女性が北朝鮮への帰還を進めた朝鮮総連を相手取って訴訟を起こすことになったという記事があった。(以下引用)
脱北女性、朝鮮総連を提訴へ…帰還事業で「虚偽の説明」
帰還事業で北朝鮮に渡り、強制収容所に入れられるなど肉体的・精神的苦痛を受けたのは事業を支援した在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)に責任があるとして、日本に脱出した女性が近く朝鮮総連を相手取って慰謝料など約1100万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こすことがわかった。
―(中略)―
朝鮮総連は「帰還事業の主体は日本政府とその委託を受けた日本赤十字社」などと反論していた。
今回提訴するのは05年に脱北した大阪府内に住む40歳代の女性(現韓国籍)。
訴状などによると、女性は63年、在日朝鮮人の両親らと帰還事業で北朝鮮に渡ったが、衣食住にも困る生活を送った末、家族が強制収容所に入れられ、女性も00年に脱北を試みて失敗、収容所で拷問を受けた。
女性側は「朝鮮総連は北朝鮮の惨状について説明すべき義務があったのに、『地上の楽園』などと虚偽の説明をして送り出し、人生をめちゃくちゃにした」と主張している。
―(一部略)―
朝鮮総連は、法人格を持たない「権利能力なき社団」だが、訴訟の当事者となることはできる。
(2008年6月8日03時06分 読売新聞)(http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080608-OYT1T00049.htm)(引用終わり)
この記事を見て朝鮮総連の対応として違和感を持つ人は多いと思う。納税問題では総連は公的機関だから優遇されるべき存在であると発表しておきながら、自分たちが行ってきた事業の責任問題が起ると「帰還事業の主体は日本政府と赤十字社だから我々に責任はない」とのたまう詭弁もさる事ながら「北朝鮮は地上の楽園だから積極的に帰国すべし」というテーマを取り下げてしまっていることにまず違和感を覚えるのは私だけでしょうか。
脱北して日本に来た女性がまた北に帰った際に記者会見まで開いて「北は良い所、将軍様マンセー」と言わせていたからには、北朝鮮政府の公式見解では「北は地上の楽園」というキャッチフレーズを取り下げていないはずです。おせっかいながら総連の取るべき正しい態度は「我々が行ってきた事業も宣伝も嘘偽りは全くないのであるから提訴される筋合いはない。その女性は本国における違法行為で罰せられたに過ぎない。」とするべきではないでしょうか。
その上で、提訴されたら正面から受けて、その女性の発言内容が真実であるかないかを裁判で明らかにしてゆくのが正しい道です。それを逃げるということは「おっしゃる通り」と公式表明しているに等しい。
本来拉致事件についても「そのような事実はない。」と言い続けてきたのだから、将軍様が拉致事件を認めた段階で「いままでの発言は誤りであった。」と深く訂正とお詫びのことばが公式に出なければいけないはずです。帰還事業についても「北は楽園ではない」と公式に認めるならば、いつからどのような事由で見解が変わったのか、それに対する責任はどう果たすのかを表明しないといけないですね。
左翼政党や朝日系マスメディアなどで70年代以降しきりに中国や北朝鮮を「良い所」と宣伝してきたのを目のあたりにしてきた自分としては、それらに対する総括をいつ行うのかずっと待っているのですが、いまだに行われる気配すらないようです。是々非々を貫く、誤りを改むるに迷いなし、という姿勢があって始めて人の信頼は得られるものです。
蛇足ながら、マスメディアにおいては、誇り高い、とか「プライド」とか言う言葉は国や民族を表わす場合、本来とは違う「見栄っ張り」の意味で使用されているようです。「真の誇り」があるならば、誤りは誤りと認め謙虚に反省し、卑怯なまねはせず、他を評価すべきところは評価するものです。入学試験に多く引用されることを自慢しているメディアもあるようです。語彙は正しく使用し、また自身の態度も試験に引用されるに足るものでなければならないでしょう。
