弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

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国によって違う知財制度事情。

2016年05月11日 08時11分32秒 | 知財記事コメント
おはようございます!
徐々に空気の湿気が多くなってきているのを実感する湘南地方です。

さて、今日は こんな記事から。

(Sankei Bizより引用)
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日本の特許に「フリーパス」 審査なしで登録 カンボジアと覚書


特許庁は9日、国内の審査を経た特許がカンボジアでも審査なしに認められるよう、
カンボジア工業手工芸省と覚書を交わしたと発表した。
日本の特許が無審査で外国で取得できる協定は初めて。
カンボジアなど経済成長を続ける東南アジア諸国連合(ASEAN)をはじめ、
他の新興国への拡大も検討しており、日系企業の海外進出を後押しする。
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(引用終わり)

記事の中では、カンボジアでは審査体制の不備が原因で現在300件が審査未着手、とのこと。
別のソースでは、カンボジアの出願件数は年間数十件、ということだから、
事実上制度として機能していない、といったほうが良い、のかな?

なおこうした状況はカンボジアに限った話ではなく、
例えばタイでも、出願から権利化まで10年以上かかるケースがザラだったりする。

こうしたギャップは審査能力に限らず、そもそも制度として細かいところでの違いが多々ある。
商標で言えば、日本では登録が認められるものでも外国ではそもそも絶対的不登録事由だったりすることも。
なまじ日本の制度に慣れていると、それが普通だと勘違いしてしまい、
結果として思わぬ落とし穴にはまってしまうことが十分にあり得るので注意が必要だ。
コメント
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