弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

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【知財記事コメント】食品業界の知的財産権

2021年09月08日 09時22分01秒 | 知財記事コメント
おはようございます!
すっきり晴れないですが、でも空は明るい@湘南地方です。

今日は少し暑さが戻ってくる、とのこと。
そんな中、この夏初めてスーツを着てのお出かけになります(笑)
ほんと、夏場にスーツ着る機会って激減したなぁ。。。

さてさて、今日はこんな記事

(食品新聞より引用)
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おいしさを権利化へ 「オンリーワン戦略」で価格競争脱却 食品業界の知的財産権

新製品開発で各社がここ数十年にわたり追求している項目は「おいしさ」「健康」「簡便」で、この間、業界で分かったことは、どんなに健康的で簡便かつ安価な食品であっても、おいしくなければ消費者は付いてこないという事実だ。どの企業も自社の「おいしさ」に自信を持って商品投入するものの、追随され価格競争に陥る。そしてこれが繰り返されているのが現実であり、価格競争の先に業界の発展は見通しにくい。これを防ぐ一つの方法が、知的財産権(知財権)として権利化することで他社の追随を許さない「オンリーワン」戦略を推進できる。これにより圧倒的な差別化を図り、繰り返される価格競争からの脱却を図る。今回は、「オンリーワン戦略」を目指す上での権利取得について、その重要性、有効性などの観点から特許出願とノウハウ秘匿の選択、官能評価、新たな知財制度の概要、知財権ミックス戦略について、大阪や東京などで食品を専門に活躍する弁理士にそれぞれ語っていただいた。
(以下略)
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(引用終わり)

上記記事の後に、各弁理士さんのテーマ記事に続くわけですが、
久しぶりにコンパクトによくできている記事に出会ったなぁ、と思う。
それぞれの先生の力のほどがうかがい知れる。

記事を読んでいて感じたのは、
「差別化戦略」という言葉の本当の意味。

別に出願をすることで商品が何らかの差異を獲得するわけではなく、
もともと内在的、潜在的、不可視的に備えている「違い」を、発掘して差別化要素として認識すること。
それが「差別化」。

つまり「ものの捉え方」「見る角度の変えること」なのかもしれないし、
「再定義」なのかもしれない。
いずれにしても、“作り出すこと”ではなく“発見すること”が、サポーターの立場には求められている。

だから、色んな視野、視座、視点を備えておくことが必要だし、
「物差し」を変えてみることも必要。
柔軟な発想で事物を捉えることで、“ここに書かれているこれと同じじゃん”
という「同質化」に抗うこと、そのための事前の仕掛けが必要。

あと、記事中でも触れられている「知財権ミックス」。
一つの商品/サービスを、産業財産権の枠組みにとらわれず様々な制度を活用して保護する。
いや、「保護」という表現だけだと不十分だなぁ。
商品/サービスの「価値」を訴求する仕組みづくりをする。
守りと、攻めと。両方をケアしなければ競争優位性を築き上げることは難しい。

普段考えていることとのシンクロ率がかなり高い記事だったので取り上げてみました。
ご参考になれば。
コメント
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