脱北女性、朝鮮総連を提訴へ…帰還事業で「虚偽の説明」
帰還事業で北朝鮮に渡り、強制収容所に入れられるなど肉体的・精神的苦痛を受けたのは事業を支援した在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)に責任があるとして、日本に脱出した女性が近く朝鮮総連を相手取って慰謝料など約1100万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こすことがわかった。
―(中略)―
朝鮮総連は「帰還事業の主体は日本政府とその委託を受けた日本赤十字社」などと反論していた。
今回提訴するのは05年に脱北した大阪府内に住む40歳代の女性(現韓国籍)。
訴状などによると、女性は63年、在日朝鮮人の両親らと帰還事業で北朝鮮に渡ったが、衣食住にも困る生活を送った末、家族が強制収容所に入れられ、女性も00年に脱北を試みて失敗、収容所で拷問を受けた。
女性側は「朝鮮総連は北朝鮮の惨状について説明すべき義務があったのに、『地上の楽園』などと虚偽の説明をして送り出し、人生をめちゃくちゃにした」と主張している。
―(一部略)―
朝鮮総連は、法人格を持たない「権利能力なき社団」だが、訴訟の当事者となることはできる。
(2008年6月8日03時06分 読売新聞)(http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080608-OYT1T00049.htm)(引用終わり)
この記事を見て朝鮮総連の対応として違和感を持つ人は多いと思う。納税問題では総連は公的機関だから優遇されるべき存在であると発表しておきながら、自分たちが行ってきた事業の責任問題が起ると「帰還事業の主体は日本政府と赤十字社だから我々に責任はない」とのたまう詭弁もさる事ながら「北朝鮮は地上の楽園だから積極的に帰国すべし」というテーマを取り下げてしまっていることにまず違和感を覚えるのは私だけでしょうか。
脱北して日本に来た女性がまた北に帰った際に記者会見まで開いて「北は良い所、将軍様マンセー」と言わせていたからには、北朝鮮政府の公式見解では「北は地上の楽園」というキャッチフレーズを取り下げていないはずです。おせっかいながら総連の取るべき正しい態度は「我々が行ってきた事業も宣伝も嘘偽りは全くないのであるから提訴される筋合いはない。その女性は本国における違法行為で罰せられたに過ぎない。」とするべきではないでしょうか。
その上で、提訴されたら正面から受けて、その女性の発言内容が真実であるかないかを裁判で明らかにしてゆくのが正しい道です。それを逃げるということは「おっしゃる通り」と公式表明しているに等しい。
本来拉致事件についても「そのような事実はない。」と言い続けてきたのだから、将軍様が拉致事件を認めた段階で「いままでの発言は誤りであった。」と深く訂正とお詫びのことばが公式に出なければいけないはずです。帰還事業についても「北は楽園ではない」と公式に認めるならば、いつからどのような事由で見解が変わったのか、それに対する責任はどう果たすのかを表明しないといけないですね。
左翼政党や朝日系マスメディアなどで70年代以降しきりに中国や北朝鮮を「良い所」と宣伝してきたのを目のあたりにしてきた自分としては、それらに対する総括をいつ行うのかずっと待っているのですが、いまだに行われる気配すらないようです。是々非々を貫く、誤りを改むるに迷いなし、という姿勢があって始めて人の信頼は得られるものです。
蛇足ながら、マスメディアにおいては、誇り高い、とか「プライド」とか言う言葉は国や民族を表わす場合、本来とは違う「見栄っ張り」の意味で使用されているようです。「真の誇り」があるならば、誤りは誤りと認め謙虚に反省し、卑怯なまねはせず、他を評価すべきところは評価するものです。入学試験に多く引用されることを自慢しているメディアもあるようです。語彙は正しく使用し、また自身の態度も試験に引用されるに足るものでなければならないでしょう。